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【J2:第2節 徳島 vs 岐阜】レポート:確かな組織の前進を見せた徳島。ホーム初戦で快勝劇を披露し、開幕連勝を飾る。(12.03.12)

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思わず首をすくめ身震いするような風。さらに気まぐれな雨が時折落ちてくるなど、天候は3月中旬と思えないほど冷え込んだものであった。しかし、スタジアムにはそれを跳ね返すほどの熱気が感じられたと言えよう。昨季の悔しさを深く胸に刻んで今季こその闘志を燃やすファン・サポーターたちが、この日を待ちわびたと言わんばかりにそれを強く発し、それによって選手たちを強力に後押ししたのである。
すると、その後押しに応えるように、徳島はこのホーム初戦で気迫に満ちたパフォーマンス。選手全員が積極性とボールに向かう闘争心を全面に出して戦い、結果岐阜を降して開幕連勝となる見事な勝利を掴み取った。

そしてゲームの中身に目を向けると、そこには確かな組織の前進が見て取れたと言っていいだろう。

まず、注目点であった守備の課題に対する修正だが、それには序盤からハッキリ開幕戦との違いが表れた。キーマンと見られたセンターバックコンビ・福元洋平とエリゼウが、守りに切り替わるとすぐさま声やジェスチャーで最終ラインの位置を明確化。チーム全体の位置取りをしっかり牽引し、いっそう素早いブロック形成を図ったのである。また彼らのそのリーダーシップは、中盤から前のバランスよい守備の距離感も引き出していたと言えよう。だからこそ、対した岐阜にボールを繋がれようと危険な縦パスはほとんど許さなかったし、それを狙われるギャップスペースもほぼ空けなかった。
小林伸二監督は終了後の会見で「まだサイドハーフとボランチがボールに行けていない」「細かいところの作業がもう少しほしいなと思う」とさらなる要求を語っていたが、それでもそうしたピッチ上の変化を見ればチームが指揮官の指導をひとつずつ自分たちのものにしていっているのは確か。組織としての前進は着実にプラスされている。

またこの一戦では攻撃面での進歩も随所に感じられた。特に、3人目のフォローは位置の的確さを増しており、実際開始10分に挙げた先制点もそれの賜物。エリゼウからキム ジョンミンへロングフィードが送られると見るや、上里一将が絶妙のポジションへ入ってキムの落としを受けたことがゴールの決め手となったのだ。それ以外でも、大車輪の働きを見せ続けている鈴木達也が繰り返し津田知宏に絡めば、2戦連続アベック弾を決めた津田とキムの2トップも互いを意識し合ってポジショニング。ペアとしての質を徐々に高めつつあるのは間違いない。
そのように、チームは攻撃の連携も一歩一歩向上させている。それだけに「連動という部分は大切にしているので、その点はゲームを重ねるたびに向上させていきたいです」という鈴木の言葉も今後への期待感を高めさせるところである。

いずれにしても、徳島はシーズン2戦目となったホーム初戦で、欲しかった結果を手にするとともに自らの前進もいきなり披露して見せた。だが、終えたのはまだ僅か2戦だけ。これからも常に厳しく自分たちを追い込み、それにより継続的な成長を遂げなくては辿り着きたい先へ続く道も霞んでしまう。だからこそ「まだまだ全体的な質は低いと思うので、そこは今勝っている時こそ選手に要求してやらせたい」という小林監督のもとチームは日々無心に切磋琢磨していかねばならないだろう。

さて最後に、敗れた岐阜について触れると、前半は狙いとしていた戦いをある程度実践出来ていたと評価していいはず。事実、チームは何度も早いタッチのボール回しで徳島陣内へ侵入していたし、繋ぐパスの本数で言えば徳島を上回っていたと言っても過言ではない。しかし、行徳浩二監督も試合後指摘していた通り、最後の崩しのところで精度とアイデアを欠いたことが勝負に響いてしまった。最前線の佐藤洸一は「いかにシュートを打つチャンスを作るか」と自身の課題を挙げていたが、それは彼だけに限らないチームとしての改善ポイントであろう。
とは言え、選手たちは今季やろうとするスタイルをかなり理解している様子。それゆえ岐阜もこれからの成長が大いに注目される。

以上

2012.03.12 Reported by 松下英樹
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