12月25日、ロアッソ熊本のホームスタジアムであるKK WING（熊本県民総合運動公園陸上競技場）で、“今年最後の決戦”が行われました。といっても、オフに入っているトップチームの選手たちによるものではなく、運営会社であるアスリートクラブ熊本のスタッフや運営ボランティアの皆さん、サポーター有志、そして今年２年目を迎えた「大人のサッカー教室」の受講者などが参加したもの。午前中はクラブスタッフと運営ボランティアの皆さん、午後はサポーターと「大人のサッカー教室」参加者がそれぞれ、選手たちが実際にプレーしたKK WINGのピッチでサッカーを楽しみました。

特に「大人のサッカー教室」の受講者にとっては、春から取り組んできたトレーニングの成果を発揮する檜舞台。昨年もシーズン終了後にこの催しが行われており、大きなモチベーションになっていたことも確かで、中には怪我のため昨年は参加できず、「KKのピッチに立つ」という２年越しの夢を叶えた人も。実際、開講当初はあまり見られなかった連係の取れたパス交換やチャレンジ＆カバーによる守備の対応など、サッカーとしての進化も感じさせたのは、やはり小林弘記さんや熊谷雅彦さんら元Ｊリーガーであるクラブスタッフの指導の賜物だと言えます。
１年を通したトレーニングを振り返れば（実は私も春から参加させてもらいました）、キックやトラップといった基本的なボールコントロールに始まり、１対１におけるディフェンス時の身体の向き、パスを受けるためのポジショニングや受けてからの展開に生かすためのボールの置き方、サポートの重要性、周りを見て情報を集めること、さらにはコミュニケーションの大切さなど学ぶことは多く、単に身体を動かすだけではなく、ゲームとしてのサッカーをより楽しくプレーできるようになることを目指した充実の内容でした。

とは言え、昨年の開講時に話を聞いた際にコーチを務める小林さんが話していたこの教室の狙いは「健康づくりや、実際にやってみることでサッカーやロアッソ熊本というクラブをもっと身近に感じてほしい」というもの。当然、そうした部分は変わらず根底にあって、この教室への参加と合わせて自身でもダイエットに取り組み、何と10kg以上（！）も体重を落とした人もいますし、加えて、サッカーやロアッソのことを家庭で話題にするに留まらず、都合がつけばボランティアとしてホームゲームの運営を手伝うなど、少しずつでもクラブを支える人を増やすことにもつながりました。
「サッカーをしている子どもと一緒にボールを蹴りたい」「日頃の運動不足解消に」「結婚して体重が増えたのでダイエットしたい」「やってみることで試合を見る時の参考にしたい」など、春先に行われた懇親会で耳にした参加の動機は様々で、昨シーズンから受講している人も含めて年齢層は幅広く女性も少なくありませんでした。また、週に１回行われる教室のほかにも、希望者を募ってフットサル大会に何度か出場したり、親睦の意味を込めてバーベキューを催したり、揃いのユニフォームを作って士気を高めたり、さらに年明けには温泉合宿も企画されていたりと、このサッカー教室を通じてできた交流の輪は、確実に広がりを見せている様子。そうした点で見ても、小林さんが話していた当初の狙いが形になりつつある「大人のサッカー教室」。３年目を迎える来年も、充実した内容になりそうです。

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2011.12.27 Reported by 井芹貴志