12月29日（木）第91回天皇杯 準決勝 横浜FM vs 京都（15:00KICK OFF/国立）
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★第91回天皇杯特集
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大木武監督は準決勝に向け、こう言い放った。
「自分たちで仕掛ける。受け身に立たないということです」
どこが相手でも京都は変わらない。勝ちに行くだけ、ただそれだけだ！
いよいよ準決勝。京都、全員の力で勝ちに行く！

準決勝の相手は横浜FM。タレントの宝庫である。言わずと知れた中村俊輔、中澤佑二、日本代表・栗原勇蔵、出場停止が明ける兵藤慎剛、小椋祥平、そして、１０番を背負う小野裕二。谷口博之は飛び出しに優れ、アンカーの小椋も後方からミドルを放つ、とにかくどこからでも点を取れる。
ただ京都からすれば、それもこれまでと同じ。「隙を作ればやられる」鹿島を相手にし、湘南とぶつかり、京都はそんな状況を全員の力で誰一人、責任を疎かにせず戦ってきたのである。「守りに入る」気持ちなど全くない。
「どんな相手とやっても簡単な試合はない。とにかく自分たちのスタイルを貫いて仕掛けていきたい」。中山博貴はそう口にした。全員がこの思いである。

この試合、京都はチョン・ウヨンが累積警告のため出場停止となる。ここに誰が入るか、大きな楽しみとなる。大木監督は意にも介さず「チョン・ウヨンが入らないということ。彼じゃない、というところでプラスアルファもあるでしょう」とすんなり答えた。もちろん、チョン・ウヨンも大切な戦力。だが、他の選手もまた、重要な戦力なのだと大木監督は言いたかったのだろう。
宮本武蔵が二刀流の極意を記した「五輪書」。地の巻にこうある。「長き（太刀）にても勝、短にても勝 故によつて、太刀の寸を定めず。何れにても勝事を得るこゝろ、一流の道也」（長い刀でも勝ち、短い刀でも勝つ、つまり、刀の長さを定めない。どちらでも勝ちを得ること、これこそ、我が流派である）
「誰が出場するか」ではなく、「誰が出ようが勝ちに行く」ということである。選手がやるべきことを責任もってやれるか、そして、それがチームにどんな流れを作ってくれるか、と注目していきたい。

この、選手の入れ替えや配置の変更を個人的には非常に期待している。今シーズン序盤、京都は散々な戦績だった。第１３節から３連敗を喫し、不安が最高点に達しての第１６節・大分戦。大木監督はサイドバックに酒井隆介を起用した。彼の思い切りの良さを買ったのだ。そして、それがゲームで表れ、久保裕也の２得点もあり、選手が躍動して２−０で連敗を止める。
今度は10/19の第６節・札幌戦。それまで水戸、徳島相手にリーグ戦で連敗。外部からは悪い流れを断ち切る糸口が見えなかった中で、大木監督は４バックを採用し、工藤浩平を起用。札幌相手に４−０勝利を収めると、この状態で連勝街道に乗った。
先発が固定化されることの良さも、もちろんある。だが、起用や変更といった変化が、チームの成長曲線を一気に加速させたのも事実である。もっと強くなるために。その変化を積極的に受け入れたい。

京都がどんな戦いを演じるか、大いに注目してください。スタイルを貫き、勝ちにこだわり、横浜FM相手に堂々と勝負を挑む。挑戦者・京都の戦いざまを是非、ご期待ください！

以上

2011.12.28 Reported by 武田賢宗