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【J2:第11節 甲府 vs 福岡】レポート:ホームで2戦連続で勝点2を失った甲府とアウェイで割り切って勝点1を持ち帰った福岡(12.05.01)

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どう贔屓目にみても甲府は勝点2を失った試合。記者席で久々に悔しさに濡れた。城福浩監督も手当たり次第、目の前のペットボトルを蹴り上げたいくらいの気持ちだったのではないだろうか。
「誰もがそう思っているのに、試合後に鼓舞してくれたサポーターにはありがたいという気持ちを持った。悔しさと反省だけではなく、相手に勝点3を与えなかった、負けないことは大事。ポジティブな捉え方と反省をしっかり持ちたい。ただ、もう一度言うが誰も勝点1で満足はしていない」
記者会見に現れたときの顔には怒りが満ちていたが、会見後の囲み取材でも同じ。ただ、感情をコントロールして冷静に話すものの、交代選手がもう少し決定的な仕事をやれると思っていたはず。「交代選手は頭も身体もホットにならないといけないのに、そう送り出すことができなかった自分の責任。交代選手が機能しなかったことは残念。チームとして詰めていかないと駄目」と、その責任を自分に持っていく。でもその裏返しの感情はそう優しくはないはず。

前半開始7分に今季初先発の片桐淳至の正確なロングクロスが逆サイドでフリーだった永里源気に渡り、最初の決定機となった。しかし、トラップでボールを浮かしたことで、前に出てくるGKに時間を与え、自分自身も少し慌てただろう。結果はサイドネットにシュートを打ち込んでしまった。ダヴィと高崎寛之の間に割り込むために必死にもがいている永里だったが、アピールし損ねた。福岡サポーターが選手紹介のときに――無視されるより大変名誉な――ブーイングをしてくれたのに、これにも応えることが出来なかった。「あれが決まっていれば…」なんて言い出せばキリがないが、あれを決めていれば城福監督の覚えがめでたくなっていたことは間違いない。

主導権を取れる立ち上がりに先制できずに、チャンスが少ない相手に決められるというというのが甲府の最近のホームゲームのパターン。今節も34分に城後寿と坂田大輔が甲府陣内のゴールライン沿いで「トレーニングから城後とは合わせている」(坂田)というコンビネーションで決定機を作って先制。坂田は「城後がイメージ通りのパスを出してくれたからインフロントで浮かせて流し込むだけだった」という上手いシュートを決めて先制。当然、リードされた甲府はアグレッシブになるのだが、この辺りから福岡ベンチの前田浩二監督も記者席から見る限りかなりヒートアップしていた。山梨中銀スタジアムがレンガでできていなくてよかったと思うほど、その熱がスタジアム全体に伝わった。ただ、甲府の選手が福岡の前田監督と同じ温度で熱くなると相手の術中にはまるだけ。主導権を相手より長く取れているチームは冷静さが武器になるのだが、前半は感情をコントロールできず0−1のまま終了。イライラ火山爆発のダヴィに2枚目のイエローカードが出なかったことが幸いだった。

ハーフタイムの城福監督のコメントに「イライラしないでプレーし続けること」とあった甲府。後半、開始すぐにダヴィが勝ち取ったCKのチャンスに、ダヴィがヘッドで流し込んで同点に追いついた。悔しさをゴールで晴らすのが相手に一番のダメージを与える。片桐のキックもよかったし、ダヴィも上手くおとりを使ってフリーになった。昨季からセットプレーからのゴールとは無縁に近かった甲府にとって価値あるゴール。逆に、前節もセットプレーから失点して敗れている福岡にとっては我慢ならない失点。
同点になったことで甲府が優位性を活かして「甲府タイム」を勝ち取るが、主導権に見合っただけの決定機はなかった。福岡がよく守ったという表現もできるだろうが、甲府サイドから見れば前で勝負しない選手が多すぎた。ボールを失わないだけのドリブルで、危なくなると身勝手パスをすることが多いからコンビネーションになんかならない。逆にカウンターのチャンスを福岡に与えたこともあった。

ダヴィの近くで仕事をしてほしかった青木孝太は今ひとつ絡めず、サイドで攻撃参加してほしかった松橋優は、3枚目の交代カードでは自分ではなく高崎か伊東輝悦が出場すると思い込んでいたのかフィットできなかった。センターバックの山本英臣をボランチに上げ、サイドバックの佐々木翔をセンターバックに入れて松橋をサイドバックに入れる初めてのコンビネーションは、ディフェンスラインを不安定にしただけだった。初先発の崔誠根が激しく足をつったために3枚目の交代カードを急遽切ることになったのだが、結果的に高崎を温存しただけの結果は次節の湘南戦で何がなんでも奪い取らないといけない。

後半早々に追いつき、その後の逆転のチャンスをモノにできずに、中2日の連戦で選手の疲れが出てからはお互いにミスをミスで助けるような内容で、同点のままタイムアップという結果。福岡にとってはセットプレーから失点したことは問題かもしれないが、前田監督が最後は勝点1を持って帰ると決断して、そうできたのだから容認できる結果ということではないだろうか。問題は次のホーム大分戦。これも結構激しくなりそうだが、「闘い」切れるかどうか。闘争心の強さが試される。
甲府は中2日の連戦でチャンスを与えた選手が先発では一定の結果を出しているものの、途中出場という形でチャンスをもらった選手が結果を出せていない流れ。特に前線の選手はボールを失うことを怖がらないで勝負しなければ、上手くもならないし評価もしてもらえない。ボールを失っても必死で取り返す姿勢を見せれば周囲は容認してくれるはず。中2日で続く湘南戦(アウェイ)、京都戦(ホーム)。甲府に必要な勝点6を取るためにはサブの温度が重要になりそうだ。

以上

2012.05.01 Reported by 松尾潤
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