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【2011 Jユースカップ 準決勝 名古屋 vs 広島】レポート:日程に苦しんだ広島、『3度目の正直』を成し遂げた名古屋。明暗くっきりのセミファイナル(11.12.24)

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12月23日(金) 2011 Jユースカップ 準決勝
名古屋 3 - 2 広島 (11:01/金鳥スタ/1,100人)
得点者:6' 水野 泰輔(名古屋)、24' 北川 柊斗(名古屋)、32' 都竹 俊優(名古屋)、64' 藤井 貴之(広島)、82' 脇本 晃成(広島)
★2011 Jユースカップ特集ページ
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今年3度目の対戦。過去の対戦成績は高円宮杯プレミアリーグウエストのホーム&アウェイを戦って、広島ユースの2勝。3−0、2−0といずれも完封勝利を挙げている。成績だけを見ると広島優位。しかし、現状はそうではなかった―。
「難しいのは確かだね…」
試合前の森山佳郎監督の表情は冴えなかった。というのも、広島は先週の土曜日に、プレミアリーグイーストとウエストの王者同士で行われる、高円宮杯プレミアリーグチャンピオンシップをウエスト王者として戦った。ここでイースト王者の札幌ユースを3−1で撃破し、日本一に輝いた。
1つの大会の頂点を極めた直後に、またもう1つ別の頂を目指す。気持ちの切り替えが非常に難しいことは想像に難くない。Jリーグで言うならば、最終節で勝点と得失点差が同じのチーム同士の直接対決を制して優勝を決めたわずか6日後に天皇杯準決勝を迎えるようなものだ。
一方の名古屋はプレミアリーグウエストを12月11日に終え、この試合に照準を合わせてじっくりと調整が出来た。さらにこれまで2敗を喫して、広島に対してリベンジに燃えており、十分のモチベーションを持った状態で、捨て身の勝負に挑んでくる。この一戦は広島にとって、非常に難しい戦いを強いられることになった。

そして皮肉にも、それが試合に反映されてしまった。立ち上がりから広島は動きが重く、先週のチャンピオンシップ決勝で見せたような躍動感あふれるサッカーが影を潜めた。反対に名古屋は機敏な動きを見せ、左の高原幹、右の都竹俊優の両サイドを使い攻勢に出る。
6分、中央でボールをキープしたFW北川柊斗が左の高原に繋ぎ、高原からボールを受けたMF水野泰輔が強烈に右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅に突き刺さった。

このゴールで目が覚めたのか、ここからようやく広島らしさが顔を出す。左の野口翼、右の森保圭悟の両サイドをワイドに張らせ、DFラインとボランチから正確なサイドチェンジで名古屋の守備陣を押し広げると、そこから末廣浩暉と野津田岳人の2シャドーがクサビを受けて、FW越智大和、MF川辺駿らの飛び出しを引き出しバイタルエリアを攻略。しかし、決定的チャンスを作り出すも、シュートミスや名古屋GK石井綾のビッグセーブに阻まれ、ゴールを奪えない。
すると24分、名古屋DF佐藤和樹の左サイドからのクロスを広島GK有賀陽平が痛恨のセーブミス。こぼれたボールを北川に拾われ、名古屋に2点目を奪われる。リズムを掴み返すのに戸惑っている間にミスから失点。このゴールは広島にとって、非常に重くのしかかった。続く32分には、右サイドでボールを受けた北川が仕掛け、並行して走って来た都竹にパス。都竹はそのまま持ち込んで左足を一閃。ボールはゴールに突き刺ささり、名古屋が3-0と思わぬ差をつけ、前半を終えた。

後半から広島は末廣に代えてMF宮原和也を投入。宮原を左ストッパーに、左ストッパーの藤井貴之を左FW、野口をシャドーに入れて、攻撃にテコ入れした。すると64分に藤井が個人技から1点を返す。そして、ここからようやく広島にらしさが生まれる。75分を過ぎると、森山監督はセンターバックの脇本晃成を前線に上げて、後ろを柳川剛輝と平田惇の2バック状態にして、一気に前線に圧力をかける。82分、森保の左からのピンポイントクロスに脇本がゴール前でヘッドで合せる。これは一度はGKに阻まれるが、こぼれを脇本自ら押し込んで、遂に1点差まで詰め寄る。

しかし、数々の奇跡を起こしてきた広島でも、一度大きく狂った歯車を修正しきれなかった。84分のGKを破る強烈なヘディングシュートも、ゴールライン上にいた佐藤のスーパークリアに合い、アディショナルタイムの川辺のミドルシュートのこぼれを交代出場のFW石坂元気が詰めたシーンも枠を大きく逸れた。

試合は3−2のままタイムアップ。名古屋が広島に『3度目の正直』を達成し、決勝進出を手にした。立ち上がりエンジンがかからず受け身に回り、それが最後まで大きな痛手となってしまった広島は2冠の夢が潰えてしまい、有終の美とはならなかった。前述したように、この試合に挑むまでの背景が少なからず影響してしまったのは皮肉としか言いようがない。
しかし、「相手の勢いがあって、それで押し込まれてしまった」と脇本が語ったように、それを差し引いても名古屋の集中力は見事だった。きれいな【4-4-2】のフォーメーションを維持し続け、DFラインはハーフナー・ニッキと川本拓也のセンターバック・コンビが巧みに統率。水野が豊富な運動量を活かして攻撃に関わり続けると、高原、都竹が高い突破力と正確なクロスそして中央への仕掛けを見せ、北川と森勇人の1年生2トップが高いテクニックを活かしてゴールに迫る。非常に洗練されて、かつ攻守の切り替えも早い効果的なサッカーを展開。終盤は身体を張った守備で、広島の猛攻をしのぎ切って見せた。
名古屋はこれで初の決勝進出となった。今の3年生は中学3年時に名古屋U-15として日本クラブユース選手権(U-15)を制し、今の1年生は中学3年時に高円宮杯全日本ユース(U-15)を制している。日本一を知る彼らが、最後の大会でついにファイナリストに。
「高田監督はいつもチームのことを第一に考えてくれる。あの人がいるからこそ、ここまで来られた。今日はチャレンジャー精神で戦うことができた。日本一のチームに勝てて素直にうれしい。この勝利は次につながると思う」
ハーフナー・ニッキはそう語る。3年前、今の高3の選手たちとともにU-15からU-18チームの指揮を執るようになった高田哲也監督の下で、一枚岩となって悲願の優勝を目指す。

以上

2011.12.23 Reported by 安藤隆人
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