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【AFCチャンピオンズリーグ2012 CCMFC vs 名古屋】レポート:リードを守りきれずに名古屋が2戦連続ドロー。新戦力と若手の奮闘も実らず、グループGはさらなる混戦模様に(12.03.22)

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アウェイでの勝点1獲得は決して悪い結果ではない。主力数名を欠くチーム事情を鑑みれば、「全般的には満足している」というストイコビッチ監督の言葉も強がりではないことがわかる。しかしながら、低調な内容のまま終えてしまったという印象の強いゲームだったことは間違いない。幸先よく先制しておきながらすぐに追いつかれ、そのまま主導権を奪われた戦いぶりは、これまでの名古屋らしからぬものだった。

シーズンの開幕から負傷者が続出し、またリーグとAFCチャンピオンズリーグの過密日程の影響もあいまって、この日の名古屋はメンバーに手を入れて臨んだ。DFラインで不動のスタメンだった増川隆洋と田中隼磨を休養させ、代わりに今季新加入のダニエルと石櫃洋祐をスタメンで起用したのだ。中盤から前は直近のリーグ戦・F東京戦と同じ6名を並べたが、ベンチメンバーは21歳の磯村亮太と田口泰士を始め、19歳の2年目MF田中輝希とルーキーの18歳・田鍋陵太が入るフレッシュな陣容となった。

対するセントラルコーストもACLの第1戦からFWの2選手を入れ替え、ACL初勝利への意欲を見せてきた。布陣は変則的な4-4-2で、並びとしては4-3-2-1にも近いもの。「3」の位置に左からBOZANIC(背番号11)、HUTCHINSON(背番号7)、MCGLINCHEY(背番号14)と並ぶのだが、MCGLINCHEYは中央に陣取ることが多く、右サイドはサイドバックのBOJIC(背番号4)のオーバーラップのために空けてあるかのようだった。前線はHEARFIELD(背番号12)が実質的な1トップとなり、その下で18歳のテクニシャンAMINI(背番号22)と長身のROGIC(背番号17)が自由に動き回る。一見偏った配置に見えるが、彼らの特徴を生かすべく考案されたバランスなのだろう。その証拠に90分間を通して、守備組織に穴が空くことはなかった。

オーストラリアのAリーグ首位を走り、26試合で23失点しかしていない強固な守備陣を相手に、名古屋は終始苦戦を強いられた。セントラルコーストはスタメン平均が180cmを超えるため、日本では無敵に近いケネディや田中マルクス闘莉王の高さはさほどアドバンテージにならず、玉田圭司や金崎夢生のドリブルはことごとくリーチの長いディフェンスに引っかけられた。永井謙佑がスピードを活かそうにも、大柄な体格でその進路を塞がれ加速できない。前線に起点が作れない名古屋の攻撃は裏狙いとサイド突破のみという単調なものとなってしまった。

それでも先制点を奪ったのは名古屋だ。開始10分を過ぎた頃から、激しいボディコンタクトに耐えながら玉田や金崎、永井が果敢にサイドで勝負を挑み、ファウルで得意のセットプレーを獲得し始める。そのうちのひとつが貴重なアウェイゴールにつながった。21分、ペナルティエリア横からのFKを玉田が意表を突く低く速いボールでゴール前に送る。走り込んだ闘莉王が一度はシュートミスするも、目の前にこぼれたボールを冷静に流し込んだ。高さがアドバンテージにならないことを見越したようなサインプレーを一発で成功させるあたりは、玉田と闘莉王の経験のなせる業。時間帯的にも素晴らしい得点だったが、それだけにその後の展開はあまりにももったいなかった。

先制点からわずか7分後、名古屋は失点を喫する。リードを得たことでボールキープに余裕が生まれ、サイドバックのオーバーラップもスムーズになってきた矢先のことだった。26分に左サイドからチャンスを作られCKを与えると、そのクリアを拾われファーサイドへクロスを放り込まれる。全体として押し上げようとした最中のことでマークがずれ、190cmの巨漢DF・ZWAANSWIJK(背番号6)とファーサイドで競り合ったのは171cmの阿部翔平だった。阿部も懸命に体をぶつけたがサイズの差は埋まらず、あえなく失点。主力を欠くとはいえ、セカンドボールの処理など含め、試合の運び方の面でまだまだ名古屋は昨季の力を取り戻せないでいる。

後半に入ると主導権は完全にセントラルコーストに握られた。長時間の飛行機移動が持病の腰痛を悪化させたのか、頼みのケネディは時間の経過とともに試合から消え、名古屋はビルドアップとクロスの基準点を失った。迫力に欠ける前線に変化をつけようとボランチのダニルソンやセンターバックの闘莉王、ダニエルが度々オーバーラップを敢行したが、肝心要のゴール前に人数が足りない。ストイコビッチ監督は68分から田口泰士、田中輝希、田鍋陵太と次々若手を送り込んで活性化を図ったが、さしたる効果は得られず。負傷者の影響で若手がチャンスを得たことは今後のプラスになり得るが、結果的に流れを変える交代策とできなかったことが、少なくともこの試合においてはマイナスに働いていた。そのほかダニエルと石櫃が初スタメンでそれぞれの持ち味を出したことは収穫だったが、勝点2を失ったことで収支はむしろマイナスか。課題だらけのドロー劇は負けなかったことが唯一の収穫だったのかもしれない。

これでACLは2戦連続で勝ちきれずにドローとなった名古屋だが、城南一和と天津泰達の対戦も引き分けた(1−1)ために、グループGはなお4チームが横並びのまま。2試合で勝点4を失うも被害は最小限に留められており、その意味でまだツキには見放されていない。まずは帰国後中2日で迎えるリーグ戦・新潟戦で本来のパフォーマンスを取り戻すことに集中し、2週間後に待つ中国でのアウェイマッチへ向けチーム状態を上げていきたいところだ。アジア制覇を掲げる今季、グループリーグで足踏みしている暇はない。

以上

2012.03.22 Reported by 今井雄一朗
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