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【J2:第1節 湘南 vs 京都】レポート:「みんなの力」で手繰り寄せた勝利のドラマ。湘南が昨季3戦全敗の京都を降す。(12.03.05)

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3月4日(日) 2012 J2リーグ戦 第1節
湘南 2 - 1 京都 (17:34/BMWス/9,065人)
得点者:31' 中山博貴(京都)、37' 岩上祐三(湘南)、90'+1 菊池大介(湘南)
スカパー!再放送 Ch185 3/5(月)後04:30〜
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固唾を呑んだ次の瞬間、スタジアムは歓喜の渦に包まれた。ピッチ上の選手たちが駆け寄る。控えのメンバーもスタッフも飛び出す。ベンチ前はもみくちゃだ。輪の中心には新しい背番号10がいた。アディショナルタイムが掲示された直後、相手DFを振り切った菊池大介のゴールにより、湘南が開幕勝利をものにした。

前線の守備に始まり、湘南は試合開始から攻守に攻めた。京都の得意とするパスワークを中途で幾度もカットする。反面、ミスによって失う場面も多い。だが、たとえば中盤でプレッシャーをかわされた直後に鎌田翔雅がフォローしたように、あるいは相手のパスカットをさらに永木亮太が奪い返したように、チーム全体で補完しあい仲間のミスを打ち消した。推進力が損なわれなかった一端でもあろう。ミスを恐れなければ積極性は褪せない。
京都の大木武監督は振り返っている。「スタートから中盤の球際で相手に勝てないというのがずっとあった。最終的にそこの勝負だったと思う。そこをかいくぐっていく回数をもう少し増やさなければいけない」。工藤浩平も、「湘南がプレッシャーに来てはいたが、それよりも自分たちの受ける場所やタイミングが悪かった」と語った。

前半は京都陣内での攻防が多く、主導権は湘南に傾いていた。だが宮吉拓実が放ったゲームのファーストシュートをはじめ、京都はわずかな隙を逃さない。先取点も然りだ。接触プレーで動きが鈍った相手の間隙を縫い、中山博貴が落ち着いて枠を捉えた。

自戒を込めたのは曹貴裁監督だ。「僕がレフェリーにアピールしたことも選手の足を止める要因になった。セルフジャッジをするな、俺も含めてだ、という話をハーフタイムにした。我々のミステイクだと思っている」。それまで息も継がぬかのように集中力を保っていた湘南にとって、またプレーオンの精神からしても悔やまれる失点シーンである。

後半に入り、パスを繋ぐ京都が次第に押し込む。久保裕也がスルーパスに抜け出し、ゴールに迫るなど、つくりだした決定機は互角以上と言えた。だが対する湘南もGK阿部伸行が果敢に飛び出し、あるいはこの日キャプテンマークを巻いた遠藤航がかき出してゴールを割らせない。「代表で一緒にプレーした宮吉と久保にはとくにやられたくない」試合を前にそう語っていた遠藤然り、交代選手を含めて皆、プレーに意気を込める。

これらの場面に顕著な、一貫した攻撃的な守備が湘南のゴールの呼び水となった。前半のうちに岩上祐三が仕留めた同点ゴールは、最前線の馬場賢治のパスカットが起点だ。そして菊池の劇的な逆転弾も、大野和成のインターセプトが契機だった。大野個人の判断力も見逃せない。「後半になって相手のパスのタイミングが分かってきたので狙っていた。疲れてはいたけど、先手先手で行かないと点は取れませんから」。

勝負は決し、京都の白星発進はならなかった。「球際やセカンドボールなどから得点や失点は生まれると思う。反省すべきところは反省し、自信を持ってやり続けることが大事だと思う」中山はチームの思いを代弁した。切り替えて次節のホーム千葉戦に向かう。

一方、湘南は曹監督のもとで初陣を飾った。思えば開幕前、指揮官は語っていた。「みんなの力で点が取れたと思えるような、みんなの力で勝てたと思えるようなチームにしたい」。決勝点の歓喜に湘南の今が凝縮されていた。喜びの輪、もしくは和に、いくら語彙をかき集めても追いつけない一体感が浮かぶ。まだ42分の1に過ぎない。されど、道しるべとなる1勝を刻んだ。誰が欠けても成り立たないこの和が、この先も扉を開く鍵となろう。

以上

2012.03.05 Reported by 隈元大吾
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