ヤマハスタジアムで今季初勝利を掴んだ鳥栖戦の翌日、磐田は2つのグループを作ってトレーニングを行っている。鳥栖戦の先発メンバーはリカバリーのみ。リラックスしながらパスゲームやジョギングなど軽めのメニューに終始し、早々にトレーニングを切り上げた。
先発11人が周りを走るピッチの中で、森下仁志監督によるハードトレーニングはいつも通り行われていた。鳥栖戦で出場のなかった面々を中心に対人形式のメニューを複数行い、それ相応に負荷もかけていったが、集中力は高い。左大腿筋肉離れでしばらく戦列を離れていた宮崎智彦、右でん部を痛め同じく離脱していた黄誠秀はすでに全体練習に復帰を果たしており、千代反田充、菅沼駿哉の両センターバックも要所で存在感を見せる。期限付き移籍先から今季カムバックした松浦拓弥、押谷祐樹が果敢にシュートを放ち、ブラジル人ボランチ・ロドリゴ ソウトも相変わらず真摯に練習に打ち込んでいる。
日曜の練習場には雨の中、多くのサポーターが駆け付けた。前日に挙げた今季初勝利の余韻はやはり残っている。心なしか見学席の雰囲気も明るい。勝利の味は改めて格別なものだと実感する。ただし、ピッチの中にはいつもと変わらず、張り詰めた緊張感が漂っていた。絶え間なく声を出し、選手たちを熱くコーチングする指揮官の目に、この光景はどう映ったのだろうか。
言わずもがない、“負けていい”試合など一つとしてない。リーグ戦と並行するスケジュールを無視することはできないが、それでも指揮官は「ACLに出ているわけではないので」と言いきる。「これできついと言っていたら世界に出ていくことはできない」(同監督)。今季の目標の一つは来季ACL出場権獲得。来年、アジアの舞台に立つことから逆算すれば、この連戦も決して高いハードルではない。連戦だから――との理由でメンバーを“落とす”という発想は指揮官にはまずない。だが、“使ってみたい”という思いに駆られる人材は多くいるはずだ。それほどまでに鳥栖戦翌日のトレーニングの質は高かった。
この点はC大阪も同じだろう。大阪ダービーの“歴史的”な勝利に歓喜しつつ、チームメイトの活躍に触発された選手も少なくないはずだ。2001年以来11年ぶりに長居でG大阪を下し、今季初勝利を最高の形で挙げたが、日程的には磐田以上にタイトである。中2日で臨むアウェイゲームに焦点をしぼりつつも、週末に敵地・等々力で迎える川崎Fとのリーグ戦も見据えた戦いになるだろう。先のダービーマッチで加入後初ゴールを決めたブランキーニョ、ケンペスの勢いを生かしたいところではあるが、播戸竜二や杉本健勇といったストライカーも出場機会を狙い、徳島から復帰した柿谷曜一朗、川崎Fから加入した横山知伸もベンチメンバーにとどまるレベルの選手ではない。清武弘嗣、扇原貴宏、山口螢のU-23日本代表組にとってはまさに“フル稼働”のスケジュールとなるが、この点をセルジオ ソアレス監督がいかに見るか。両監督の決断に注目したい。
以上
2012.03.19 Reported by 南間健治
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