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【J1:第1節 仙台 vs 鹿島】レポート:「復興元年」のJリーグ開幕戦。双方が新しいやり方に取り組みながらも激しいぶつかり合いを見せ続けた一戦は、仙台に軍配が上がる(12.03.11)

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2011年の3月11日に東日本大震災が発生してから一年。2012年の3月10日に組まれたJ1開幕戦で、震災時にホームタウンが大きな被害を受け、今もホームタウンとともに立ち直る途上にある仙台と鹿島が対戦することとなった。

仙台・手倉森誠監督は試合二日前に「まずは開幕の笛が無事に鳴ることを祈っています」と心境を明かしていた。そしてこの試合を前に、チームには「今日のキックオフの笛が、『復興元年』のキックオフの笛だ。そしていよいよ復興に向けて我々が力を注ぐときだ」と呼びかけたという。鹿島・ジョルジーニョ監督もまた、クラブの歴史を振り返った上で「アントラーズは最初から困難な状況を乗り越えてきたクラブ。その我々がサッカーを通じて、被災された方々にほんの一時的な喜びでも与えられれば」と語る。

両者の思いはピッチ上でもプレーに反映され、立ち上がりから激しい一対一が随所で繰り広げられる一戦となった。そのなかで、最初に主導権を握ったのは仙台。攻撃的な中盤に入った関口訓充と太田吉彰がスピードを生かしてサイドを制すると、相手陣内でのカットから素早く攻撃に切り替えるかたちで決定機を作る。対する鹿島も、岩政大樹や中田浩二が鋭い読みを見せて相手の決定機を防ぐと、本山雅志や増田誓志が流動的なポジショニングからパスを交換して攻撃の道筋を探る。

仙台は高い位置からのカウンター、鹿島がダイヤモンド型の中盤からの組み立てという今季から取り組んでいるやり方を目指すも互いにゴールが生まれない中、試合が動いたのはセットプレーからだった。「お互いに気持ちの入ったゲームで勝負を分けるのはセットプレー」(手倉森監督)、「現代サッカーは得点の七割がセットプレーから入るので集中を欠いてはいけないと話していた」(ジョルジーニョ監督)と両監督も重要性を分かっていた。62分、仙台は太田からの鋭い左CKをファーサイドの赤嶺真吾が折り返し、最後に新加入の上本大海が押しこんだ。

終盤は鹿島が選手交代により中盤にボランチを二人置くボックス型に組み替えて反撃するが、仙台もまた磨いてきた守備ブロックを組み直して対応。林卓人がジュニーニョのヘディングシュートを片足で弾き飛ばす好守もあり、仙台が1点を守りきって勝利した。「『復興元年』に被災地の方々に勝利をプレゼントできてよかった」。殊勲の上本は開幕戦勝利の価値をそう表現した。

「相手のダイレクトのうまさに(プレッシャーから)逃げられたシーンもあったので修正したい」(関口)、「決定機までいっていない時間も多く、修正したい」(増田)とそれぞれの話にあるように、それぞれのチームが新しく取り組んでいることを実践する上では、まだ課題は多い。だが「復興元年」のJリーグはまだ始まったばかり。健闘を見せてくれた両チームが、長いシーズンの中でどのように成長していくのかが楽しみだ。

この日のユアテックスタジアム仙台には、昨年の最終節同様、全国の支援に感謝する「私たちは感謝を忘れない」というメッセージが掲げられていた。両チームとも、感謝の気持ちをプレーで示し続けていくシーズンが、ここに始まった。

以上

2012.03.11 Reported by 板垣晴朗
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