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【J2:第6節 鳥取 vs 湘南】レポート:終了直前、鳥取の猛反撃は及ばず。湘南がアウェイで勝点3を奪い、無敗の首位を守る。(12.04.02)

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昨季17節の鳥取―湘南戦は、昇格1年目の鳥取がホームで4―0と大勝した。鳥取にとっては、J2昇格後最高の勝利の一つである一方、湘南はショックを引きずったのか、続く徳島戦も0―4で敗れるなど、この期間に5連敗を喫してJ1昇格争いから取り残されている。今季、開幕4連勝で迎えた前節で引き分けている湘南にとっては、嫌な記憶がよみがえるような状況だったが、見事に払拭して勝利をつかんだ。

対戦にあたって両チームは、メンバーのやり繰りに苦心していた。鳥取は前節終了後、吉澤英生監督をはじめ、前節は先発だった柳楽智和と三浦旭人、さらに岡野雅行、尾崎瑛一郎の計5人がインフルエンザを発症。もともと負傷者も多いためにプレー可能な人数はぎりぎりで、控えメンバーはGKを2人、井上敦史と杉本拓也を入れて、ようやく7人の枠を埋めることができていた。一方の湘南も、開幕から全試合フル出場を続けていたGK阿部伸行の負傷欠場などがあり、GK金永基、DF島村毅、MF下村東美、FW大槻周平の4人が今季初先発。下村を中盤の守備的な位置に配し、2トップにするなど、これまでとは違う布陣で臨んだ。

そうした状況が影響したのか、前半は両チームともミスが多く、奪ったボールをうまく運べないために大きなチャンスを作るには至らない。その中で鳥取は何度か、右サイドで数的優位を作って攻め込んだが、湘南守備陣も粘り強く対応した。長期の負傷離脱を経て、実に1年9か月ぶりの復帰戦となった金永基が、「前半はカズ(大野和成)の裏に蹴られたボールからリズムが崩れていて、うまくいかなかった。風下だったので、なるべく早く45分間過ぎるように、時間を稼ぎながらやっていた」と振り返ったように、リズムに乗れない中でも無失点でしのいだ湘南が、後半に入って流れを引き寄せることになる。

下村の負傷交代に伴い、前半のうちに布陣を従来の3―4―3に戻していた湘南は、後半の立ち上がりから、前半は押し込まれていた両サイドMFが、積極的に敵陣に侵入していった。49分には左サイドの高山薫から、右サイドの古林将太へのサイドチェンジをきっかけにCKを獲得。最初のキックはファーサイドへ流れたものの、これを拾った永木亮太が巧みな切り返しからセンタリングを送ると、「亮太が何度も切り返していたので、その都度動き直していた」という島村がヘッドで決め、先制点を奪った。
この得点以降、湘南は無理をせず、自陣に多くの選手を配して待ち構える形を取った。鳥取はパスをつないで攻め崩そうとするが、相手ディフェンスラインの前や背後のスペースなど、危険な位置に効果的な縦パスを入れることができない。吉澤監督の代行で指揮を執った中村有ヘッドコーチは、「前に早く攻めるという狙いは残しつつ、一つ遠回りしてゴールを狙うのもありなんじゃないか、それによってマイボールの時間が多くなる、守備の時間が減る、というイメージでやっていた。ただ、もしかしたら、選手のイメージがそちらに傾き過ぎて、ゴールへ向かう意欲が薄れたのかな、と思う」と振り返ったが、ボール支配率で上回りながらも、大きなチャンスを作れないまま、時間が過ぎていった。
そうするうちに迎えた終了直前の89分、自陣でボールを奪った湘南が、鳥取の左サイドのスペースを突いてカウンターに転じ、ドリブルでボールを運んだ宮崎泰右が、切り返しから「本音を言うと、右足で打とうかどうか迷っていた」という、利き足とは逆のシュートを突き刺して2点目。残り時間はわずかで、勝負は決まったかと思われた。

ところが、3分と表示されたアディショナルタイムに入ると、流れが一気に鳥取に傾く。失点直後にゴール中央でFKを得ると、実信憲明がかがんでボールを置き直すふりから、右足でボールをすくい上げ、すぐ横にいた美尾が人壁の背後へ浮き球のパス。人壁の中にいた小井手翔太が反応してループシュートを放ち、最後は福井理人が押し込んだ。
周到に準備を重ねてきたトリックプレーで1点差とすると、DF内間安路を投入してパワープレーに出る。しかし、直後に小井手がペナルティーエリア内で突破を図り、抜ければシュートを打てるという場面で、不運にも味方の戸川健太と接触してしまう。さらに、福井のセンタリングから鶴見聡貴がシュート。ファーサイドに転がったが、左ポストに当たってゴールラインを割り、同点とはならなかった。

鳥取は、前半の流れは悪くなかっただけに、悔やまれるのは後半立ち上がりの失点。プレビューでも触れた課題を、またしても露呈し、以降は終了直前まで良い形を作れなかった。中村ヘッドコーチが「運動量が落ちたりするのも理由としてあるのかな、と思いますが、われわれは、そこに逃げたくない」と指摘したとおりで、さまざまなポイントがあるとはいえ、下位から抜け出すためには、早急に改善を図らなければならないウイークポイントだろう。
一方、開幕から6試合連続となる複数得点を奪った湘南は、同様に6試合連続で失点し、最後は冷や汗もので逃げ切った格好。とはいえ、長いブランクを感じさせなかった金永基、先制点を決めた島村など、今季初先発のメンバーが活躍し、無敗の首位を守った。選手層の厚さを示しながらアウェイで勝点3を奪ったことは、快調に首位を走るスタートダッシュを、さらに加速させる好材料となりそうだ。

以上

2012.04.02 Reported by 石倉利英
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