アウェイでのACLから帰国後、中1日という過酷なスケジュールをものともせず、ガンバ大阪は立ち上がりから躍動した。
直近のブニョドコル戦からメンバーを3人入れ替えての清水エスパルス戦。そのブニョドコル戦は出場停止だったMF遠藤保仁をはじめ、MF寺田紳一、FWラフィーニャがスタメンに復帰する。
G大阪は立ち上がりからチーム全体の守備への意識がしっかりと感じられる展開。ハードワークがウリのMF武井択也やMF寺田紳一が2列目からしっかりとプレスをかけ、清水の攻撃陣のストロングポイントを消しながら攻撃に転じるという落ち着いた展開をみせる。しかも、20分には待望の先制点。MF遠藤から縦に入ったボールをFW佐藤晃大が相手DFと競り、こぼれたボールをMF武井がダイレクトでズドン。ドライブのかかったシュートは相手DFをかすめてゴールに吸い込まれる。しかも、その7分後にはFWラフィーニャから通された相手DFの裏への縦パスに反応したFW佐藤の突破によってPKを獲得。キッカーに立ったFWラフィーニャのシュートは一度は清水GK林彰洋に阻まれたものの、自ら素早く反応して落ち着いてゴールネットを揺らし、追加点を奪う。
対する清水は公式戦4連勝の勢いが嘘のように、立ち上がりに2失点を食らう苦しい展開に。どちらかというとポゼッション率ではG大阪を上回っていたものの、ボールを回しているというよりは、回させられているという印象もあり、どこかゲームの主導権を握り切れない。G大阪のハイプレッシャーもあり、ここ数試合に見られた縦に速いサイド攻撃も形を潜め、ボールをキープしていてもスペースを探しているかのような展開が続く。しかもボールを奪われてからは一気にG大阪のショートカウンターにさらされることも。結局、前半は1点も返せないまま折り返す。
後半2点を奪ったG大阪は、前半以上に“無理をしない”展開に。ハードスケジュールによる疲れも踏まえて、うまく自分たちのリズムをコントロールしつつ、要所要所ではきっちりとハードワークをしながら試合を運ぶ。これに対して清水は、MF小野伸二と、この日がリーグ戦デビューとなるMF石毛秀樹を後半スタートから投入。ビハインドを負った展開を覆そうと前がかりに試合を運ぶが、守勢に回ったG大阪の守備網を切り崩すことが出来ない。前半同様、ボールを保持してはいるものの、鋭く攻撃を仕掛けられず決定的な形を作り出せない。「ポゼッションをしてゲームを支配はしていましたが、相手の方が試合を作っていた。我々はしっかりゲームを作る支配というものをしなければいけなかった」とは試合後のDFカルフィン ヨン ア ピンだが、まさにその通りでボールを支配しているのは清水、だが、ゲームを支配しているのはG大阪という展開が続く。
しかも、その流れを後押しするように、81分にはセットプレーからFW佐藤が頭で合わせて3点目を奪い、G大阪がほぼ勝利を手中に。アディショナルタイムには清水も意地を魅せてMFアレックスが1点を返したものの、巻き返すには残り時間は殆どなく、3−1で試合終了。G大阪が今季初の連勝を飾った。
以上
2012.04.23 Reported by 高村美砂
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