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5年目の春を迎えた。J1昇格プレーオフの導入でチャンスが広がった今シーズンは、「5年でJ1」という目標を掲げてきた熊本にとっては勝負の年。厳しくも戦いがいのある42試合という長丁場のリーグに臨むにあたり、J1から降格してきた福岡と開幕戦を戦うという巡り合わせには、J1に旅立つ鳥栖を最後の試合で見送った昨シーズン同様、改めて日程の妙を感じさせられる。今季初の『バトル・オブ・九州』に勝利して、幸先の良いスタートを切りたい。
言うまでもなく、開幕戦はお互いに対戦相手の情報が少ない難しさがあるが、福岡が力のあるチームであることは疑いようのない事実。特に熊本の歴史を語る上でも欠かせない存在である高橋泰と新加入の坂田大輔がコンビを組むと思われる2トップは強力で、勝点を得るためには彼らに仕事をさせないことが必須。昨シーズンの得点の少なさを受けて主に攻撃陣の補強を行い、プレシーズンはほぼ攻撃面のトレーニングに時間を割いてきたが、そうした「やりたいこと」をピッチで表現する以前の段階として、土台とも言える守備でまずはリズムを掴まなくてはならない。「球際を強く行くとか、相手より走るとか、それをさぼらずに90分間やるとか。そういう基本的な部分を1人1人がしっかりやらないと」と南雄太は話す。
その上で勝つために必要なのはやはり得点である。長身選手にロングボールを当ててセカンドボールを拾い、そこから形を作るという展開が中心だった昨シーズンとは違い、今シーズンは始動から一貫して丁寧につないで組み立てる意識を植えつけてきた。実際、バックラインからビルドアップして敵陣までボールを運ぶ段階までは「(思い描く段階に)近づいてきた」と高木琢也監督も手応えを感じている。「まだ未完成で、見切り発車みたいなところもある」(藤本主税)とはいえ、前線が流動的に動くことで相手を動かし、細かくテンポの良いパスワークでギャップをつく場面は明らかに増え、新体制発表会見の席で高木監督が口にした「相手のペナルティーボックスに入る回数を増やす」という狙いは表現されつつある。もちろん、フィニッシュの精度やそこに至るアイデア、コンビネーションに関してはシーズンを通して継続的に高めていく必要があるが、少なくとも生まれ変わった部分を見せることができるはずだ。
ポイントは、「それを選手たちが勇気を持ってやり通せるか」(高木監督)だ。プレシーズンのトレーニングマッチでも、対戦相手のランクが上がってプレッシャーが厳しくなるに連れ、少しずつミスが目立ち始めたり、判断の遅さから速いアプローチを受けて囲まれたりする場面は少なくなかった。相手のホームで戦う開幕戦であること、また天候次第ではボールを思うようにコントロールできなくなる可能性があることも踏まえると、ピンチに直結しかねない場所での致命的なミスは避けたい。「DFとしては、チームとしてやろうとすることを前提に、できるだけノーリスクで近くに預けることを意識したい」と廣井友信は言う。特に人数をかけて攻撃を作っていく以上、中途半端な位置でボールを奪われれば強烈なカウンターを受けるリスクもあるため、攻撃時のリスクマネジメントとボールを奪われた後の速い切り替えは不可欠。短い距離でパスをつないでいくことを考えれば、奪われてからの守備への移行はスムーズに行えると思われるが、大きな展開で逆サイドへ振られた場合にどれだけ早く対応できるかも流れを左右するだろう。そうした意味で選手間の距離をいかにバランスよく保てるかにも注目したい。
一方、「悪い内容でも勝点を積み上げていくことが大事」と南が言うように、結果が欲しいのも確か。「違うことを組み合わせるからリズムが出る」と高木監督も話していたが、つなぐことに固執せず、スピードアップすべき場面やシンプルに裏を狙える場面ではタイミングを逃さずにトライするなど、状況に応じた的確な判断でゴールに結びつけたい。
2年ぶりのレベルファイブスタジアムには、熊本からも多数のサポーターが魂を届けに乗り込む。キックオフの笛は、クラブ史に刻む5年目のシーズン開幕を告げる笛。ピッチとスタンドの心をひとつに、いざ、出陣の時だ。
以上
2012.03.03 Reported by 井芹貴志