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【2012Jリーグプレシーズンマッチ 清水 vs 磐田】レポート:急造左サイドバックの活躍で清水が静岡ダービー2年ぶりの勝利。チームの完成度とコンディションの差もあり、内容でも磐田を上回る(12.02.20)

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2月19日(日) 2012Jリーグプレシーズンマッチ
清水 1 - 0 磐田 (13:04/鴨池/3,817人)
得点者:63' オウンゴール(清水)
スカパー!プレシーズンマッチ放送予定
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J1の開幕を3週間後に控えた2月19日(日)、ここまでの仕上がりレベルには違いがあったものの、どちらも課題と収穫が見つかり、プレシーズンマッチの役割は十分に果たした一戦。その中で、より結果にこだわりながら戦った清水が、昨年一度も勝てなかった磐田を下し、目標通り鹿児島キャンプでのゲームを全勝で終えた。

ただ、前半の試合内容は、鹿児島のサッカーファンを喜ばせるという意味では、やや低調だった。お互いに守備優位の状況で、相手ゴールに迫ってスタンドを沸かせる場面が少なかったからだ。

清水のほうは、最終ラインからのビルドアップという面で物足りなさがあり、ショートパスを数多くつなぎながらボールを前に運んでいくという場面はあまり見られなかった。チャンスに至るのは、高い位置でボールを奪ったときや、大きなサイドチェンジ、ロングボールなどが絡んだ場面が多く、攻撃の組み立てという面は今後の課題。その原因としては、今回は村松大輔が務めたアンカー(1ボランチ)の選手がまだ定まっていないことや、小野伸二がケガで離脱中であることもあり、まだまだ向上の余地はある。

一方、磐田のほうは、2年目の小林裕紀や山田大記らが安定したボールキープを見せたため、中盤でボールを動かすという面では優位な面も見られた。しかし、前線からのプレッシングに関しては清水が非常に良く、あまりロングボールを蹴らずに細かくつないで組み立てていくスタイルを目指す今年の磐田には、大きな関門となった。
「前半はプレスを受けてしまって、自分たちの思うような形でつなげなかった。でも、こういうサッカーをやるうえでは、プレスをガツガツかけられたときに、いかに後ろ向きにならずにボールをつないで保持していくことが大事だし、すごく良い練習になったと思う」と、この日キャプテンマークを巻いた山田が語ったように、この時期に課題をはっきりさせておくという意味では、非常に意義あるゲームだったと言える。

もちろん清水にとっても、前からのコンパクトな守備がよく機能した点は大きな収穫だった。前半のシュート数は、清水6本、磐田2本。清水のほうが多かったのは、高い位置でボールを奪う回数で上回っていたからだ。

後半は、磐田があまりペースを上げられず、磐田ファンには消化不良だったが、清水ファンには楽しみの多いゲームとなった。急きょ両サイドバックに入った右の犬飼智也と左の河井陽介も、前半は硬さが見られたが後半にはかなりほぐれ、自分の持ち味を発揮し始める。そして後半18分、河井がタイミングの良いオーバーラップで左の裏に抜け出し、低いクロスを入れると、ニアに飛び込んだ大前元紀にはわずかに合わなかったが、大前のブラインドになったDFに当たってボールがゴールに転がり込み、押し気味に試合を進めていた清水が先制点を奪うことに成功(オウンゴール)。不慣れなポジションでもいきなり試合を決める結果を出すあたりは、河井のスター性を感じさせる。その後の河井はさらに思い切りが良くなり、パスでもボールさばきでも新人離れした能力を見せた。

プレシーズンマッチならではの楽しみと言えば、交代出場した選手の働きぶりという面もあるが、その意味でも清水は、白崎凌兵(後半12分〜)と小林大悟(後半26分〜)が存在感を発揮し、明るい材料が多かった。小林大に関しては、まだ本調子とは言えないが、ボールを持ったときの落ち着きや視野の広さはやはり別格。あとはコンディションさえ上がってくればと感じさせるプレーを見せてくれた。
そして、それ以上に目立ったのが白崎のプレーだ。ポジションは左ウィングでこれまでの練習試合とは異なったが、対面の日本代表・駒野友一にも臆することなく堂々と勝負を仕掛けていく。ピッチ上での落ち着きや状況判断も、まだ高校生とは思えないレベルで、必要な分だけスッとボールを動かしてコースを作り、左足で上げた2本の正確なクロスも非常に印象的。チーム戦術の理解度が上がり、プロの速さや圧力にも慣れてくれば、早くからレギュラー陣を脅かす存在になっていくことを予感させた。

後半も押し気味に試合を進め、チャンスも作れていただけに、清水としては追加点が欲しかったゲームだが、終盤もボールを支配しながら落ち着いて時計を動かすことができ、昨年からの課題のひとつである試合の締めくくり方も問題なし。オウンゴールによる1-0というスコアではあったが、内容的にも清水が上回った鹿児島での静岡ダービーとなった。

ただ、精彩なく敗れた磐田のほうは、前半から飛ばしてきたキャンプの疲労が蓄積していたことを割り引いて考えなければならない。そのため前田遼一や駒野らも本来の精力的な動きが見られず、このメンバーで試合をした時間も少なく連係が不十分だったため、攻撃は山田頼みという印象が否めなかった。
しかし、現時点ではゴトビ監督が就任2年目を迎えた清水と、森下仁志新監督の下で5週間しか練習していない磐田では、完成度にかなり違いがあって当然だ。磐田はまだメンバーも固まっておらず、内容的にもつっこみどころは多いが、今はまだ細かいところで揚げ足を取るべき段階ではないだろう。完成度が上がるまでに時間のかかるサッカーを志向しているだけに、磐田ファンはもうしばらくは我慢強く見守る必要がありそうだ。

以上

2012.02.20 Reported by 前島芳雄
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