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【J2:第6節 甲府 vs 北九州】レポート:この負けはただの負けにしない。ヴァンフォーレ甲府に関わる人全てのやる気をスイッチONしたギラヴァンツ戦の 敗北。(12.04.02)

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JFK甲府には期待しているし、結構上手く行っている。それなのにどうも何かのスイッチを入れ忘れているような感覚が続いていた。それなりの戦いをして2位にいることで、見る側としての緊張感や危機感が少し欠如していたのかもしれない。第6節はリーグトップの集客も、以前ならJ2でも12000人くらいは来てくれたチーム・天候の状況。スイッチの入れ忘れ以外に、思うように観客数が伸びない理由に「去年のわだかまりがまだ残っているのか」などいろいろ考えていたけれど、それも第6節で封印。ギラヴァンツ北九州のアグレッシブなサッカーが甲府の選手、サポーターの「やる気スイッチ」を押してくれた。「こういう試合こそ勝たないと駄目なんだ」というマイルストーンが4月1日に刻まれた。

立ち上がりから甲府が主導権を持つ時間が長く、守備も安定して「今日も勝てるだろう」くらいの印象で見ていた前半。2分にダヴィと北九州のCBの宮本亨が揉めたが、これが最後の最後まで後を引くとは思わなかった。序盤から甲府は何度か決定機はあったものの、それ決めきれず、北九州は徐々に慣れてきたのか守備のブロックが整い始める。こうなってくると、立ち上がりの楽観的な空気は無くなりなんとなく嫌な感じが漂う。危ない場面は殆ど無かったが、終盤の43分にはCKから登尾顕徳に危ない場面を作られるなど、甲府にとってなんとなく不穏な雰囲気で前半を終えた。

後半になると甲府は攻めあぐねるようになった。北九州の執拗なマークにツートップがイライラしたというよりも、中盤がボールを前に運ぶことができなくなっていた。甲府の自慢は、左SH・柏好文のスピードのあるドリブルと右SH・堀米勇輝のテクニシャンドリブル。こういう状況でこそボールを失うリスクを冒して仕掛けて欲しかったが両者とも、それを発揮できたのは前半のある時間帯だけ。堀米は57分に足が攣って片桐淳至と交代と、ポテンシャルを発揮する前にピッチを出ることになってしまった。ボランチのバランスにも守備に軸足を置き過ぎているような印象を持った。アグレッシブな北九州相手に、残念ながら自分たちのサッカーをやりきれない未熟さを露呈したといってもいいだろう。

65分にクリアしきれなかったCKのボールを登尾に決められた時は、久しぶりに甲府の試合を見ながらモヤモヤ気分を味わっていることに気がついた。78分に山本英臣が素晴らしいFKで同点にした時は、上空をジェット戦闘機が通過しても気がつかなかったほどに山梨中銀スタジアムは大歓声で盛り上がったが、この勢いで逆転に持っていくことができなかった。片桐がロングボールを使ってアクセントになっていたが、もうひと工夫、もうひとつ速い判断など、チームとして足りない「もう少し」が少なくなかった。守りきらずにFWを3枚前に並べた三浦采配の前に2点目(竹内、86分)を許してしまう。
記者会見で「相手がペースを掴みたいと思っているときに、我々がその気持ちを上手く使った交代をできればと考えていた。それが端戸を使うというところにあった。甲府の切り替えが少しずつ遅くなっていたし、守りきるという考え方よりも攻めきるという考え方を今日は持つべきだと思っていました」と言った後、質問者のほうを見て、薄っすらと笑った。物凄く疲れ果てたような表情で会見に臨んでいた三浦監督だったが、北九州のことをよく知っているであろう記者が投げた質問が核心を突いていて、三浦監督にとって「してやってたり」の部分だったのだろう。明らかに有利だと思われていた甲府は、ホームで強かな相手に敗れたのだ。

試合後の会見で「(ダヴィと高崎寛之には対して)どこにボールがあっても集中して注意深くマークしないといけない。もちろん嫌がることをやらないといけないのがディフェンダー。『90分間の中で嫌われ者になってもいい。終わったら握手を求め、肩を抱き合うプロになれ』と言っている」と話した三浦監督。9月23日のアウェイ北九州戦(第35節)は、山梨県と北九州市のサッカーファンにとってはチャンピオンズリーグの決勝よりも楽しみな試合になったのではないだろうか。

以上

2012.04.02 Reported by 松尾潤
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