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【ヤマザキナビスコカップ 清水 vs 新潟】プレビュー:非常に大胆で楽しみなメンバーで臨む清水と、アウェイ2連勝を狙う新潟。どちらが球際で優位に立ち、気持ちで結果を引き寄せられるか(12.04.04)

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清水にとっては今年のヤマザキナビスコカップ初戦となるホームゲーム。そこでは、かつてないほど大胆で楽しみな選手起用が見られそうだ。この新潟戦に先がけてゴトビ監督は先週から大幅なメンバーの入れ替えを示唆しており、練習の雰囲気を見ても、土曜日の札幌戦から総入れ替えに近いスタメンでこの試合に臨むことが予想される。
まだリーグ戦が4試合しか行なわれておらず、いわゆるベストメンバー規定が適用されないからこそ実現できる布陣だが、清水サポーターの場合、これを不満に思う人よりも、大歓迎する人のほうが圧倒的に多いだろう。なぜなら、それだけ今年の清水には楽しみな若手が揃っているからだ。

その中でもとくに注目されるのは、ジュニアユースからの生え抜きで先週高校3年生ながらプロ契約を結んだばかりの石毛秀樹。昨年はU-17ワールドカップで大活躍し、AFC(アジアサッカー連盟)年間最優秀ユース選手賞を受賞した逸材で、すでにプロでも十分通用する実力を備えていると言われる。ゴトビ監督は彼のスタメン起用を明言しており、ケガ等のトラブルさえなければ、ホームのアウスタで早くもプロデビューを果たすことになる。フィジカル的にもメンタル的にも非常にタフで、ゴールに直結する決定的な仕事ができる17歳。その初舞台を見るためだけでも、スタジアムに足を運ぶ価値はあるはずだ。

そのほかにも、ゴトビ監督としては珍しく2人のスタメンが予告されている。キャプテンマークを預けるGK山本海人と、期待の大物ルーキー・白崎凌兵だ。それが実現すれば、白崎は公式戦2試合目で初めてのスタメン出場となり、「ゴールに関わるプレーという自分の特徴と結果を出して、チームに貢献できるように頑張りたい」と本人も気合を入れる。白崎も他の選手にない技術とプロ向きの図太いメンタルを持っているだけに、スタートからの出場で今まで以上に持ち味を発揮してくれることが期待される。
そして、経験の少ない若いチームを最後尾で引き締めるのが守護神・山本海人。日本代表候補でありながら、リーグ戦では林彰洋にポジションを奪われている状況だが、それでも腐ることなく前向きに練習を続けていることを、ゴトビ監督は高く評価している。ゲームキャプテンを任せるのも、その信頼の表われだ。
また、札幌戦で復帰後のベストプレーを見せた小林大悟も今季初先発となる可能性が高く、中盤を落ち着かせる存在として大きな役割を担う。ケガから復帰した平岡康裕もセンターバックとしてDFラインの統率役となるなど、要所に配された経験豊富な選手たちが組織の安定を図ってくれるはずだ。

もちろん、若い選手が多いからといって、ホームで負けて良いということはない。チームとして目指すべきサッカーに変わりはなく、戦い方は全員が理解しているので、それをどれだけピッチ上で表現できるかが、まず大きな注目点だ。そして、経験は少し不足しているが、運動量やひたむきさは大きな武器にもなりうる。
したがって、前線からのアグレッシブな守備から入って、自分たちのリズムを作っていくという試合への入り方も、多くの選手が意識している。高い位置でボールを奪い、そこからチャンスに結びつける形を序盤で何度か作れれば、若い選手たちも勢いに乗りやすいだろう。清水がスタートダッシュに成功するかどうかという部分も、試合展開や結果を大きく左右する要素になるはずだ。
そのうえで、最終的に勝点3を取りきれるか。それにはセットプレーや運なども含めてさまざまな要素があるだろうが、どれだけ自分たちを信じて戦い抜けるかという部分も大きなポイント。それによって勝利という結果をつかみ取れれば、若い選手たちはさらに大きな自信をつかむことになる。

一方、これが予選リーグ2試合目となる新潟は、リーグ戦ではまだ勝利がないが(1分3敗)、ヤマザキナビスコカップではアウェイの初戦で札幌を1−0で下し、まずまずのスタートを切っている。2試合目もアウェイになるが、ここで2連勝をすれば、残り4試合でホームゲームが3つになるため、予選リーグ突破に向けて非常に有利な立場に立つことができる。
新潟が清水のように大胆なメンバー変更をするかどうかはわからないが、予選リーグ第1節ではそれほどスタメンを代えずに戦っていた。結果の出ていないリーグ戦に向けて良い手応えをつかむためにも、ベストに近いメンバーで臨む可能性はあるだろう。
もちろん、どんなメンバーであったとしても、新潟は新潟のサッカーを貫いてくるはず。とくに、球際で厳しくプレッシャーをかけて清水のミスを誘い、カウンターでゴールに迫るという形は狙ってくるはずだ。そのため、清水のほうはカウンターへの備えをしっかりと整えておくことが欠かせないが、球際の1対1でどちらが優位に立てるかという点も大きなポイントになる。
また新潟としては、清水の若手に自信を与えてしまうと後々やっかいなので、アウェイでも勝点3だけを目指して戦ってくるだろう。新潟のプライドと清水のチャレンジスピリットとのぶつかり合いという部分も非常に楽しみな一戦となりそうだ。

今年の清水は、将来が楽しみな選手が非常に多い。練習試合やプレシーズンマッチとはまったく雰囲気も緊張感も異なるアウスタでの公式戦で、現時点の彼らがどれだけ自分の力を発揮できるのか。ぜひスタジアムに足を運んで、ご自分の目で確かめてみてほしい。

以上

2012.04.03 Reported by 前島芳雄
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