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【J2:第11節 栃木 vs 鳥取】レポート:鳥取に屈した栃木は痛い連敗。接戦をモノにした鳥取は7試合ぶりに甘美な“果実”を得る(12.05.01)

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一瞬の隙を見逃さずに確実にゴールを奪い切った鳥取が、相手が献上してくれたミスに付け込めずに決定機を逃し続けた栃木に勝利した。最終盤、アディショナルタイム3分に尾崎瑛一郎が決勝弾を決めた鳥取は7試合ぶりに歓喜を味わい、最下位からの脱出に成功。一方、栃木は前節の山形戦に続く敗戦で痛い連敗を喫して13位に後退した。

「決めるべきところで決める。守るべきところで守る。90分を通して気が抜けることのない戦いをしなければいけない」
菅和範の言葉に、この一戦の全てが凝縮されていた。前節、山形に敗れた反省を活かし、「最初からパワーを持って主導権を握ろうと意識していた」と廣瀬浩二が言うように、栃木は勢いを持って鳥取ゴールに迫ると、4分、8分と右サイドバックの荒堀謙次が立て続けにヘディングシュートを放つ。
今節のポイントのひとつだった主導権争いを制したことで鳥取の焦りを誘い、18分にはビックチャンスが訪れる。相手DFラインでのミスから廣瀬がGK小針清允との1対1の局面を迎えた。しかし、廣瀬のシュートは無情にもゴール左へ。「決めるだけだったけど狙い過ぎた。自分の力がなかった。決めないとチームは乗れない。決めていればミスからだったので相手にはダメージが大きかったはず」と、決定機で仕留め損ねた廣瀬は声を落とした。
その後も幾つかチャンスを作り、後半22分に今度は棗佑喜に絶好の機会が訪れる。だが、相手のクリアミスに乗じて無人のゴールに向かって放ったシュートは、またしても枠を捕らえ切れなかった。

2度もミスを活かせなければ勝機が逃げて行くのはサッカーの道理。棗が外した時点で勝点3を引き寄せることは難しかったのかもしれない。それでも、「最悪でも0−0、勝点を取らなければいけなかった。もったいないし、もう少し対応できたはず」。
防げたはずだった。そう思うからこそ、土壇場での失点にGK武田博行の後悔は消えない。前半からカウンター対応に甘さが散見されたが、最後にそのしわ寄せが来た。チャ・ヨンファンが相手陣で犯したファウルに異議を唱え、その間に鳥取がクイックリスタート。完全に取り残され、後追いの対応が失点を招いた。トレーニングから松田浩監督は切り替えの重要性を訴えているが、重要な局面で足が止まってしまったのは痛恨。前節の山形戦の決勝点もスローインから一瞬、気が緩んだ所を突かれた。

ここ3試合の試合内容は悪くない。ただ、肝心のシーンでの集中力不足が致命傷に繋がっているのは事実。栃木本来の締まった試合運びを90分続けないと、5連戦の残り2戦も厳しい結果が待ち受けていると言わざるを得ない。宇佐美宏和は訴えるように、こう話した。「良い守備からの良い攻撃が栃木にはある。それをやらないと栃木は勝てない」。中2日で挑むアウェイの京都戦では、勝負どころを見誤らないようしたい。

「栃木が(運動量が)落ちた後に我々が前に出て行ったことは、選手が勝ちにこだわっていることを象徴するプレーだったと思う」
まさに、鳥取・吉澤英生監督の言葉通り、勝利への執念が最後の最後に勝点3をたぐり寄せた。1−4で大敗した前節の愛媛戦からメンバーを入れ替え、岡野雅行と左ワイドMFの奥山泰裕がスピードを活かしてチームを引っ張り、美尾敦は栃木のDFラインが嫌がるスペースへとボールを供給し続けた。決定機を作られても怯むことなく立ち向かい、終わってみればその数は栃木を凌駕した。抜群の反射神経でピンチを防ぎまくったGK小針の好守も攻撃陣に勇気を与えた。

歓喜のホイッスルを聞くと小針は殊勲の尾崎に飛び付き、その側では力を出し尽くした戸川健太などがピッチに倒れ込み勝利の味を噛み締めた。気力と体力を振り絞って甘美な“果実”を得たが、美尾は「(気持ちを出すのは)最低限。プロのゲームでそれがなければ戦う資格はない。1人、2人ではなく全員が出さないといけない」と、次節の富山戦に向けて気を引き締めた。ホームに戻り、順位の近い18位・富山から今季初の連勝を狙う。

以上

2012.05.01 Reported by 大塚秀毅
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