攻守に噛み合い、5−1という大勝劇を飾ったAFCチャンピオンズリーグの全北現代戦は、スコアが示すほど両者の間に実力差が生じていたわけではないが、公式戦3戦連続で未勝利が続いていた柏にとっては、非常に価値のある勝利となった。だが、あの大勝の余韻に浸る間もなく、今度は中2日でJ1第3節の試合を戦わなければならない。迎える相手は清水である。
多くのJ1チームが20日にヤマザキナビスコカップを戦い、週末の試合は連戦となる一方で、予選リーグ第1節の試合がなかった清水は、通常通りに1週間のインターバルが開いた。前節、浦和が徹底的に対策を練って、レアンドロ ドミンゲスと酒井宏樹の右サイド攻撃を封じてきたように、清水にも柏を分析する時間は十分にあり、しかも率いるのが策士・アフシン ゴトビ監督。おそらく今節も苦戦は免れない。
清水は、ここまで2試合を戦って1勝1敗。開幕の名古屋戦こそ星を落とし、黒星スタートとなったものの、試合の内容自体は悪いとは感じなかった。前節の広島戦も、先制した後は1ボランチを務める村松大輔の周りを狙われ、そこからサイドへ展開されて押し込まれた時間があったにもかかわらず、後半にはしっかりと修正して「ゴールを決めた後のことに関しては、改善していかなければいけません」と振り返ったゴトビ監督の言葉を、その試合の中で実践するというチーム力の高さを見せつけている。
パスの供給源となる小野伸二、スピードに長け突破力のある大前元紀、高木俊幸の両翼、テクニックがあり前線でボールの収まるアレックスと質の高い選手を揃えているうえに、高原直泰、小林大悟が途中から出てくるのだから、選手層も分厚い。新加入選手で長身のジミー フランサを数分だが前節に起用できた点もプラスの作用が働くと思われる。
ではこの清水を迎え、柏はどう戦うべきか。上記した面々を見た限り、清水の攻撃陣の推進力は確かに脅威である。だが、それ以上に警戒すべきは核となる小野、河井陽介、村松で構成される中盤中央の3人にあると見ている。全北現代戦後、大量5得点を挙げた要因について、ネルシーニョ監督は「まず良い守備ができなければならない」と話していたが、清水戦でも供給源を封じ、守備面から入ることが何よりも先決になるはず。幸い、全北現代戦から栗澤僚一が復帰。相手のキープレーヤーに対し、執拗なまでにボールを奪いにかかる栗澤は、改めて存在の大きさを知らしめた。ACLで移籍後初ゴールを挙げた那須大亮のフィットも心強く、連戦とはいえ、柏にポジティブな要素は多い。
柏にとって理想のシナリオは、栗澤と大谷秀和のダブルボランチが小野と河井に仕事をさせず、そして広島が狙ったように、スペースの生じやすい村松の周りをレアンドロ ドミンゲス、ジョルジ ワグネルが効率良く突くことにある。特に何食わぬ顔でスルスルと空いたスペースに入り、攻撃に彩りを加える術はレアンドロの得意とするところ。もちろん清水も、昨シーズンの2度の対戦で、柏のブラジル人コンビの恐ろしさは重々承知のはず。したがって持ち味を出させまいとハードなマークをしてくるだろうが、それでも「エースである以上、激しいマークを受けるのは仕方がない。しかしレアンドロは能力が高いので、今まで通り生産してくれる」とネルシーニョ監督がお墨付きを与えるのだから、柏は“キング”の神通力が呼び起こすチームの躍動を、是が非でもリーグ戦の勝利につなげたい。
以上
2012.03.23 Reported by 鈴木潤
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