・3月20日(火）G大阪vsアデレード＠ハインドマーシュスタジアム　19：30

2008年ACL決勝戦を勝ち抜き、日本で行われたFIFA Club World Cupに参加したアデレード・ユナイテッドFC。2010年ACLで広島と戦ったことは、まだ記憶に新しい。2012年3月開幕ACLの出場権獲得の発表が行われたのが今年1月。オーストラリアからも3チーム目の参加がAFCによって決定された。昨年度Aリーグシーズン第3位であったアデレード・ユナイテッドFCが選ばれたのである。しかし、ACL参加条件を完全に満たしていないAリーグからのグループ入りに対し、インドネシアのチームからAFCに申し立てがあった。そのため、2月16日にACL出場を賭けた、インドネシアのペルシプラとのプレーオフが、アデレードのホームスタジアムで行われ、結果は3-0でアデレード・ユナイテッドFCの圧勝に終わり、一件落着となった。

現コーチであるJohn Kosmina（ジョン・コスミナ）監督は2005〜2007年もこのチームの監督をしており、その後はシドニーFCのコーチも経験。また、オーストラリアサッカー業界ではメディアの露出も多く、常に話題性の多い有名人である。前任監督であったRini Coolen（リニィ・クールン）氏が、チームを一新させようと、新しい選手を加入させたにもかかわらず、2011年度シーズンに結果を出せなかったことが理由でメディアやサポーターから多くの批判を受け、辞めることになったのが昨年12月。そのため、ピンチヒッターとして選ばれたのがコスミナ氏である。この監督の指揮によって、開幕までの短期間でどこまでチームをまとめられるかが、勝負の鍵であることは間違いない。

彼の戦術は、サイドを一気に走りこむスタイルを目指しているようにも見え、ゴール手前での選手の偏りが目立つ。また、右サイドバックの選手を中心にボールが廻っているため、かなり長い時間を要した無駄なパスも多い。つまり、まだまだ確立されていない不安定なスタイルである。現に、コンディションは不調であり、現在Aリーグシーズンの成績は勝点が23点であり、10チーム中、9位である（2月18日現在）。

クラブとしては、地元大手建設企業等がスポンサーとなっており、安定している。チェアマンであるGreg Griffin（グレッグ・グリフィン）氏は弁護士である傍ら、オーストラリアで最も安定したクラブ作りを目指している。現在、新しい施設やクラブハウスなどの建築をも構想中である。また、ACL勝利のためには優れた選手の確保には惜しまず契約するであろうという可能性が高いため、直前での選手入れ替えは頭に入れておきたい点だ。

■注目選手紹介
●Eugene Galekovic (ユージン・ガレコビッチ)　GK　1
186cm 91kg 1981年6月11日 30歳
オーストラリア、メルボルン出身である現在のキャプテン、ユージンはアデレード・ユナイテッドのゴールキーパーとして、2008、2010年ACLの試合で、日本でも活躍。また、2010年FIFA World Cupのオーストラリア代表チームにも選ばれている。冷静で温厚、真面目な性格は試合中でも一目瞭然。2010年、広島原爆ドーム訪問の際（ACL試合前日）に、誰よりも熱心に見学していた思慮深い勉強家の一面も。

●Sergio Van Dijk (セルジーニョ・ファンダイク) FW 9
185cm　88kg 1982年8月6日 29歳
オランダ生まれインドネシア国籍のセルジーニョは、祖父母がインドネシア在住でもあり、2014年FIFA World Cup予選にインドネシア代表として招集を受けている。インドネシアではサッカーアイドルとして人気があり、オランダのFCフローニンゲン、FCエメンで活躍後、Aリーグ、ブリスベン・ロアーに加入し、2010/2011年度Aリーグのゴールデン・ブーツ賞を獲得している要注意ストライカーだ。

●Dario Vidosic (ダリオ・ヴィドシッチ）MF 10
184cm 74kg 1987年4月8日　24歳
クロアチア生まれのダリオは、1988年にオーストラリアのブリスベンに移住。サッカー選手であった父親 がクイーンズランド・ライオンズからのオファーを受けたことが理由であった。2006年にAリーグデビューを果たし、2007-2011年はドイツ、ブンデスリーガのFCニュルンベルクに所属。活躍が認められ、MSVデュイブルク、アルミニア、ビーフェルトと、それぞれ１年ずつの期限付き移籍を終え、2011年にオーストラリアに戻ってきたスター選手だ。

Reported by Motoko .A / Mega Expression Pty Ltd