開幕から2戦連続ドローの岡山は、初の黒星。2連勝の水戸は、今季初のアウェイで3勝目を上げた。水戸は03年以来の開幕3連勝で、まだ順位を話題にするのは早いが、勝点と得失点差で1位・湘南に並ぶ2位につけた。開始2分の先制点から、前半33分、後半10分といい時間に3ゴールを積み重ねた水戸は、ミスのほとんどない試合運びで、GK本間幸司は「チームを作っている段階で、こういう形で勝てたことは大きい」、2ゴールの鈴木隆行は「2連勝後の大事な試合に勝って、勢いにのれた」と話した。
開始から2分でゴールを決められるまでは、コンパクトな中盤でのボールの奪い合いが当分続くのではないかと思われる立ち上がりだった。しかし先制点はあっけないほどスムースに決まった。右サイドを突破した小澤司が中央の橋本晃司にクロスを送り、GK中林洋次が弾いたボールを右にいた鈴木隆が右足で決めて、水戸が先制。
早い時間に追いつきたい岡山は、チアゴ、桑田慎一朗、服部公太と細かくつなぎ、サイドを変えるパスも、澤口雅彦のオーバーラップもあったが、10分の金民均の惜しいシュート以外は、水戸の守備ブロックに阻まれ、「狭いスペースで180度以上を認識し、間で受けて、起点になり、裏に抜け出せる。スピードはないが、あれがあるからチアゴ、金民均にボールが入る」(影山雅永監督談)という桑田の良さも発揮できず、全体的に迫力とスピードに欠け、リアリティの薄い攻撃に終わった。
ボランチの仙石廉は、「(先制されても)80分以上残っていたわけで、勇気を持って縦パスを入れていけばテンポがよくなったと思います。急いで追いつきたい気持ちがあったのか、外に急いだところがあった。もう少し中で繋がってから外にいけば、新たなスペースに飛び込めたり、シャドーやFWに入る回数が増えると思います」と話す。
対する水戸には岡山の出方を見るゆとりがあった。岡山の数度のチャンスの後、悠々と主導権を奪い返し、前半14分と16分には島田祐輝が中央を突破し、シュートまで持ち込む。岡山の最終ラインは置き去りにされたが、ここは中林の好セーブに助けられた。しかし、前半33分、水戸の右サイドバック市川大祐からのパスを小澤が受け、そのクロスを再び鈴木隆が、今度は左足で決めて追加点をあげる。後半に入ると、狭いスペースを繋いでシュートに持ち込んだが、後半10分、村田翔から右の市川に渡ったボールから中央で橋本が決めて、3点目を奪う。橋本のJ初ゴールだった。
試合後の会見で、「球際の強さや攻守の切り替えの部分で岡山を上回っていたか?」と聞かれた柱谷哲二監督(水戸)は、「五分五分だった。たまたまうちが良い状態での決定力が3本あったんだと思います」と答えた。いずれにせよ、セカンドボールに素早く反応して自分たちでチャンスを作り、ものにし、3点を奪った後も集中を緩めることはなかった。この90分間の戦い方は、ミス云々を話すレベルでないほど厳しく訓練された戦闘集団の戦いだった。そのパーフェクトに近いパフォーマンスに対しては、「快敗」という言葉があれば、ぴたりと来るかもしれない。
岡山は今回の敗戦で、2度寝のまどろみから完全に目覚めた心地だ。3日後に大分戦、その5日後に山形戦と厳しいゲームが続く。もう2度と「誰も寝てはならぬ」。
以上
2012.03.18 Reported by 尾原千明
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