岡山は5連戦のスタートを2ゴール無失点で勝利した。3月末の第5節・山形戦から3戦連続で勝利し、第8節・千葉戦を引き分けた後の勝利ということで、実は5戦負けなしである。「実は」と書くのは、岡山・影山雅永監督は昨季から「目の前の試合に勝つことだけに集中したい。結果的に『ああ、連勝してたんだ』というのが(今の岡山にはいい)」と話しており、昨季は「次勝てば、連勝ですね」と切り出そうものなら、苦笑いして「だからね…」と上の話を繰り返し、「連勝は禁句だからね」となったのだ。
今季、3月はなかなか勝点を積み重ねられず厳しい状況が続いたが、第7節・松本戦の勝利で、岡山が2009年にJ2に加入して初めての3連勝を果たした。ちなみに今季、広島から加入した服部公太は「え! 初めてだったの!」と驚いていた。
そして今季。「連勝」という言葉が禁句になるほど、ヤワな精神状態のチームではないが、目の前の一戦に集中するということは変わらない。そしてメディアは、影山監督の反応を予測しながらも「次、勝てば…」と切り出す。昨季は、ただ苦笑いした影山監督だが、今年は『ニヤッと』苦笑いする。5連戦がスタートする前の週、同じことを聞かれた時は、「連勝は考えてないんですけど、連戦についてはすごく考えてます。この5連戦の勝点の積み重ね方で、上位と下位との差がクリアになるだろうと思ってます。中2日で4試合続くので、疲労とリカバー、どうやってメンバーを回すかをセットで考えようと」。また鳥取戦終了後は、「9試合終わったところでの順位は気にしてないです。連勝や順位が上がったと一喜一憂していても、いいことはありませんので、次の準備、次の試合だけに勝つ身体と心の準備をしたいと思っています」と話した。
さて選手はというと、「連勝」というワードを出して話を聞いていないが、「この5連戦、全部勝ちたい」と言うのは、金民均。「一戦一戦、勝つだけです。3連勝してますけど、まだ3つしか勝ってない。3連勝じゃ足りない。6位以内に入るにはどんな相手でも、自分たちのサッカーに自信を持ってやっていきたい」。これは仙石廉(4月12日練習後のコメント)。目の前の勝利に向かって集中するという意識はしっかりとチーム全体に根付いているようだ。
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2012.04.23 Reported by 尾原千明