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ホームスタジアムである松本平広域公園総合球技場（アルウィン）で行われるホーム開幕戦。耳をすませば、記念すべきゲームを今か今かと待ち侘びている、多くのサポーターの心臓の鼓動が聞こえてくるようだ。前節でほろ苦い Jリーグデビューとなった松本山雅は、11日にモンテディオ山形を迎えてのホーム開幕戦となる。

実力あるアタッカー陣が顔を並べる東京ヴェルディ相手に、前半は0点に抑えるなど善戦を見せていたものの、やはり緊張もありオーバーワークによるペースダウンは隠せなかった。後半に運動量が落ちた松本は、防戦を強いられ、結局小林祐希とジョジマールのゴールを浴び、0−2で敗れた前節。通用した部分と通用しなかった部分をこの1週間で整理し、ホーム開幕戦に挑むべく、チームは準備を重ねてきた。

第2節の対戦相手となる山形は、昨シーズンまでJ1に在籍、今シーズンは『1年でのJ1復帰』を掲げて、奥野僚右新監督のもと、これまでの『少ないチャンスを生かしたサッカー』から、『自ら仕掛けていく攻撃的なサッカー』への転換を図っている途中にある。そのためか、第1節の千葉戦では機能しなかった場面も多かったようだ。もちろん、選手層など地力の差はあるだけに一概に比べようはないが、僅かな隙を突くチャンスはあるはずだ。

基本フォーメーションに4-3-3という攻撃的なフォーメーションを敷いている山形の売りは何と言っても、萬代宏樹・山崎雅人・中島裕希という、実績と経験を持つストライカーをずらりと並べた3トップだろう。それぞれタイプの異なる3人による波状攻撃は脅威という他はなく、まずは守備的な入り方で、山形の様子を伺うというのが理想的なやり方だろう。このアタックをチームとして抑えることが出来るかどうかが、勝敗を分けそうだ。もちろん、守備が頑張るだけでは勝点3を奪い取ることは出来ない。やはりゴールこそ勝利に直結するだけに、ホームゲームでは貪欲に得点を狙って欲しい。特に、前節に悔しい思いをしたエイジソン・木島徹也などの攻撃陣には期待したいところだ。J2通算1万ゴールも目前と迫っているだけに、J2の歴史に名を刻めるまたとないチャンスを是非生かして欲しい。

まずは Jリーグ初得点、初勝利へ――。多くのサポーターが詰めかける事が予想されるゲーム。もちろん、そのサポーターへの最大のファンサービスは、勝点3だ。

最後に、長く山形でプレーしてきた渡辺匠の言葉を紹介したい。

「自分の中では特別なチームで思い入れはある。しっかりプレーしている姿を見せたい」――。開幕戦では中盤の底で守備に奮闘していただけに、古巣である山形のサポーターに活躍する場面を見せたいところだ。また、船山祐二と船山貴之の“兄弟対決”にも注目したい。

以上

2012.03.10 Reported by 多岐太宿