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【J2:第9節 富山 vs 大分】レポート:大分、ダブルエースのそろい踏みで打ち勝つ。富山はまたも善戦止まり。(12.04.23)

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大分が激しい点の取り合いを制した。チームの顔ともいえる高松大樹と森島康仁の両FWが今季初めてそろって先発、ともにゴールを決めて3試合ぶりの勝利に導いた。富山は2度のリードを生かせずに逆転負けして3連敗。ホームでの初勝利を27日からの4連戦へと持ち越した。

強風のもと富山は前半に風上の陣地を選んだ。けが人の回復を願ってサポーターから贈られた千羽鶴を目にしてチームは奮い立っていたという。先手必勝を狙った。前線に素早く送る形から早々に決定機をつくる。5分のMF加藤弘堅のシュートはGKが好セーブ、7分には苔口卓也のミドルがバーを直撃した。その勢いのままに16分に先制点が生まれた。左CKからニアにFW西川優大が飛び込み、浮いたボールをDF福田俊介がGKと競って頭で決めた。その後も敵陣でボールをつないで優位に試合を進めた。

しかし、大分がここから地力を発揮した。30分前後から高松や森島が起点となって盛り返し始める。34分に森島のポストプレーから高松がミドルシュートを放ち、36分にはMFイ・ドンミョンが左サイド深くからクロスを上げて好機をつくった。そして43分、右サイドのスローインからMF三平和司がゴール前に入れたライナー性のクロスが富山のMF大西容平に当たってオウンゴールとなり同点に追い付いた。

後半に入るとさらにゲームは動き、富山は同3分にFKからの流れでMFソ・ヨンドクが上げたクロスをまたも福田がヘディングで押し込んで2−1と勝ち越す。大分もひるまず、同15分に森島が右サイドで粘ってセンタリングしたボールに高松が頭から飛び込んで再び試合を振り出しに戻した。
その後は攻め合って拮抗した時間が続いたが、大分は同32分、イのクロスがDFに当たってわずかにコースが変わったところに詰めた森島がダイレクトで蹴り込み逆転に成功した。森島は緩んだピッチ状態に対応して後半からスパイクを履き替えていた。4試合ぶりの出場で、故障明けの足首に負担がかかるのは承知のうえで判断したという。「我慢強く戦って勝ち切れたことがうれしい。大分にいる人たちにも喜んでもらえたと思う」と笑顔で語った。

富山は1勝することの難しさを痛感している。安間貴義監督は「アクシデント的なことも起こって、なかなか勝たせてもらえない」と話す。失点原因の究明は重箱の隅を突くようなところまで来ているという。真面目に向き合っているからこそ悩みは深い。幸いにも得点はリーグの平均水準と同等の数だけ奪うことができている。また、福田が「苦しい時だが、自分たちのやっていることに間違いはない」と話したようにチームの信念に揺らぎは感じられない。停滞期を抜け出すためには通常以上のパワーがいるケースは少なくない。力を合わせてもうひと押しが必要だ。

以上

2012.04.23 Reported by 赤壁逸朗
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