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【ヤマザキナビスコカップ 磐田 vs 浦和】プレビュー:再び、チーム一丸。競争原理が加速する磐田はさらなる上昇気流に乗れるか。出場停止で2選手を欠く浦和は改めて選手層が問われる(12.04.04)

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競争と団結。相反する2つの原理が磐田のベースになりつつある。

直近のリーグ・柏戦(3/31)に勝利したチームは中3日で臨む浦和戦(4/4)に向け、柏戦翌日(4/1)に予定していた午前のリカバリーをキャンセルし、オフとした。あくまで浦和戦の前々日(4/2)、前日(4/3)の練習に対する集中を上げるための日程変更だったそうだが、このオフもほとんどの選手が体のトリートメントのためにクラブハウスを訪れたという。「それだけ意識が上がっているということ」(森下仁志監督)。何も強制しているわけではない。シーズン開幕から無敗で走るチームには自然と緊張感が漂っている。
ヤマザキナビスコカップ戦第1節・C大阪戦(3/20)では直近のリーグ戦から先発8選手を入れ替えて臨み、逆転勝利。その直後のリーグ・G大阪戦(3/25)でピッチに立った山本康裕はC大阪戦の両ボランチ(ロドリゴソウト、松岡亮輔)のプレーを見て、危機感を抱いたそうだが、似たような思いを抱えている選手は少なくないだろう。
だれもがチームの一員である前に、一人のサッカー選手である。競争を制し、ピッチ上で活躍できなければどこかでチームを離れなければならない時がくる。ただし、単なる個人のアピールが過ぎればチームとしての足並みは揃わない。選手にいかにチームに対する“帰属意識”を持たせるかという点はどのクラブも頭を悩ませている部分かもしれない。それは複雑なパラドックスにも思えるが、指揮官の言葉はシンプルだ。「団結を呼ぶのは競争」。
もっとも、連日タフな練習をこなす選手達はそこまで俯瞰していない。「毎日ギリギリのところでやっているので(周りを見る)余裕はないですね(笑)」と話していたのはベテラン・金沢浄。「連戦ですが、この試合の後のことは考えていません」とも話していたが、その思いはどの選手にも共通することだろう。

競争と並行して、チーム内で共有する時間も例年以上に長くなっている。オフ明けとなった4/2は午前に軽く体を動かし、午後に本格的なトレーニングを行っている。選手達は2部練習の合間にクラブハウスで昼食を摂っているが、午前練習の狙いはむしろ昼食時の時間の共有にあったそうだ。2部練習の日にクラブハウスで昼食を摂ること自体は以前から継続されていることだが、連戦の最中でもそれを欠かさないことに指揮官のこだわりを感じた。柏戦に勝利したチームは先発、サブを問わずスタンドの前でサポーターと喜びを分かち合っている。よきライバルであり、よき仲間でもある――。近すぎず、遠すぎない微妙な距離間が今、チーム内で保たれているのかもしれない。

浦和戦はおそらく柏戦から大きくメンバーを入れ替えることになるだろう。「いつ出てもいいように意識しながらやってきました」と意気込みを語っていたのは押谷祐樹。まだシーズン序盤ではあるが、ここまで多くの出場機会を掴み取れなかった選手たちにとってはリーグ戦、カップ戦という区分けはない。目の前に公式戦で全力でアピールしなければならない。

これらの点はアウェイ・浦和にも共通することだろう。直近のリーグ戦でいずれも2度の警告で退場となった阿部勇樹、槙野智章がこの試合に出場することができないが、その2枠を含め、この試合でチャンスを得た選手たちの踏ん張りが焦点となる。ヤマザキナビスコカップ第1節ではベガルタ仙台に勝利しているだけに、ここで連勝となれば2年連続のファイナル進出に向けて大きな弾みとなることは間違いない。

アピールに燃える“がつがつ”した選手同士がぶつかり、平日のナイトゲームを大いに盛り上げてくれることを期待したい。

以上

2012.04.03 Reported by 南間健治
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