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「不安しか無かったので、本当に良かった」
G大阪との開幕戦に勝利した後、神戸の相馬崇人は安堵の表情を浮かべた。どのチームにも言えることだが、開幕戦は蓋を開けてみないと何が起こるか分からない。神戸の場合は2月のキャンプからプレシーズンマッチ、開幕直前のトレーニングマッチを終えても確固たる手応えの無いまま開幕戦を迎えていただけに、この1勝は非常に大きい。やっと手応えらしきものをつかんだからである。
とはいえ、開幕戦が会心の出来だったかどうかには疑問符が残る。3月13日の練習後に聞いた和田昌裕監督のコメントは「(攻撃も守備も)どっちもいいとは思わない」だ。
開幕スタメンのFW森岡亮太が「1つ勝つと精神的に落ち着くし、チームのモチベーションも上がった」と言うように、今の神戸は開幕前とは雰囲気がまるで違う。練習でも本来のハードワークやスピードが完全に戻っている印象も受ける。昨季の課題だったセットプレーからの得点も開幕戦で2ゴールを挙げて払拭。“上積み”という点では及第点だろう。
だが、キャプテンの吉田孝行が「(開幕戦の勝利を)自信につなげてもいいけれど、過信してはいけない」と釘を刺すように、まだまだ発展途上だということを再認識する必要はあるかも知れない。
G大阪戦を振り返ると、FW大久保嘉人の裏へ抜けるスピードを、チームとして生かすことはできた。が、新加入の橋本英郎は「逆に言えば、それしかできていない」とあえて苦言を呈す。その裏にはこんな考えがある。
「おそらく今の神戸でカウンターとポゼッションの両方に対応できるのは嘉人くらい。次元が一つ上にずれている。だから、周りが早く嘉人に追いつかないといけないし、相手チームもすぐに対応してくると思うので、嘉人がいなくても同じレベルでできるくらいにならないと。その上で外国籍選手が加わるように嘉人が入れば、その分強くなるはず。早くそのレベルまで持っていきたい」
今季のオフシーズン、神戸は新加入選手を中心に今までの堅守速攻をリセットし、ポゼッションサッカーの構築を試みてきた。だが、根底からスタイルを変えることは時間的に難しく、いや最初から神戸が目指す着地点ではないかも知れないが、やや出口の見えないまま開幕戦を迎えた。橋本が「例えば、ずっとポゼッションをしてきた選手が、いきなりカウンターに切り替えられるかというと難しい。その逆も同じ」と表現するように、ずっと神戸のサッカーをしてきた選手と違う畑で育った新加入選手とを折衷するポイントは未だ手探りだ。ある種、開幕戦は試合の結果のみでOKな部分もあったが、第2節以降はこの折衷点を見つけて旅の始まりになるだろう。
奇しくも、その重要な旅の起点となる試合の相手は、神戸と同じように堅守速攻が持ち味の札幌。神戸がハイプレス勝負に出るのか、それとも新しい何かを見せるのか。今季を占う意味でも、興味深い一戦である。
以上
2012.03.16 Reported by 白井邦彦
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