ホーム開幕戦は富山にとって苦いものになった。接戦に持ち込むチャンスはあったが「勝負のポイント、ポイントで未熟さがでた」(安間貴義監督)。自ら勝機を手放してしまうようなかたちで完敗を喫した。対照的に東京Vは昇格候補と呼ばれるにふさわしい底力をまざまざとみせつけた。
両チームとも、敗れた前節の教訓を生かした。
富山は立ち上がりの消極性を反省し、今回は序盤から攻勢をかけた。スタメンに抜てきされたMF明堂和也がDF裏のスペースを狙って相手を揺さぶり攻撃の起点になった。そして開始5分足らずで先制点が生まれた。新戦力のMF加藤弘堅の右CKに走り込んだDF池端陽介が頭で合わせ、クロスバーに当たってこぼれたところをFW黒部光昭が決めた。直後にも移籍後初先発のMF西川優大が決定機を迎え、ヘディングシュートでゴールを脅かした。
しかし、願ってもない展開が心にスキを生んだのか、すぐに同点に追い付かれてしまった。ここが安間監督の指摘する最初の勝負どころ。リスク管理を徹底しているはずの中盤の中央でのミスが失点の引き金となった。「普段のやり方に徹していたら、なかったはずの失点。先制した後、なんでも出来ると思い込んでミスをした。ノリだけでプレーしてはだめだ」と監督。24分にも中央でボールを失って一気に攻め込まれ、逆転ゴールを許した。
東京Vは「DF裏やピッチの幅を使いながらギャップをつくり、最終的には中央を崩す」(川勝良一監督)という狙い通りのプレーを遂行した。前節の甲府戦、攻撃がショートパスに偏って単調になったことを反省し、本領を発揮した。ゴール前のFWジョジマールやサイドのスペースに流れたFW阿部拓馬にボールを送って起点をつくるシンプルなプレーが、持ち味のリズミカルなパスワークを引き立てていた。
後半5分にDF森勇介が2つ目の警告を受けて退場となるが、逆に10分にMF飯尾一慶が3−1と突き放す追加点を奪った。富山の攻勢に遭いながらも体を張って耐え、切り返すショートカウンターも鋭かった。同33分、MF小林祐希からのスルーパスから途中出場のMF小池純輝が移籍後初得点を挙げて勝負を決定づけた。「退場が出て運動量が上がった。それだけ選手は鍛えられており、能力を惜しまないで出していきたい」と川勝監督。チームのたくましい戦いぶりに手ごたえがあったようだ。
昨季チーム最多得点の阿部が先制点を挙げ、ルーキーで初先発だったMF梶川諒太の自身Jリーグ初ゴールが勝ち越し点だった。内容をともなう快勝劇はチームを勢いづかせるには十分だろう。ここから開幕ダッシュをかけて、過去2年のスロースターターのイメージを払しょくしても驚きはない。
富山は後半にも得点のチャンスはあった。同13分には明堂のクロスに西川が詰め、同29分にはMF木村勝太のシュートのこぼれ球にMFソ ヨンドクが合わせた。だが、いずれも決めることができず、劣勢を挽回するだけの力強さをみせられなかった。今季のホーム初戦でもあらためて勝負の厳しさを思い知ることになった。ここを出発点とし、階段をのぼっていきたい。
以上
2012.03.18 Reported by 赤壁逸朗
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