ご存じでしょうか。 J’s GOALでも特設サイトを設けていますが、第１節を終えた時点で、Ｊ２リーグの通算ゴール数は９９７２をカウントしており、大台の１００００ゴールまであと28に迫っています。
前節の開幕節で生まれたのが32ゴールだったこと思えば、今節（第２節）で達成する可能性は十分ありそう。いったいどのクラブの誰がメモリアルゴールを決め、歴史に名を残すのか。ファン・サポーターとしては非常に楽しみなところでしょう。

16時キックオフとなる東京Ｖvs甲府は、13時キックオフの６試合と比べると、さらにその確率が高いと言えるのではないでしょうか。そこで、チームを常に最後方から見続け指示を出している、いわばご意見番とも言える土肥洋一選手、柴崎貴広選手の両ＧＫに「東京Ｖの中だったら誰が決めると思いますか？」とお聞きしたところ、２人揃って「そりゃあ、タクマかジョジでしょ!!」と、即答。阿部拓馬選手、ジョジマール選手の２トップへの信頼＆期待度はかなり高いようです。
当のジョジマール選手にも１００００ゴールのメモリアル目前だと告げると、「そうそう、知ってるよ〜」とすでにご存じでした。「狙っていますか？」とお聞きしてみると、「全然だよ〜。そういうの関係なしにゴールはいつも取りたいし、それよりもチームが勝つのが一番」とのこと。「土肥選手や柴崎選手からは、期待の選手として名前が挙がっていましたよ」と伝えると、「ホント〜？うれしいね。じゃあ狙おうかな。取りに行きます！」と、頼もしい言葉を残してくれました。

名前が挙がったＦＷ２人以外で特にメモリアルゴールでＪ史に名を残すことに積極的だったのが、新加入の小池純輝選手と和田拓也選手でした。
小池選手は、前節の開幕戦で今季チームの初ゴールを挙げてみせた小林祐希選手が「９９９９ゴール目でも１０００１ゴール目でも取りたい。何点目だろうと、自分にとってはただの通過点です」と答えている横を通りかかると、すかさず「じゃ、僕が狙います！（笑）」と、宣言。
また、今季こそＪ初ゴールを叶えたい和田選手も「初ゴールがそういう記念ゴールだったら最高ですよね!!」。「狙って取れるものではないと思いますけど…」と言いながらも、せっかく巡ってきたまたとないチャンスに、色気を示していました。
とはいえ、どの攻撃陣にお聞きしても、最後は必ず「ゴールはいつでも狙っているし何点でも取りたい。でも、チームが勝てば自分が取らなくてもいい」との言葉が返ってきたのが非常に印象に残りました。このチーム、誰がゴールを挙げても不思議はないし、もし幸運に誰かの『１点』がメモリアルゴールになったとしたら、それを全員で喜べるだけのチームワークができていると感じます。

一方のご意見番ＧＫ２人、実は「逆に１００００ゴール目を決められる可能性もあるってことですよね？」が、この話題への第一声でした。ＤＦ土屋征夫選手も含め、守備陣にとっては「ぜっっっったい決められるのはイヤでしょ！」という感想がすべてであることは言うまでもありません。ほかに柴崎選手が口にしたのが「あと、カズさん（三浦知良選手/横浜ＦＣ）に決められるのもイヤです」。理由はもちろん「勝っても負けても、ニュースになってゴールシーンが流されるでしょ」。
なるほど。やはりＧＫにとっては、ゴールシーンの映像が流される度に自分が失点した姿も見られなければならないことほど悔しいことはないようです。
「歴史に汚名を残さないためにも、とにかく失点しないようにしたいです。無失点だったらそんな心配もないですからね」。そんな柴崎選手の言葉を聞いて、もしかしたら記念ゴールというのは取る側以上に守る側が意識するものなのかも？と、思わず考えました。

いずれにしても、決めたい時に思い通りに決められないのがゴール。だからこそ、見ている側としては『誰が取るのか、どんなゴールか』と非常に興味が沸くところですが、実際にピッチに立っている選手たちにとっては、いつもと同じように勝つために全員で『１点』を奪いに行き、全員でゴールを死守するのみだと思います。そうして、みんなで生んだ勝利につながる誰かの『１点』が、Ｊ２通算１００００ゴールのメモリアル弾という巡り合わせであれば、喜びも倍増ではないでしょうか。

幸運は誰の手に？
Good luck!!

以上

2012.03.09 Reported by 上岡真里江