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【J2:第1節 東京V vs 松本】レポート:要所での一対一勝負を制し、東京Vが5年ぶり開幕白星発進!(12.03.05)

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3月4日(日) 2012 J2リーグ戦 第1節
東京V 2 - 0 松本 (13:05/味スタ/12,432人)
得点者:51' 小林祐希(東京V)、58' ジョジマール(東京V)
スカパー!再放送 Ch182 3/6(火)前07:30〜
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2007年以来、東京Vは5年ぶりとなる開幕戦勝利で新シーズンをスタートさせた。
川勝良一監督就任後初、そして、今季は結果へのこだわりを明言しているチームにとっては価値ある白星だったことは間違いない。
だが、どの選手からも見受けられた「勝てたことだけはよかったけど…」との煮え切らない言葉と笑顔なき表情を見れば、いかに内容が納得いかなかったものなのかは一目瞭然だった。

特に前半は苦戦を強いられた。“開幕戦”という特別緊張する一戦だけに、多少の固さは想定内だったが、それ以上に松本山雅が固めてきた守備の前に「(ボールを)わざと密集へ入れて崩すとか、中央に集めて外をもっと開けるっていう部分は、まあ多少できていたけど、もっとスピーディーに処理したいとか、そういうチャレンジがほとんどできなかった」(川勝監督)。
また守備面でも、相手が5バック気味で人数をかけて守備を固め、奪ったところでロングボールを蹴り込んでカウンターという狙いは予想していたものの、DFが攻撃に上がって開いたスペースを狙って入れてきたロングボールを木島徹也が頭でフリックオンさせ、裏に出したところにエイジソンが抜け出てゴール前という、東京Vのようなサッカーへの対策としてはセオリーとも言える形が見事にハマり、多用されたことで「カバーの部分も悪かったし、軽率なプレーもあった」(土屋征夫)。何度か決定的なピンチを招いてしまった。

大きかったのは、この苦しい前半をGK柴崎貴広のファインセーブ連発などで無失点に抑えられたことだろう。耐えしのいだことで、後半に入り6分小林祐希、13分にジョジマールがそれぞれ得点を挙げることに成功。そこから徐々に自分たちで流れを引き寄せ、勝点3を掴みとった。

この結果を受け、松本の柴田峡コーチは「ウチ(松本)が先に1点取っていればわからなかったという見方もあるだろうけど、実際は2−0以上の実力差があった」と語っている。
その差とは、川勝監督が常日頃から語っている「個の差、要所要所での一対一の勝敗の差」と言えるのではないだろうか。阿部の個人技は前半から突出しており、2、3人に囲まれても関係なしに勝負をしかけ、テクニックを織り交ぜて抜き去っていくシーンが何度も見られた。また、サイドで繰り広げられた和田拓也と弦巻健人との攻防でも、和田が決定的な場面では決して抜かせず、クロスを入れさせなかったし、小池純輝、中谷勇介、森勇介らもサイド突破の時のスピード勝負は全て制していた。GK柴崎のファインセーブもまた、シュートを放った相手との一対一に勝ち続けたということだろう。さらに、敵将・反町康治監督も記者会見で「同じようなこぼれ球のシュートがあったのを最後打たなかった我々と、思い切って打った小林との差」だとも語っている。そして最も“個の強さ”を感じさせたのが、川勝監督が「サッカーの根本が一対一にあることを理解している」と、惚れ込んで獲得した西紀寛だろう。ファーストポジションこそ中盤左サイドをベースとするが、最前線からDFラインのカバーまで縦横無尽、決定的な事象の起こり得る場面の多くに顔を出し、味方への援護に全力で走れる献身さは群を抜いていた。こうした、さまざまな位置で常に繰り広げられる一対一の勝負にそれぞれ勝っていくことの繰り返しが、得点を生み、勝利へとつながるということだろう。同コーチは「個の差を埋めるのは、小さいようでも本当に難しい。でも、これからそれをやっていかないと」と、今後の課題を噛みしめていた。

勝利したものの、東京Vとしては「後半ちょっとだけ。全然できなかった」と小林が言った通り、披露したかった「背負ってても当てていって、取られない」「短期間で作った偶然性ではなくて、キャンプからずっとやってきている必然」などのスタイルを存分には見せることができなかっただけに、結果的に悔しさの方が強く残ったようだ。だが、今季のチーム初ゴールが新キャプテンとして責任感強めている小林だったこと、そして、新戦力のジョジマールが早くも加入初ゴールでチームの勝利を決定づける追加点を挙げたことは、彼ら自身にとって、そしてチームにとっても非常に意義があったのではないだろうか。
その得点を生んだのが、同じく新加入の小池純輝、そしてエース阿部というのもまた、今後への期待が高まったに違いない。5年ぶりに手にした「開幕での勝点3」も含め、収穫は間違いなくあったはずである。

とはいえ、「この勝利を無駄にしたいためにも、次も必ず勝たないと」と、全員が口を揃え、早くも次戦へと気持ちを切り替えている。「こういうゲームは今週だけで終わってもらえると嬉しいです」指揮官の言葉は、サポーターの思いとも重なるのかもしれない。次節は同じくホームに昇格候補の甲府を迎えることになる。強敵相手に、今度こそぜひ思い通りのサッカーを存分に披露したい。

不思議なもので、この結果をよりポジティブに受け止めていたのは敗れた松本の方だった。もっとも大きな収穫は、昇格目指す東京Vを相手に「守備はウチの3枚の方が良かったぐらい」と賛辞を贈ったDFの安定だろう。今後リーグ戦を戦っていう上で、チームのスタロングポイントとなることは間違いない。
また、攻撃面でも木島徹のポテンシャルの高さは非常に目立っていた。また、直前に加入したエイジソンも即戦力として期待が持てそうだ。
ただ一方で、この試合、前半から縦に早い攻撃が機能してしまったことが、逆に後半の体力を奪う原因となってしまったようだ。新指揮官が語った通り、「ゲーム体力がまだ90分できていない。JFLとのプレッシャーの違い、相手にボールを保持されている時間が長くなるわけですから、そういう時にしっかり90分間戦い抜かなけえば」という点が、今後の課題となってくるだろう。
ただ、「次につながるという風に信じて疑いません」とも反町監督。J2初年度の新チームでの初陣に確かな手応えを感じていることは間違いない。アウェイでも6855名もが敵地に詰めかける素晴らしいサポーターと共に、どんなチームを作り、どんな戦いを繰り広げていくか。楽しみだ。

以上

2012.03.05 Reported by 上岡真里江
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