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城福浩監督が就任後初めてのトレーニングマッチということで、甲府サポーターも御殿場（時之栖Bグラウンド）まで多く観戦に訪れた2月4日の松本戦。45×3本で2−2という結果をサポーターは気にしていないと思うし、チームの船出がどんなものかということに対する興味が一番だったのではないだろうか。

1本目は4−4−2で高崎寛之と永里源気の2トップ。主導権は甲府の時間が長かったが、松本はそれを想定して戦っているように見えた。甲府はボランチに井澤惇と山本英臣、サイドはピンバと柏好文。ワンタッチで局面を打開する場面もあって悪くない内容。ピンバと柏がテクニックやスピードを活かしてサイドを突破する場面もあって城福監督が選手のストロングポイントを知るには充分のプレー。ディフェンスラインは左から石原克哉、盛田剛平、ドウグラス、福田健介でGKは荻晃太。守備では盛田の安定感とボールを失わないキープ力が目立った。前広島のペトロヴィッチ監督（今季から浦和監督）は盛田がFWだったことを知らずに驚いたそうだが、FWだったからこそのボール扱いの巧さがあるのかもしれない。盛田に対する興味がかなり強くなった。オッサン（36歳）だという点にも親近感が湧く。石原（33歳）は甲府サポーターみんなが知っているように泥臭くてもアグレッシブに戦えるのでプレーに驚きはなかったが、昨季よりコンディションがよさそうに感じたのでこの点がうれしかった。ドウグラスは良くも悪くも名古屋に行ってニックネーム募集中のダニエルの親戚みたいな感じで、フィットすれば充分に期待できる選手。連係やらポジショニングでは穴も空けるが、これはそのうち城福監督が何とかしてくれるはず。

何といってもこれからのワクワク材料はFWの高崎。188センチの長身FWに対する一般的なイメージは高さを活かしたプレーだが、高崎は小柄なストライカーが得意とするようなテクニックもあるマルチな感じ。器用貧乏では終わらない可能性の大きさを感じた。高崎の感覚と井澤やピンバや堀米勇輝や青木孝太らがマッチすれば、守備を固められても打開できそうな期待を持てる雰囲気があった。ただ、高崎にお膳立てしてもらうことを望む選手ではなく、高崎を使って高崎に使われて自分も生きるようなプレースタイルの選手のほうが合うような内容だった。ハーフナー・マイクが移籍して「困った困った」って思っていた人も、高崎のプレーを見れば「何とかなるかな」という思いに変わるのではないだろうか。

2本目は永里をサイドハーフに入れて、ダヴィと高崎の2トップ。ダヴィはまだボールが足についていないがコンディションは悪くなさそうだったので、体重をもう少し落とせば良くなる雰囲気。ディフェンスラインには山本がボランチから下がって盛田とコンビを組んだが、山本が最終ラインに入ったほうがカバーリングの安定感は出そう。ただ、ドウグラスがフィットしてくれば盛田がいいだけにセンターバックのレギュラー争いは高いレベルで激しくなりそう。
ボランチのレギュラー争いも混雑している。山本は器用な選手だが、ボランチで生きるのかセンターバックで生きるのか。甲府になくてはならない選手だが、彼も昨季とは比べものにならない厳しい争いを強いられるのではないだろうか。もちろんほかの選手も同様。1本目に出場した選手がレギュラーではないし、そのポジションでずっとやれるとも限らない。大学卒選手も慣れてくればもっとやれる。城福監督は「我々の現在地を知るためにゲームをやった。現在地を知るためには、ここまでやってきたことをやらないとわからないので、この意味でいいことも課題もしっかり見えた。1本目から3本目まで先発には意図がある。今はそれを言わないが、必ずしも全部うまくいくとは想定していない（先発と組み合わせ）。守備についてはほとんどやっていないので、そのなかでどの程度やれたのかを見れたことはよかった」と話す。
実践的なトレーニングとトレーニングマッチをもっと重ねないと見えてこないものは多いが、それをやるための基本データを松本とのトレーニングマッチで得ることができたという段階だろう。まだまだこれからのジョーフク甲府。
でもね、J2降格も2度目なので謙虚になろうとは思うけれど、「甲府、強くなるんじゃないの」って思いは抑えにくい。他のJ2クラブとも戦ってみないとわからないが、やっぱり期待してしまう。

以上

☆【キャンプレポート2012：松本】2月4日（土）： トレーニングマッチ（vs甲府）レポート
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2012年3月3日（土）　13:35キックオフ／国立
柏レイソルvsFC東京
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2012.02.05 Reported by 松尾潤