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開幕戦はF東京に0−1の黒星スタートとなった大宮だが、「ボールをつないだ中から決定機を何度も作れた」(村上和弘)ことで、シーズンを戦う上での自信をある程度つかんだようだ。今年で就任3年目となる鈴木淳監督も、「守備も攻撃も、昨年よりスピードがあり、ダイナミックさも加わった」と、チームの進化に手応えを感じている。ただし、まだ課題もある。戦術確認とコンビネーションの熟成をテーマに掲げた2次キャンプが、U-23代表招集、ケガ人、悪天候などで消化不良に終わったことで、「オートマチック(な連動性)が足りない」ことが、指揮官の表情を曇らせる。
「オートマチックにというより、見て、考えて、それから動いているので、たとえば守備への切り替えが速くても、戻るポジションが違ったり、角度が違ったりする。そうした守備のオートマチックがないから、攻撃に切り替わったときも、だれがどこにいるか確認してからになるので、スムーズにいかない」
開幕戦ではチョ ヨンチョル、カルリーニョス、下平匠、菊地光将、途中出場で長谷川悠と5人の新戦力がいた。彼らは優れた個の能力で『スピードとダイナミックさ』を加えている一方、新戦力であるがゆえに『オートマティック』は不足する。こればかりは実戦をこなしていくしかなく、「まだ時間はかかる」(鈴木監督)が、2月25日の杭州緑城とのプレシーズンマッチから開幕戦の間でかなりの進歩が見られた。4か月ぶりの公式戦を経たことで、チームの成長は加速していくはずだ。
今年の新潟について鈴木監督は、「矢野貴章とブルーノ ロペスの機動力を生かし、ダイナミックに攻撃を仕掛けてくる。守備は11人全員が献身的で、奪ったらシンプルに速く攻めてくる」と印象を語った。この大宮vs新潟のカードは、リーグ戦ではここ5試合連続で引き分け。うち4つがスコアレスと、シブい試合になるのが通例だ。それはなぜか?との問いに、2009年まで新潟を率いていた鈴木監督は「スタイルを分類すると同じような感じだからじゃないですかね。システム上もそんなに変わらないし」と分析。決して双方が守備的だから点が入らないのではなく、互いに相手の手の内は分かっているだけに、相手のストロングポイントへの対処も的確に行われ、攻めあっている割に点が入らないということだ。
ではそこで、勝敗を分けるものとは? 鈴木監督の答えは「決定力」とシンプルだ。開幕戦でも、F東京という似たスタイルのチームを相手に戦い、大宮は権田修一の神がかりセーブ連発で決定機を逃し続け、ルーカスのスーパーゴール1発に沈んだ。決定力の点では、昨年のチーム得点王ラファエルのコンディションがいまだ十分でないのは不安材料だが、大宮の前線には東慶悟、チョ ヨンチョルという日韓のU-23の主力アタッカーがそろっている。東は14日にオリンピック最終予選を戦ったばかりだが、指揮官は「当然、使うことを前提に考えている」と明言。トップ下の位置から「常に裏への飛び出しを意識している」東、そしてチョの突破力の脅威は新潟が一番よく知っているはず。
互いに前線の選手が個人でゴールをこじあけるタイプのチームではない。「自分たちのサッカーを貫くこと」(村上)が、『決定力』となって現れる。ハイスコアリングなゲームにはならないだろうが、攻守にアグレッシブな、引き締まったゲームを楽しみたい。
以上
2012.03.16 Reported by 芥川和久
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