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【2011 Jユースカップ 総括】波乱含みの大会。エースの復調がカギを握ったファイナリストの顔ぶれと、その結果(11.12.27)

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名古屋U18の優勝で幕を閉じたJユースカップ2011。この大会は本命と目されていたチームが次々と敗れる波乱の大会となった。

優勝候補と目されていたのは、広島ユース、札幌U-18、京都U-18、神戸U-18、東京Vユースなどだった。一番の波乱と言えば、東京Vユースが予選リーグで敗退したことだ。U-17日本代表FW高木大輔、トップ昇格の決まったFW南秀仁、MF杉本竜士、DF舘野俊祐、田中貴大の4人を擁する東京Vユースだったが、京都U-18に敗れ、伏兵・甲府U-18に引き分けたことで、決勝トーナメント進出が叶わなかった。

決勝トーナメントでも波乱は続いた。タレント面でナンバーワンだったのが、京都U-18と札幌U-18だった。京都U-18はFW久保裕也(※トップチームに帯同のため、出場せず)、三根和起、MF原川力、国領一平、DF高橋祐治、GK杉本大地という大量6人がトップチームに昇格し、1年生は昨年の高円宮杯全日本ユース(U-15)で準優勝に輝くなど、他が羨むタレントを有していた。しかし、今大会はどこか戦い方が不安定だった。決勝トーナメント初戦となる2回戦において、福岡U-18の強固なブロックディフェンスからのショートカウンターに苦しみ、前掛かりになったところをあっさり突かれて2失点を喫してしまう。その後、相手のミスに助けられ、同点に追い付くと、終了間際に勝ち越しゴールを叩き込んで、何とか逆転勝利を掴んだが、全体的には中盤のボールポゼッションで圧倒しながらも、そこから先の崩しが甘く、守備面でも簡単に裏を取られるなど、不安定な要素があった。準々決勝の清水ユース戦でもそれが顔を出して失点を重ね、3-4の敗退。不安定さを解消できぬまま、大会を後にした。

札幌U-18は準々決勝で広島ユースと激突した。札幌U-18は京都に次ぐ5人のトップチーム昇格選手を誇る。FW榊翔太、MF荒野拓馬、前貴之、DF奈良竜樹、小山内貴哉が軸となり、その脇に将来有望な2年生タレントを揃える。FW下田康太、MF神田夢実、U-17日本代表の深井一希、DF堀米悠斗、そしてすでにトップチームの試合のベンチ入りを果たしているU-17日本代表GK阿波加俊太など、いずれもトップチーム昇格も狙える実力派揃い。
昇格組の中で荒野と奈良はすでにトップチームで出番を掴んでおり、奈良に至っては不動のレギュラーとしてJ1昇格に大きく貢献している。今大会でユースの試合に復帰するなど、札幌は万全の態勢で挑んできた。
しかし、広島ユースの気迫が上回った。札幌は個人技と息の合ったパスワークを披露して、中盤で優位に立ったが、広島の粘りに苦しみ、再三リードを奪うも試合終了間際にミスから同点ゴールを浴びてしまう。九分九厘掴んでいた勝機を逃した代償は大きく、延長戦で力尽き、準々決勝で姿を消した。
広島ユースはこの後、札幌U-18と高円宮杯U-18 2011 チャンピオンシップでも死闘を演じて優勝を飾った。しかし、その試合から中5日で、Jユースカップ2011の準決勝を戦わなければいけなかったこともあり、疲労、モチベーションの両面で苦しい状況にあったことも影響。名古屋U18に許した3点のビハインド跳ね返すことができなかった。

波乱の大会でファイナリストとなったのが、名古屋U18とC大阪U-18だった。
C大阪U-18は正直、今大会は厳しい戦いになるかと思われていた。なぜなら1・2年生主体のチームで、ボランチで攻守の要であるMF秋山大地を負傷で欠く状況で、決して万全の状態で臨んだわけではなかったからだ。しかし、夏場まで不調に陥っていた2年生エースの南野拓実が、この大会に入るとエンジン全開で復調してきたことが大きかった。エースの復活により大きな勢いがつくと、3年生FW風間健治や、サイドアタッカーの小暮大器らの攻撃力を一気に引き出し、かさにかかった攻撃を披露。
一番のハイライトは準々決勝で、プリンスリーグ関東1部を制し勢いに乗っている鹿島ユースを相手に一度は逆転を許すも、ここから南野が圧巻のハットトリック。風間の2ゴール、トドメの6点目は1年生MF丸岡満が決めて、6−2の勝利を掴み取った。準決勝では清水ユースに対し南野2ゴールを含む大量5得点で5−1と一蹴。大会13ゴールでダントツの得点王となった南野を中心に、爆発的な攻撃力と勢いを持って一気に決勝まで駆け上がってきた。
名古屋U18は、タレント的には札幌U-18、京都U-18に引けを取らなかった。DF佐藤和樹、MF水野泰輔、FW高原幹と、各ポジションにトップチーム昇格選手を揃え、その脇にはU-18日本代表のハーフナー・ニッキと川本拓也の2年生センターバック・コンビ、森勇人と北川柊斗の期待の1年生アタッカーと、豪華陣容を誇った。今の3年生は中学3年で日本クラブユース選手権(U-15)を制し、1年生は中学3年に高円宮杯全日本ユース(U-15)を制している。いわば、ほぼ全員が日本一経験者。当然、前評判は高かったが、秋までチームとしてうまくかみ合わなかった。高円宮杯プレミアリーグウエストでも、思うように勝ち星を積み上げられなかった。日本クラブユース選手権(U-18)は準決勝で涙を飲み、プレミアリーグウエスト後期も広島ユース、京都U-18、C大阪U-18に大きく引き離されての4位に終わった。
だが、今大会はこれまでコンディションがなかなか上がらず、本調子ではなかった北川が復調したことが大きかった。「あいつが何をやりたいかすべてわかる」と語る、U15時代からコンビを組む森と抜群の連係を見せて攻撃を活性化させると、FWから左サイドハーフに回った高原もアタッキング能力をいかんなく発揮。高原は昨年、膝の前十字靭帯断裂という大けがを負って、半年以上を棒に振り、復帰後もなかなかコンディションが上がらない日々が続いた。しかし、夏以降は徐々に調子を取り戻し、今大会は新しいポジションで躍動したことも、決勝まで来られた大きな原動力だった。

最終的にはエースが不調から脱却し、大きく躍動したチームがファイナリストとなった。決勝は、C大阪U-18がレギュラーのダブルボランチを2人とも欠くという不運もあったが、名古屋U18の高原と北川という2人のエースの存在が最終的に差となって表れた。南野がノーゴールだったC大阪U-18に対し、名古屋U18は北川が先制点、高原が決勝点を挙げた。

波乱の大会は、夏からチームとして個として、どこまで成長曲線を伸ばすことができたかが結果となって表れた。広島ユースは過密日程という不運もあったが、神戸U-18と東京Vユース、京都U-18は少しトーンダウンしてしまった感は否めなかった。これらを見ると、名古屋U18の優勝は必然だったのかもしれない。
名古屋U18の初優勝で幕を閉じた今大会。新たな歴史を刻み、また来年、大阪の地で栄冠に輝くチームの登場を待ちたい。

以上


2011.12.27 Reported by 安藤隆人
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