AFCチャンピオンズリーグ、グループステージも今節で４試合目。後半戦の戦いに突入する。ここから先の３試合は、一度対戦した相手との戦いになることから、初戦に比べれば相手の戦い方、ストロングポイント、ウィークポイントを把握した上での対戦となる。そうして得た情報をうまく今節に落とし込みながら戦いを進めることも、勝負をものにするポイントになるはずだ。ちなみに、ガンバ大阪は今節対戦するブニョドコルと４月３日にホームで対戦。その時は、今季初めて、先手をとった展開に持ち込む中で、３得点を挙げて公式戦初白星を手にした。今回は長距離移動を強いられたアウェイ戦ということで、厳しい戦いになるのは必至だが、ホーム戦同様に白星を引き寄せられるか。いや、すでにグループステージで２敗を喫しているG大阪としては、ラウンド１６進出のために何としてでも勝点３を持ち帰りたい。

チームの雰囲気はいい。それもそのはず、直近のJ1リーグ・川崎フロンターレ戦では２点のビハインドを追う展開の中、粘り強く攻撃を展開して３点をもぎ取り逆転勝利に成功。今季初のJリーグ戦白星を手にしたからだ。しかも内容的にもG大阪らしい攻撃力が随所にみられる中で、３点とも流れの中からコンビネーションで切り崩し、ものにした。その手応えはもちろん、何よりも勝利したという事実は、これまで選手たちの心に重くのしかかっていたプレッシャーを一気に振り払ってくれたはず。加えて、その試合でみせた結束力もここからの試合でG大阪の武器となっていくだろう。

ただ、だからといって浮かれた雰囲気はない。というのも、先にも書いた通り、このACLでは既に２敗を喫しており、言わば毎試合、後がない状況での戦いを強いられているからだ。しかもブニョドコルの現時点での成績もG大阪と同じく１勝２敗。つまり「後がない」のはブニョドコルも同じということになる。また、今節のもう一つのカードでは同じ勝点６で並ぶ浦項スティラーズと、アデレード・ユナイテッドが対戦する。すなわち、仮にどちらかが白星を手にした場合、『ブニョドコルvsG大阪』戦の勝者は敗れた２位のチームと勝点で並ぶことができるし、浦項とアデレードが引き分け、ともに勝点１ずつを積み上げたとしても、『ブニョドコルvsG大阪』戦の勝者は上位にぐっと近づけるという計算になる。となれば、G大阪はもちろん、ブニョドコルも『勝点３』が欲しいのは明らか。両監督も戦いを前に『勝点３』を意識した言葉を残している。

「明日は絶対に３が必要な状況なので、アウェイで厳しい試合になると思いますが勝点３をとるために１００％力を出したい」（G大阪／松波正信監督）
「前回は３点を獲られて敗れていますが、明日はとても大事な試合。勝ちにいきます」（ブニョドコル／カシモフ監督）

『勝つ』ために必要なもの。それは言うまでもなくゴールだ。今節、G大阪はチームの主軸、MF遠藤保仁が出場停止。攻守に存在感のある彼の欠場は痛いが、一方でケガで離脱していたMF明神智和が遠征に帯同するなど好材料もある。出場となれば、ともにボランチを組むであろうMF武井択也とともに、ブニョドコルの攻撃力を封じ込みながら、攻撃の起点になる動きをみせてくれるはずだ。

注目は前回の対戦で２ゴールを挙げているFWラフィーニャ。この時はいずれもPKによるゴールだったが、FWにとって『ゴール』は他ならぬ自身を最も勢いづける原動力になる。ここにきて共に前線を預かるFW佐藤晃大とのコンビネーションにも充実がみられ徐々に得点の匂いを漂わせていることからも、そろそろ爆発を期待したいところだ。
「ホーム戦では先制した後も、相手は前面的に仕掛けたことを考えれば、今回のホーム戦もアグレッシブにくるだろう。ガンバとしては油断することなくしっかり全員で攻守に意識高く試合に入りたい。ここにきて、つたない日本語でコミュニケーションをとりながらFW佐藤との連携もよくなっている。一度対戦した相手ゆえ、僕へのマークも厳しくなるだろうし、簡単にはいかないとは思うけどゴールは積極的に狙いたい」（FWラフィーニャ

明日のキックオフは17時。同時刻から行われた前日練習では３０度近い気温、日差しの強さが気になった。加えて、グラウンドコンディションも正直、良くない。明日はそうした外的要素との戦いにもなりそうだ。

以上

2012.04.17 Reported by 高村美砂