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【J2:第2節 北九州 vs 岡山】レポート:決定力を欠きスコアレスドロー。北九州は課題残すも、新加入選手の活躍に手応え。(12.03.12)

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サッカーや勝負のあやはとても不思議だな――。そんなことを思わせるに十分な試合だった。
北九州は最終盤の86分、Jリーグ公式戦での出場経験がない加部未蘭と渡大生の両FWを同時投入。短いながらも高さのある加部とドリブラーの渡は持ち味を出し、ゴール前までボールを運んでいくことができた。ただ、結果はスコアレスドローに終わった。
もっとも、引き分けという結果は好都合だったかもしれない。“もしあのシュートが決まっていれば”という場面が多かったが、運が試合を決したなら、きっとチームの未完成な部分に目がいかなくなり、傷は見えぬところで化膿していくだろう。まだ傷があって然るべき時期である。
冒頭に書いた勝負のあやの不思議。それは、内容としては開幕戦よりも悪いものの、勝点を拾えたからだが、内容を見ずに結果だけを求めていっても北九州が強くなることはない。三浦泰年監督は「自分析が必要」と繰り返すが、その言葉のとおり、しっかりと終了したゲームと始まる前のゲームに向き合ういたい。

北九州は今季、3−5−2というシステムを採用している。三浦監督は「よりスムースなかたちで奪ったボールを攻撃に移る」ことと、「守備の面でしっかり人を足らせるということ」を狙いと明かす。もっともこのゲームでは「躍動感のあるゲームをしようと選手を送り出した」(岡山・影山雅永監督)という岡山のほうが攻守の切り替えが早く、対応に追われた北九州は3−5−2の利点をあまり引き出せなかった。攻撃面でも木村祐志がスペースに走り込んだり、安田晃大がアイデアを生かして展開するなど、個人の技術に依った。システム論に限らず、北九州のサッカーはコンビネーションが基盤。内容と結果のいずれもが絡み合うにはまだ時間がかかるかもしれない。

ゲームは互いに風に悩まされるものとなった。かねてから何度となく拙稿に触れてきたが、本城陸上競技場は洞海湾や丘陵地帯が近く、強い風が吹くことはしばしば。ただ、このゲームではちょっと違っていた。「こんなのは初めて」と木村がこぼしたように風は浮き球が通る高さを舞い、クロスボールやゴールキックにブレーキをかけた。
風の影響で両チームともに長いボールを使うことはできず、序盤戦は攻め手を欠いたが、次第にリズムを掴んでいったのは岡山。42分に関戸健二の左からの低いクロスに金民均が飛び込む決定機を作り、後半に入っても54分に同じく金が強烈なミドルシュート。64分にも植田龍仁朗のクロスにファーサイドから金が飛び込んだ。長いボールを使わなかったことはチアゴに収まる回数が減ることにもなったが、前線では金が軸となったほか、関戸や服部の供給が良く、攻撃の多彩さで決定的なチャンスを量産した。
ただ岡山が決めきれない時間帯が続くと、北九州は74分にゴール前の混戦から池元友樹が枠を捉えるミドルシュートを放つなどリズムを掴み始める。そして86分に加部と渡を投入。初出場となる渡は「やってやろうという気持ちで試合に入った」と強い気持ちでピッチに立ち、実際に加部とともに崩しにかかった。
出場時間が短くゴールは奪えなかったものの、「これを90分間できるようになれば非常に楽しみだ」と三浦監督も手応えの初陣だった。

風になびきながら決定機を作るも決めきれなかった岡山。「上を目指すならばこういう試合を勝たないといけない」という一柳夢吾の言葉が的を射ている。状況判断や組織的な守備はできているだけに、簡単なことではないが決定力の増強を図っていきたい。
そして、北九州は繰り返しになるが、チームの進化の片鱗を見せながらも課題を残した。守備でも依然として消極姿勢が見られたことは残念だ。この試合で見えてきた傷や膿に向き合いながら、次節に備えたい。

以上

2012.03.12 Reported by 上田真之介
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