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【2011 Jユースカップ 準決勝 清水 vs C大阪】レポート:打ち合いを挑むもC大阪の攻撃力に敗れた清水だが来年を生きるエネルギーは充填完了(11.12.24)

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12月23日(金) 2011 Jユースカップ 準決勝
清水 1 - 5 C大阪 (14:01/金鳥スタ/1,155人)
得点者:20' 小暮 大器(C大阪)、26' 丸岡 満(C大阪)、42' 南野 拓実(C大阪)、50' 南野 拓実(C大阪)、55' 藤原 雅斗(C大阪)、63' オウンゴール(清水)
★2011 Jユースカップ特集ページ
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3位決定戦がないためにJユースカップ準決勝で敗れたチームは試合後すぐに「3位」を表彰される。負けてすぐの「表彰式」で清水の選手は殆どが泣きじゃくっていた。そのなかで2年生の石毛秀樹はロッカーに戻るときも涙が止まらず、慰めの言葉を掛けることも躊躇するほどの憔悴振りだった。自身を活かしてくれた3年生に対する想いや、プレミアからプリンスリーグ落ちも危惧されたシーズンの船出からのプレミア3位、Jユースカップベスト4まで盛り返した手応えがあっただけに悔しい気持ちが強かったはず。大榎克己監督は「ユース監督4年目だが今年ほど選手の成長を感じたシーズンはない。ちょっとした自信を持つことで選手が大きく変わることがわかった。(2年の石毛を活かした)3年生は偉大だったと思う」と1年を振り返っている。

今年のC大阪はプレミアリーグ・ウエストでは京都に2戦2敗。その京都に打ち合いの末に清水はJユースカップ準々決勝で勝っているが、今度はその清水にC大阪は5−1で勝利。試合時期もチーム状態も違うし、同じように比べることができないがクー・チョキ・パーのような関係が不思議。プロなら強いチームは大抵強いし弱いチームは大抵弱いが、育成年代は良くも悪くもそういう安定感はなく驚きが魅力。それだけにこの年代は「些細なこと」が及ぼす影響を学ぶチャンスが多く、1年締めくくりのJユースカップに来年に繋がる要素が一杯詰まっている。タイトルだけの争いではない。

立ち上がりはやや清水が優勢に見えた。この時間帯に先制すれば清水が最初の主導権タイムを掴むことができると思っていた。お互いに中盤でボールを奪い合って攻守が入れ替わる主導権争いを繰り広げていたが、清水の方が奪ったボールをショートカウンターで有効に攻撃につなげていた。清水の先制ゴールが決まる可能性が高いと思っていた。しかし、石毛は違うことを感じていた。「自分たちの狙いで崩せたのではなくて、ロングボールが上手く抜けた感じになっただけ。チャンスはあったかもしれないが、流れが清水じゃなかったと思う。でも、あの時のチャンスに決めていれば流れや結果は変わったかもしれない」と。対するC大阪のキャプテン小池佑平は、「立ち上がりは守備から入ることを決めていて、それを徹底してできた。押されている感じはなかった」と言う。試合後に両選手からこの話を聞いて、記憶容量100メガ頭で不鮮明な映像を巻き戻してみたがやっぱり清水が優勢だったという結論。ただ、C大阪は「立ち上がりはしっかり守る意識だった」という都合のいい記憶を都合の悪い記憶に上書きしておいた。

主導権争いがそろそろ終結してゲームが落ち着く時間帯の20分、清水はディフェンスのクリアミスが失点に繋がってしまう。決めた小暮大器のシュートもきれいに決まったが、手を抜いたミスではなく体勢が悪い状態でのキックミスが失点に繋がったもの。厳しく見ればポジショニングや身体の向きが悪かったということになるが、こういう「些細なこと」にこだわりきれなかった故のミスが、結果として大きなミスに繋がってしまうからサッカーは奥が深い。大人の世界でも軽率な一言で墓穴を掘ることもあるし、スポーツは細かいことにこだわらなければ大きなことは成し得ない。神は細部に宿るもの。そして、6分後にC大阪のボランチ・丸岡満がドカ〜ンと流れを決める。シュートを打つとは思えなかった推定40メートルの距離から素晴らしいロングシュートを決めた。バーに当たってゴールに入ったシュートは清水の選手を焦らせた。ただ、打ち合いを制してきたチームなのでリスクが大きくなっても点を取りに行く姿勢は変わらない。石毛がシャカリキになってボールを奪いに行き、奪えばシャカリキになってゴールに突き進んだ。この気持ちの入ったプレーは凄かったし、パサーとしても彼が素晴らしいことはよく分かったが、最後の1本がギリギリ合わないことが多かった。

42分にもC大阪のツートップ・風間健治と南野拓実のコンビネーションに清水は崩されて3点目を許す。第1試合(名古屋対広島)では3−0から同点の可能性も充分にあった3−2に広島が盛り返していたので0−3という数字には希望が残っていたが、後半最初の得点を決めたのはC大阪の南野。4点目までの過程で南野と風間のツートップの素晴らしさ、特に南野のシュートの上手さは美女のほうれい線のように目立っていた。直近の公式戦・プレミアリーグ広島戦では南野不在(U-18代表遠征)でノッキングした攻撃だったが、彼が戻れば風間も活きる。2人が活きれば中盤も活きるいい流れができる。また同じ試合で不在だったキャプテンのセンターバック・小池佑平の復帰も大きかった。

清水が素晴らしかったのは55分にも追加点(藤原雅斗)を決められ0−5になっても試合を捨てずに点を取りに行ったこと。焦りでプレーがやや雑になった面もあったが、打ち合いを制して勝ってきた自負とひたむきな気持ちで取り組めば成長できるという経験が彼らを投げやりな気持ちにさせることはなかった。63分に伊東直樹が打ったシュートがディフェンダーに当たったオウンゴールとして1点を返している。焼け石に水の1点かもしれないが、最後まで彼らが真剣に戦い続けた証明の1点でもある。そして、この1点と得点差が大きくついても戦い続けた気持ちは来年に繋がるし、3年生にとっても成長という自信が新しいステージに繋がる。決勝に進むC大阪のトップ同様の攻撃力が目立った試合だったが敗れた清水にとっても来年を生きるエネルギーを手にすることができた試合だった。

以上

2011.12.24 Reported by 松尾潤
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