今回は個人的な話になります。岡山の担当ライターになって4年目。シーズン中一度は観客としてゲームを見たい、という欲望を捨てきれません。岡山のサポーターの応援は、ホーム記者席から見ると、うねりを持ったモンスターのようです。あのうねりを起こす側に立ちたい気持ちはやはり、あるのです。実現するには、J’s GOALで取材の仕事がないアウェイゲームがチャンス。しかしアウェイでも取材申請をすれば、ゲーム後に岡山の選手のコメントをより多く取ってJ’s GOALに掲載してもらうことができます。記者として入るか応援側に入り込むか迷いつつも、わがままな欲望に従い、4月1日の徳島対岡山はビジター自由席チケットを購入。アウェイ初心者の友人を誘って、徳島に向かいました。
楽しみだったのは、この日、アウェイで初のビッグフラッグ展開が予定されていたこと。「すべては風次第。ぎりぎりまで待って状況を判断する」と岡山Gate10コールリーダーの岡本透氏は話していました。さらにサポーターに聞いてみると、「ここでやらないとずっとできない、という決断だったみたいです。アウェイ席の配置上、展開できるスタジアムは限られ、揃う人数によって断念することも…」とのこと。
かくしてポカスタ(鳴門大塚)に到着し、記者席からは決して見ることのできなかった、ビッグフラッグの裏側(写真)を見ることができたのでした。ビッグフラッグは、「こっち側」も美しいのだなと実感しました。
「暴風で断念した一昨年も豪雨で断念した昨年も、あの超重いビッグフラッグを徳島まで持って来ての断念だったので、今年ついに成功してみんな喜びもひとしおだったみたいです。無事終了後の集まりで、ビッグフラジアーノの隊長の目が潤んでいました」と聞きました。この日、岡山から徳島へ駆けつけたサポーターは何と約1200人。クラブ関係者は、「サポーターの方々の力を借りて、勝つことができました。徳島で、後半に点が入るのはサポーターのおかげです」と明言します。私自身は3年目の正直の現場に居合わせ、また声を出すことがチームの力になることを体感した1日でした。
以上
2012.04.04 Reported by 尾原千明
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