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彼らは、大舞台でのサッカーを楽しんでいるようだ。
それは、選ばれたものの特権でもあり、彼らにしか味わうことができない。誰もが、「楽しんで…」と答えてくれる。大舞台での緊張感や重圧、試合に勝つことへの責任感などを、全て楽しんでいるように見える。それもこれも、全ては日頃の厳しい練習と、仲間たちの励ましあいの成果なのだろう。そして、その成果を開幕戦の勝点１で、より大きくしたようだ。

次節は、Ｊ１で初のアウェイ戦となる磐田に乗り込む。
前述したように、選手たちには気負いは全く見られない。開幕戦で得た自信を持って、磐田の胸を堂々と借りるつもりなのだ。ケガで、開幕戦の出場を見送ったＭＦ岡本知剛も練習に合流した。より、万全の体制に近づいているのも事実。あとは、勝点３を得て開幕ダッシュにしたい。

開幕戦で、攻守に渡り存在を示したＦＷ池田圭は、「開幕戦で得た自信を結果につなげたい」と鼻息も荒い。惜しいシュートを放ったＭＦ金民友も、「（開幕戦は）意識していたよりいい形でプレーできた。自分なりによく走れたし、昨季みたいな戦いをしたい」と好調を維持している。Ｃ大阪の猛攻を耐えたセンターバックのキム クナンは、「（開幕戦は）勝つことはできなかったけど、チャンスは鳥栖のほうが多かった。毎試合勝ちたい。磐田にも韓国人（ペク ソンドン、チョ ビョングク）がいるので負けられない」と開幕戦よりも、モチベーションをあげている。彼らの気持ちが空回りではなく、全員でボールを追い、運ぶことができれば、その結果は自ずとついてくるだろう。

尹晶煥監督は、「磐田はディフェンスの意識が強い。攻守の切り替えも早い。トップの選手（ＦＷ前田遼一）へのサポートも早い。しかし、鳥栖はボール対してタイトなプレーを行なう。今までやってきた通りにやる」と開幕戦で見せたサッカーを貫くつもりのようだ。開幕戦の前半に見せた、前線からのタイトな守備と連動した攻撃ができれば、屈強の磐田にも互角以上の戦いができるだろう。

課題は、開幕戦の後半にように、押し込まれた時の流れを切る事ができるかどうかではないだろうか。個人で苦境を打破できるＭＦ水沼宏太からのクロスや、ＭＦ藤田直之のセットプレーからのキック、ロングスローなど、シュートに直結する機会を多く出したいところである。

トレーニングでは、サイドを使った展開を繰り返し行なっていた。押しこまれたときにも慌てず、サイドを使ってボールを磐田陣内に運ぶことができれば、その流れを切ることはできるだろう。そして、開幕戦では奪うことができなかった得点を、鳥栖らしい形であげることができれば…。選手たちだけでなく、応援する我々も、試合を楽しみたい。

「試合開始のホイッスルがなったら、過去の経歴もその時の順位も関係ない。求めるのは勝利だけ」と、語ってくれた選手がいた。
前評判どおりの結果が得られないのがサッカー。結果がわかっている競技（試合）は存在しない。
だからこそ、応援の甲斐もあるし見ている人を熱狂させるのである。
そこにサッカーの持つ面白さがある。
サッカーは、終了のホイッスルがなるまで結果は誰にもわからない。

以上

2012.03.16 Reported by サカクラゲン