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【J2:第10節 京都 vs 大分】プレビュー:連戦初戦! 西京極に大分を迎え撃つ。いよいよ始まる連戦に向け、はずみをつけるのはどちらか(12.04.27)

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今節よりいよいよゴールデンウィーク連戦に入る。中2日で4試合。観る者としては「厳しい戦い」という感覚よりも「ワクワクする期待感」を前面に押し出したい。京都としてはサッカーの土台がしっかりしているのだから、それを洗練させる絶好の舞台となる。技術、精神力、全てをレベルアップさせられるのか。そのゴールデンウィーク連戦の初戦の相手は大分。気持ちはいつもと同じ。ただ「勝ちに行くだけ」、である。

前節、横浜FCを相手に京都は苦杯をなめた。大木武監督に、先制されたシーンで簡単にクロスを上げられた点について訊ねると「(マークに)1枚は行っている、でも次が行けていない。クロスを上げられた中央でも相手は1枚で、DFは2枚いる。GKを入れれば、3対1の状態。でも守り切れない。反省点はある」と述べた。ただ、敗れたとはいえ「ボールは運べていた」と、全体的な崩れ、大きな問題点のないことも挙げた。

前節では非常に興味深いプレーもあった。前半、左からのクロスに横浜FC・田原豊が頭で合わせようと京都DFと競っていたところを、その背後から安藤淳も加わったのである。しかし、そのボールが後ろに逸れて、安藤がマークに付いていた相手選手に収まるとシュートを打たれ、それをゴールにカバーに入った安藤がすんでのところで掻き出した。
安藤はそのシーンを振り返り、自分がマークを持っていたことは「わかっていた」としながらも「危険だと思ったら、最初にそこを潰すべきだと思う」と自分のマークを外してでもヘディングに競りに行ったことを明かした。この考え方に大いに納得する。その判断で失点するかもしれない。だが、危険だと思ったところを潰しに行かずに失点すれば、その方が後悔が大きくなるはずだ。「やらずに後悔するのなら、やって後悔したほうが良い」ということである。安藤はヘディングでクリア出来なかった後、素早くカバーに入った。自分のマークを外していることをわかっていたから、行動も早かったのではないか。

先制されたシーンも同じように思えてくる。簡単にクロスを上げさせて、本当に後悔しないのか? シーズン終盤の戦いになると「負けられない」と表現されることが多くなる。だが、その元を辿ればシーズン中の一つ一つの敗戦に行き着くはずだ。さらに見ていけば、結局はその試合の1プレーである。「その1プレーに後悔はないのか」。
戦術において大きな問題がないとすれば、問われるべきはこの意識ではないか。「昇格のための、その1プレー」。その意識をどう表現してくれるのか。今節、京都の選手の勝利への意志を見届けたい。

対戦相手の大分。前節は富山を相手に逆転勝利を挙げた。前線には森島康仁、高松大樹といったパワーのある選手のほか、スピードのあるドリブラーとタレントが揃う。「アグレッシブで動きのあるサッカー」と大木監督も大分サッカーを評した。
ピッチを広く使う大分の心臓部は村井慎二と宮沢正史。経験豊かなボランチを封じることは重要なポイントとなるだろう。前線に入れられる以前に、パスの出どころを潰す。これは京都の鉄則である。
3バックのチームとの対戦は第3節・熊本戦以来となる。熊本は中盤での攻防の際、2シャドーと2ボランチがボールサイドに寄り、密集を作った。それで、逆サイドにワイドの選手を1人残すような形で守備から攻撃に切り替えた。大分がどうするかはわからないが、3バックのフォーメーションはそういうことがしやすいことは確かだろう。

「相手がボールを持った時に奪い切る」とは大木監督。「高い位置で、相手がラストパスを出す前に奪い切る。それが出来なければ最後の最後でも、しっかりと止める」と、決意を話す。シュートを決め切れないならもっと決定機を作ること、決定機を作りたいなら相手ボールを奪うことである。ボールを奪うのは決定機を作る為だ。攻撃を途中で止められるのなら、再びボールを奪い返して攻め直す。相手ボールを奪うということは、チャンスを増やすということで、ピンチを減らすことにもなる。守備も攻撃も同じ意味を持つ。これを続けること。1回で点を取れないなら2回、3回と続ける。4回、5回と続け、2分、3分と続ける。それが5分、10分とやり続けられれば相手にも隙が生まれる。逆に、京都が集中を切らすことになれば全員で声を出す。ポジション修正、周囲の確認、危機認識の共有。どういう内容かは状況次第だが、11人の意識を声で揃えなければならないだろう。

相手がどこでも、どういう布陣でも主導権を握る。それが京都のサッカー。それは「戦術と個の意識の高い融合」だ。今節もまた、京都のその戦いに注目したい。

以上

2012.04.26 Reported by 武田賢宗
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