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【J2:第3節 湘南 vs 福岡】レポート:湘南が開幕3連勝。福岡は劣勢のなか1点を返すも反撃及ばず。(12.03.18)

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一進一退ともとれる攻防のなか、主導権を手繰り寄せたのは出足の鋭い湘南だった。パスカットを繰り返し、ボールを繋いで敵陣内へ押し込んでいく。失う場面も多いが、すぐに切り替えふたたび奪い返す。25分前後には、永木亮太のインターセプトを契機に岩尾憲がシュートを放ち、あるいはセットプレーから大野和成がヘッドで枠を捉えた。岩尾のシュートは枠を捉えきれず、大野はオフサイドに絡み取られ、スタジアムには溜め息が漏れた。だがゴールに迫ったこれらのシーン以降、湘南の支配がさらに強められたのは間違いない。

「前半ビルドアップをもっとやりたかったけど、相手の素早いプレッシャーもあって支配できなかった」とは、キム ミンジェに代わり今季初先発となった福岡の尾亦弘友希の述懐だ。そして湘南の支配を真に支配たらしめたのは、やはりゴールの力が大きかろう。前半終了間際、「公式戦で蹴ったのは初めて」と明かす遠藤航が冷静にPKを沈め、湘南が1点リードで折り返す。また、このときのプレーの一連も見逃せない。タッチラインを割るや岩上祐三と高山薫がすかさず走り、素早いリスタートから高山が仕掛け、ペナルティエリアで相手のファウルを誘った。陰のファインプレーは鋭い攻守の切り替えにも通じている。

PKを与えるとともにひとり少ない状況となった福岡に対し、湘南は後半さらに攻勢を強めた。波状攻撃を仕掛け、63分にはバイタルでターンした岩上が潔く左足を振り抜く。「遠目からでも撃つ意識はあります」とつねづね語る大卒ルーキーの開幕3戦連続弾により、湘南がリードを広げる。

「1失点のまま行って同点を狙っていたが、次の1点を取られてしまったのが後半のすべて」高橋泰がのちに振り返ったように、福岡にとって湘南の2点目は大きかったようだ。実際、数的不利の状況下で、加えてアウェイ連戦というビハインドもあったろう、ボールポゼッションを含めて福岡にとっては厳しい戦いが続いていた。だが両者の優劣は反転も早い。「2-0で勝っていて、このまま行けるだろうと選手がすこしずつ横着している部分があの時間帯にはあった」曹貴裁監督がそう反省を込めたように、福岡の反撃はエアポケットのような湘南の一瞬の隙から生まれた。尾亦のクロスのこぼれ球にいち早く反応した岡田隆がミドルを放つ。GK阿部伸行が一度は防ぐも、寄せていた坂田大輔が押し込んだ。前半から長らく主導権を譲っていた福岡は、84分のこの追撃弾で息を吹き返し、シュートを重ねていく。ゲームは一瞬にして予断を許さぬ展開となる。

しかし振り返るにつけ、湘南のメンバー変更の妙を思わずにはいられない。今季初先発の古橋達弥と岩尾はボールに多く関与し、チームにリズムをもたらした。そして旗色が福岡になびいた終盤、いま一度攻撃のギアを高めたのは交代出場の選手たちだった。コーナーキックの流れから坂本紘司を経由し、宮崎泰右がドリブルで切り込む。宮崎は開幕戦で終了間際に決定機をお膳立てし、前節は3点目のアシストを導いてもいる。わずかな時間ながら切り札としての存在感を示しつつある宮崎のクロスに、走り込んだのは馬場賢治だ。前節、今季初アシストを記録した馬場は、「アシスト以上に点が欲しい」とゴールに意欲を漲らせていた。追いつかれてもおかしくない状況、そして自身がこの日スタートから外れていたことで、その意欲をさらに強めていたに違いない。宮崎のJ初アシストとともに、泥臭く押し込んだ馬場の平塚初ゴールが勝負を決めた。

公式戦初ピッチを踏んだ福岡の石津大介は、「点を取りたかった。つぎは自分が取って勝つぐらいの気持ちで臨みます」と噛みしめ、同じくJデビューとなった畑本時央も「この経験をポジティブに捉えて次に切り替えていきたい」と、それぞれ20日(火・祝)のホーム千葉戦を見据えた。他方、「ひとつになっていると感じている。今回はたまたま自分を使っていただいただけ。初心に帰り、次に向かってまた準備していきたい」と、湘南の岩尾も次節ホーム岐阜戦に目を向けた。次節は中2日、準備はともに始まっている。

以上

2012.03.18 Reported by 隈元大吾
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