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【J1:第1節 大宮 vs F東京】大宮側プレビュー:期待と不安ともに大きいシーズン開幕。注目はボランチ・カルリーニョスと左サイド。(12.03.09)

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いよいよ2012シーズンの開幕を迎え、チームの仕上がりについて報道陣に尋ねられた鈴木淳監督は、「まあ、順調です」と、若干の苦笑いも交えて答えた。その「まあ」の部分と苦笑いには、主力3人のU-23代表招集とケガ人、さらには悪天候によるピッチコンディション不良で、戦術と連携の確認に費やすつもりだった宮崎キャンプが消化不良のまま日程切り上げになってしまったことが含まれている。「人の組み合わせなど、もう少し熟成できたはずという気持ちは正直ある」(鈴木監督)が、それでも与えられた環境で最善の準備をしてきた。期待と不安の入り交じった、開幕にはつきものの感情の振り幅が、今年は例年よりも大きい。

最大の期待といえば、名門サンパウロで不動のレギュラーだったボランチのカルリーニョス。宮崎キャンプでの初めての練習試合にて、開始2分で足首を捻挫し、途中退場して周囲をやきもきさせたが、順調に回復して2月25日のプレシーズンマッチでは別格のプレーを見せた。豊富な運動量、判断の速さと広い視野、正確な左足のキックは、大宮のサッカーを一段階進化させると言っても過言ではない存在だ。ボランチでコンビを組む青木拓矢は、「カルとのコンビはやっているうちにどんどん良くなっている。キツい状況でもボールをしっかり持ってくれるので、前に行くかサポートするか、カルに合わせて良いポジションを取っていきたい」と語る。前線のラファエルや東 慶悟も、「間を通して前に通すパスが得意で、僕を生かしてくれる選手」(ラファエル)、「カルが後ろでゲームを作ってくれるから、僕は下がらずにゴールの近くでプレーしたい」(東)という。ラファエルと東がペナルティエリア内で仕事をする場面が増えれば、今年の大宮の攻撃は相手に取って脅威になるだろう。

対戦相手のF東京について鈴木監督は、「勢いのあるチーム。みんな走るしボールも動くし、守備でも勢いがある」と警戒を露わにするが、「開幕戦だから、相手がどうだからといって、特別なことはしない。我々の特徴である攻撃的な姿勢を出していく」と明言。「今年は面白い攻撃が見せられると思う」と自信をのぞかせる。特に左サイドはアタッカーに爆発的な突破力を誇るチョ ヨンチョル、サイドバックにビルドアップに長けた下平 匠を補強したことで、格段に攻撃力が増している。ただし石川直宏を擁するF東京の右サイドも攻撃力を誇るだけに、「押し込まれないように高い位置で仕事をしたい」(下平)。大宮の左サイドとF東京の右サイドの攻防が、この試合の一つの見どころだ。

互いにボールを大事につなぎ、サイド攻撃を仕掛ける。やりたいサッカーは似ているだけに、「ボールのあるところにどんどんプレッシャーをかけていく」(鈴木監督)ことで相手の攻撃を寸断し、主導権を握りたいというのは、F東京も同じだろう。ハイプレスに弱いのはポゼッションサッカーの常だが、大宮も昨年何度もハイプレスを剥がせず苦しむ試合を見せてきたし、プレシーズンマッチでも前半は杭州緑城のハイプレスの前に完全に沈黙した。FUJI XEROX SUPER CUP 、ACLと連戦が続くF東京には体力的な問題があるものの、相手の弱点を突き、自分たちのストロングポイントを出すならば大宮同様にハイプレスを仕掛けてくるはず。ハイプレス合戦を制した方が主導権を握ることになるが、その点で、十分な戦術確認と連携の熟成ができなかった大宮には不安がある。攻撃だけでなく、守備においても連携不足の不安は募る。サイドバックが高い位置を取って攻撃参加し、その裏を突かれてピンチを招くことが昨年も多かったが、杭州緑城戦での失点もズバリその形。谷澤達也や石川、羽生直剛らF東京の優秀なサイドアタッカーたちにそのスペースを使われないよう、細心の注意が必要だ。

期待と不安と――、いずれにしても明日には答が出る。序盤は激しいハイプレス合戦による主導権争い。ただし主導権を握ったチームが先制しても、2点、3点とダメ押しできなければ、体力的に落ちてきて間延びした終盤にまたゲームが動くだろう。攻撃的パスサッカーの競演を楽しみたい。

以上

2012.03.09 Reported by 芥川和久
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