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【第91回天皇杯 準決勝 F東京 vs C大阪】C大阪側レポート:遠かったゴール。届かなかった「元日国立」。「レヴィーセレッソ」、聖地・長居で終焉(11.12.30)

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12月29日(木) 第91回天皇杯 準決勝
F東京 1 - 0 C大阪 (13:05/長居/11,982人)
得点者:77' 谷澤達也(F東京)
★第91回天皇杯特集
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第83回大会以来の決勝進出を目指したC大阪。しかし、ホームでもある聖地・大阪長居スタジアムで行われた準決勝のF東京戦では、0−1で惜敗。「元日国立」の舞台を目の前に、初の栄冠という夢は、またしても潰えた。そして、レヴィークルピ監督による5シーズンに渡ったC大阪での指揮、チーム「レヴィーセレッソ」も、この敗北をもって、終焉を迎えた。

攻撃的で魅力あふれるサッカーをC大阪で作り上げてきたレヴィークルピ監督。その集大成となる天皇杯で、「タイトルを置き土産にしたい」と意欲を燃やし、また、主将の茂庭照幸を筆頭に、桜色のイレブンも、指揮官の花道を飾るためにも、「自分たちのサッカーで勝つ」と意気込んで、この試合に臨んでいた。だがしかし、J2を圧倒的な力で制し、日本代表DF今野泰幸を筆頭に、J1でもまったく見劣りしないタレントを揃えたF東京の前に、今回は「C大阪のリズムが全然できなかった」(上本大海)。

天皇杯の規定により、長居では初めてアウェイ側に陣取ったC大阪。ユニフォームも白地のセカンドタイプのもの。普段はメイン側左にいるはずのC大阪サポーターも、真逆の右側から声援を送ることに。ただし、長居はあくまでC大阪のホーム。そのアドバンテージを背に受けて、勝ちに行ったのだが、前半からC大阪は劣勢に立たされる。「相手のプレッシャーのほうが速くて、そこで全部遅れ遅れになってしまった」というのは、C大阪が誇る3シャドーの一角、倉田秋。前半はボールを前線に送っても人数をかけきれず、簡単に失い、攻め手を作れずにいると、自陣に押し込まれ、逆にルーカス、谷澤達也、石川直宏、羽生直剛といったF東京の攻撃陣に、再三決定機を作られてしまう。

それでも、前半はGKキム ジンヒョンの再三にわたるファインセーブや、相手のシュート精度不足に助けられ、何とか無失点で凌ぐことができたC大阪。「ここからだ!」とレヴィークルピ監督から檄を受けた後半は、杉本健勇に代えて小松塁を投入。62分にはさらにアクセントをつけるため、ボランチの扇原貴宏をベンチに下げて、終盤戦でラッキーボーイとなっている村田和哉を送り込んで反撃に向かう。そして、68分には清武弘嗣に決定機も巡ってくるなど、徐々にゴールに近づくも、77分、ついに先に失点を献上してしまった。F東京の後方からの流れるような攻撃に耐えきれず、最後は谷澤に右足でシュートを叩き込まれた。この1失点の大きさは、誰もが分かっていたこと。なぜならば、C大阪のF東京に対する見立ては「守備が堅い」ということだったからだ。

そこで、レヴィークルピ監督は切り札、播戸竜二を、山口螢に代えて81分に起用。キム ボギョン、倉田のダブルボランチとして、超攻撃態勢を敷く。そこからは一気呵成にゴールへと突き進んだC大阪。村田や播戸が泥臭く相手から敵陣でボールを奪い、丸橋祐介が左クロスを送れば、清武、キム ボギョン、小松らが積極的に狙い、猛攻を繰り返す。しかし、なかなか枠にシュートを打たせてもらえない。シュートを打ってもGK権田修一、DF今野、森重真人らの壁が厚い。最後、アディショナルタイムの小松のヘッドも権田に阻まれ、その後のCKからゴールネットを揺らしたものの、これは播戸がハンドの反則を取られてノーゴール。最後まで攻め抜いたC大阪だが、その思いは報われることなく、タイムアップ。家本政明主審によりホイッスルが吹かれた瞬間、イレブンはピッチに崩れ落ちるように倒れた。

「残念の一言。タイトルに、国立に近づけなかったのは、サポーターの皆さんに申し訳ない思い」と村田が悔しさをにじませれば、「レヴィーだけじゃなく、他にも抜けていく選手がいるので、それを考えると、今日は悔しいし、このチームでこれが最後かなと思うと、悲しくなった」と酒本憲幸は、これが今季終了を意味することを嘆いた。それでも、「戦う気持ちであったり、最後まで決勝に向かう気持ちというのは、チーム全体として見せられたと思う」と播戸。「若い選手が多いなか、いろんな選手が抜けたりケガをしたりしたなか、1人1人が成長してベスト4まで来ることができた。また来年さらにパワーアップして、さらに上へ向かっていきたい」と、前を向いた。

そして、レヴィークルピ監督。優勝で花道を飾ることはできなくなったが、「戦う姿勢を最後まで見せてくれた選手たちに本当に感謝している」とイレブンを称えたうえで、「日本でのこの5年間というのを、私は絶対に忘れない。大切なものになった」と、最後まで感謝の意を表し、長居を、大阪を去ることになった。

香川真司、乾貴士、清武をはじめ、若きタレントを数多く育てあげ、J1復帰、クラブ最高の3位、ACL出場と新たな歴史も築き、C大阪の「攻めきる」というクラブポリシーも確立したレヴィークルピ監督。あなたのことは、C大阪に関わる誰もが忘れない。そして、レヴィークルピ監督のフィロソフィーを受け継ぎ、いつの日か、悲願のタイトルを得て、ブラジルへ吉報をもたらすためにも、C大阪はこれからも勝利へ、栄冠へ向かって邁進する。最後に、「ありがとう、レヴィー!」

以上

2011.12.30 Reported by 前田敏勝
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