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【J1:第1節 G大阪 vs 神戸】神戸側プレビュー:大型補強で今オフの話題をさらった新生神戸。その全貌がいよいよ明らかに。(12.03.09)

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3月7日の練習後。囲み取材で和田昌裕監督は開幕スタメンについて詰め寄る記者陣に対し、「前日練習を見てもらったら分かると思う」と明言を避けた。この日は、日本代表の伊野波雅彦や高木和道が全体練習に参加せず、明言できなかったのかも知れない。あるいは、開幕戦に向けて“秘策”があるからか…。

今季の神戸は、日本代表経験者5人が加入し、大きく変貌を遂げようとしている。伝家の宝刀とも言えるハイプレス&ショートカウンターをベースにしながら、ポゼッションを高めたパスサッカーを取り入れる方針。ボールキープ力や展開力を備えた野沢拓也、橋本英郎の加入で役者も揃っている。そんな期待とは裏腹に、2月に行われた新潟とのプレシーズンマッチでは0‐3と大敗。不安を覚えたサポーターも少なく無いだろう。

だが、ご安心を。開幕を目前に控え、なんとなく見えて来た形がある。それが橋本をボランチではなく、左サイドハーフに置く布陣。3月7日の紅白戦では、大久保嘉人と森岡亮太の2トップに、野沢と橋本を両サイドハーフに据え、ダブルボランチに田中英雄と大屋翼を置く4−4−2を試し、未完ながらも多彩な攻撃を見せていた。橋本のサイドハーフについて、和田監督は言う。「神戸のスタイルでは、橋本を一つ前で使う方が能力を引き出せると思う。昨季の神戸は両サイドハーフが外に張る傾向があったけれど、あの2人(野沢、橋本)が入れば中央でもプレイするのでボックスのような形になる」。
ボックスの相乗効果として、大久保の持ち味である裏への飛び出し、両サイドバックの近藤岳登、相馬崇人のオーバーラップが増えると思われる。また、黙々とリハビリを続けてきたFW田代有三がここに来て全体練習に参加するという好材料もあり、非常にクリエイティブな攻撃陣が整いつつある。

もちろん、まだ課題は多い。シーズンを通して新しい神戸のサッカーを追求していくことになるだろう。神戸で6シーズン目を迎える近藤が「(新加入選手が)フィットすれば絶対にいいチームになる」と話すように、チームポテンシャルは過去最高と言っても過言ではないはず。機能すれば、今季の目標であるACL圏内も見えてくるに違いない。

G大阪との阪神ダービーで開幕を迎える神戸。結果はもちろん大切だが、むしろ神戸がどんなサッカーを見せるのかが興味深い。

そして、気になる開幕戦の布陣、である。
3月9日の練習では、やはり左サイドハーフに橋本英郎を起用した練習を行っていた。あとは明日のお楽しみにしておくとして、和田監督は「開幕戦に選ばれたメンバーは誇りを持って、ミスを恐れず、勇気を持って戦ってほしい。この1週間はG大阪の対策もしてきたつもり」とコメント。3年ぶりのアウェイでの開幕戦を迎える神戸だが、受け身ではなく、積極的に勝ちを狙うつもりだ。

以上

2012.03.09 Reported by 白井邦彦
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