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【第91回天皇杯 準々決勝 F東京 vs 浦和】プレビュー:ともにボールをつなぐことを大事にする浦和とF東京。地の利、相性と浦和に風は吹いているが、結果は果たして。(11.12.23)

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12月24日(土)第91回天皇杯 準々決勝 F東京 vs 浦和(13:00KICK OFF/熊谷陸)
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★第91回天皇杯特集
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浦和は24日、天皇杯準々決勝でJ2王者のF東京と対戦する。

愛媛戦では守りを固める相手に対し、ボールポゼッションで上回りながらもなかなか決定機を作り出せない時間帯が続いた。攻め急いでカウンターを受けるというリスクを減らす戦い方をしていたなかで、何度かヒヤリとする速攻も受けるなど課題はいくつか出た。

ただ、その一方で収穫もあった。特に3点目の形などは今後も狙っていきたい形だった。鈴木啓太の縦パスを原一樹がうまく裏に通し、ギャップに入り込んでいた宇賀神友弥がやや強引に横パスで流すと、2列目から飛び込んできた柏木陽介が決めた。「ああいう崩しは今季なかなかなかった」と柏木が語ったように、今季の浦和には少なかったコンビネーションからのゴール。F東京は非常に守備の固いチームだが、ああいった連携を勝負どころで見せることができれば決定機を築けるはずだ。

また、最終ラインからの組み立てがよりアグレッシブになっている点も好材料だ。愛媛戦では特に濱田水輝が隙あらばと縦パスを何度も狙い、攻撃を活性化させようとしていた。本人が「ミスでピンチにつながった場面も何回かあったので判断の部分を上げていかないといけない」と反省していたように不用意なパス出しも見られたが、局面を動かそうとしていたチャレンジ精神は評価したい。ミスもあったが、濱田の縦パスによって仕掛けのスピードが上がる場面もあった。

後ろでずっと安パイのパスだけ出していては、数字上の支配率は上がったとしてもそれは“見せかけのポゼッション”に過ぎない。前にボールを出せる時は積極的に出さなければ、相手をポジション的にも精神的にも押し込むことはできない。そういう意味で、濱田の仕掛けは攻撃のリズムを変えるポイントになり得る。「練習していたことが比較的うまくできたと思う。いいタイミングで攻撃のスイッチが入るシーンも何回かあった」。本人も普段取り組んでいることが形になりつつあることに手応えも感じている。F東京のプレスは厳しく、速攻のキレ味も鋭いので、愛媛戦以上に判断の精度は求められるが、勇気を持って攻撃のスイッチを入れるパスを狙っていきたい。

F東京もパスを回してくるチームだ。浦和の選手たちが「後ろからつないでくるし、センターバックにキックがある。守備のやり方をどうするかという話をしている」と警戒するように後方からゲームを作ろうとする。そして、攻撃陣には谷澤達也を筆頭に一発で局面を打開できるタレントがいて、梶山陽平のように中盤でリズムと時間を作れる司令塔もいる。羽生直剛のような潤滑油になる存在もいる。愛媛との戦いでは、齋藤学に仕事をさせなければいいという姿勢でもそれほど問題はなかったが、今回はそうはいかない。「相手は個人能力が高いし、1人を抑えれば大丈夫というチームではない。みんなでカバーし合わないといけない」と濱田も気を引き締める。

F東京は守備力も高い。今季J2での総失点数はダントツに少ない22。昨季の柏が24だったことは強度を測る目安の1つになるだろう。ザックジャパンでもディフェンスリーダーを務める今野泰幸を中心に、森重真人、徳永悠平など代表クラスの実力者が揃う最終ラインは人に強く、その前では梶山、高橋秀人がうまくフィルターになる。その屈強なブロックにまともに勝負を挑んでも、そう簡単には突破できないだろう。うまく食いつかせて、ギャップを突くような攻撃を仕掛けたい。

威勢のいい話をすると、浦和はF東京に対して相性が非常にいい。現在8連勝中で、公式戦16試合で負け知らず。2004年のヤマザキナビスコカップ決勝を最後に黒星を喫していないのだ。より直接的なアドバンテージもある。浦和は試合会場となる熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で1週間前に愛媛と戦っている。選手たちからはピッチが固く、バウンドが普段と違うという声が出ていただけに、F東京は感覚の調整に苦労する面が出てくるだろう。

昼開催ということで、日差しに悩まされる可能性もある。この原稿を書いている時点での天気予報は晴れ。浦和は愛媛戦で日差しに苦しんだ分、そのことを頭に入れて戦うことができるはず。1週間前は風も強かった。グラウンドの状態、周囲の環境など1度経験しているのは大きい。「眩しくてほとんど見えない時もあった。1回やっているのはでかい」と平川忠亮が話せば、濱田も「1試合やっているアドバンテージはあると思う。つなぐだけがサッカーじゃない」と状況に応じた戦い方をイメージできている。地の利は浦和にある。

浦和は勝てば優勝した2006年以来のベスト4進出となる。「今のメンバーでベストを尽くして1試合でも多くやりたい」。平川の思いはチームの総意でもある。強敵のF東京を撃破し、また一歩決勝に近づく。

以上

2011.12.23 Reported by 神谷正明
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