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【J1:第2節 磐田 vs 鳥栖】磐田側プレビュー:リーグ開幕から1週間。選手たちはそれぞれの立場で、それぞれのホーム初戦を迎える。(12.03.16)

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黄 誠秀が食い入るようにピッチを見つめていた。リハビリを行う彼の目の前では鳥栖戦を見据え、実戦さながらの激しいミニゲームが繰り返されている。公式戦の出場がないまま加入3年目のシーズンを迎えた大卒MFに、チャンスはあった。2月末に行った岐阜とのプレシーズンマッチに先発出場。けが人や代表招集など複数の離脱者が出たことで巡って来た好機だった。10年の加入以降、公式戦デビューという目標を最も現実的に捉えていたはずだ。試合後、「今回はスタメンでしたが、結果を出さなければ次はないと思っています」と語る表情は危機感に満ちていた。その矢先の離脱だった。開幕直前の練習試合で右足を負傷。戦列に戻れないまま札幌戦を迎えることになる。「相当、我慢していたと思いますよ」。森下仁志監督は続ける。「キャンプで捻挫してもピッチに立ち続けていたから。足が腫れていてもね」。

似た思いを高卒ルーキー・木下高彰にも見た。昨年末に右足を手術し、始動日からここまで全体練習に一度も合流できずにいた若手センターバックが今週、ついに部分合流。スモールコートで行った4対4のミニゲームに参加し、加入後初めて対人プレーを見せてくれた。だが、あまりにブランクが長過ぎた。プロのスピード感を初めて肌で感じ、「頭も体も疲れました」と思わず苦笑い。ブランクを抜きにしても高卒1年目の彼には酷なメニューだったかもしれない。濡れたピッチに足を取られ転倒する場面も、足をかばい一時コートの外に出る場面もあった。それでも必死にボールに食らいつき、最後までメニューをやりきったことは18歳なりの“意地”だっただろう。

万全ではない状態でピッチに立つことがいいとは言えない。さらに長い離脱を招いては元も子もない。だが、“生き残る”ためには多少のリスクを負ってでもプレーしなければならない状況もあるだろう。戦列を離れれば置いていかれる――。J1開幕から1週間。チーム内には依然としてぴりぴりとした空気が流れている。札幌戦で先発メンバー11名、ベンチ入り18名が明らかになったが、“主力”と“サブ”の境界線はまだ明確ではない。今週の練習では札幌戦で左サイドバックに入った山本脩斗が右足を痛め、この試合の欠場が濃厚となったが、言い方は悪いが、ここを好機と見ている選手は少なくないだろう。14日に行った7対7(スモールコート)では藤田義明が左サイドバックに入り、札幌戦でベンチに座った千代反田充がセンターバックを務めた。また、左足の負傷で開幕戦を欠場した宮崎智彦もリハビリのピッチを上げてきている。何も最終ラインに限った話ではない。「早く試合をしたい。やはり、前の試合が悔しかったので」と話していたのは札幌戦で中盤の2列目を務めた菅沼実。札幌戦で先発した松浦拓弥、後半途中からピッチに投入されたペクソンドンのプレーは嫌でも目に入ってくるだろう。

「それぞれに懸ける思いを感じる」。試合前日、森下監督はチーム全体を見渡し、そう話していた。今年もヤマハスタジアムで熱戦が始まる。サポーターにとって待ちに待ったホーム開幕戦だろう。だが、ピッチに立つ選手たちはその雰囲気を味わう余裕はないかもしれない。それほどまで研ぎ澄まされた状態で明日を迎える。

以上

2012.03.16 Reported by 南間健治
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