本日、町田市役所にてFC町田ゼルビアのJリーグ入会審査結果連絡と記者会見が行われました。記者会見での出席者のコメントは以下の通りです。
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●下川浩之代表取締役:
「Jリーグの入会審査が通ったということで、大東チェアマンからお電話をいただきました。本当にホッとしたという気持ちでいっぱいです。今、電話で言われたことが1つありまして、3年続けて黒字決算ではなく、赤字決算ということで、2011年度は必ず黒字にしてほしいと。経営面をもっとしっかりやってほしいということを言われました。
町田市立陸上競技場に関して、市長が素晴らしい英断をしていただいて、各議員さんたちのご理解のもと(改修を)進めていただいていることに本当に感謝したいと思います。そのことも大東チェアマンから言われました。行政がしっかり協力してくれているチーム。本当の市民と一体化しているチームはそうはないと。Jリーグもすごく注目しているということを言っていただきました。本当に身の引き締まる思いと、これからJリーグに上がってからが本当の勝負だなという気持ちでいっぱいです。本当に市長ありがとうございます!
あと、今日はキャプテンの津田(和樹)が来ていますが、彼も丸7年チームに在籍しています。私より1年古いのですが、東京都1部リーグの時からこの年まで頑張ってくれたことは本当にうれしいですし、一番チームが大変な時のことをよくわかりながら上がってきてくれた。ここまで引っ張ってくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。簡単ですが、これからもFC町田ゼルビアをよろしくお願いします」
●石阪丈一 町田市長:
「今、大東チェアマンから連絡をいただいたということで、私もホッとしています。まず、Jリーグの本来のライセンスでは、Jリーグ基準のスタジアムが「現存する」ということが昇格の条件となるわけですが、13年の2月に完成するという予定の中で、いわば1年前倒しの形でライセンスのお認めをいただいたということでございます。本当にJリーグの大東チェアマンをはじめとする役員のみなさんに、Jリーグとして英断していただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
それから今ご挨拶いただいた下川代表がずっとこのチームをリーダーとして引っ張ってきた。クラブのマネジメントには当然苦労があったと思いますが、そういったことについても敬意を表したいと思います。
もちろん、(町田市)成瀬出身のキャプテン津田選手をはじめ、選手のみなさんが2年連続で3位という成績を挙げて、J2入会を決めていただいたわけですが、そういう意味ではキャプテンが苦労したんじゃないかなと思っています。昨年、市で準備すべき施設基準が満たされていないということで、悔しい思いをしたわけですから、今年の昇格の知らせは本当に(喜びも)ひとしおという考えをもって受け止めております」
●津田和樹選手(主将):
「まず、Jリーグに上がれるということで、正直選手一同ホッとしています。今年1年間、ポポヴィッチ監督のもとでパスサッカーを信条にやってきた成果が3位という結果につながったと思っています。同時にこれまでゼルビアに関わってくれた選手たち、彼らの存在も忘れてはいけないと思います。彼らがいなければ、私たちはJリーグに上がれなかったと思います。僕たちだけでなく、全員で勝ち取ったJリーグ入りだと思っています。来年はJ2ということで、Jリーグチームに恥じない戦いをしたいと思います。そして、J1という次の目標に向かって、頑張っていきたいと思います」
Q:チェアマンからお話が長かったようですが、どういう話があったのですか?
下川代表取締役:
「臨時理事会が終わりまして、ゼルビアが昇格を決定いたしましたということからはじまりまして、通常とは違うと。異例で進んだということをいろいろ言われました。今、私も頭が真っ白なものでして(苦笑)、うまく伝えられないのですが、競技場ができていない状態の中、メディアセンターを建てるという条件のもとOKしたんだというお話でした。それと、先ほど言いましたが、3期連続で赤字となっている。そこはJリーグに上がったら黒字になるように努力してくださいと言われました」
Q:今のお気持ちは?
津田選手:
「選手としてはカテゴリーが1つ上がったということで、厳しい戦いが待っているという覚悟はしています。ただ、自分たちが自分たちの夢に挑戦できるということで、すごくワクワクした思いが選手の中で広まっています」
下川代表取締役:
「ステージが1つ上がるというのは大変なことで、選手もスタッフも本当にJFL以上に自分たちに厳しくしていかないといけない。私生活でもそうですし、いろんな部分で注目を浴びます。やはり、子供たちが私たちを見ているということがすごく大きいことなので、子供たちの模範になっていかないといけない。ただ、スターだとか、カッコよく振舞うとか、見た目を派手にするカッコよさもいいですが、やっぱり人間としていろんな部分で子供たちに夢を与えていかないといけないことなので、選手も自分たちも厳しくしていきたい。メディアに対してもしっかりと対応していかないといけない。また、東京で3つ目のJリーグクラブということで、相当期待度が高いと思うんですね。それに恥じないようにやっていきたいと思います」
Q:来季の夢と将来の夢は?
下川代表取締役:
「まだスカパー!と契約していなかったので、今日契約してきました(笑)。チャンピオンズリーグとJリーグのすべての試合を見られるように申し込んできました。あのー、何聞かれたか分からなくなっちゃった(苦笑)。……夢ね(笑)!これから先のこと、いろんな目標や夢がありますが、FC町田ゼルビアというチームをいかに大きくというのではなく、足元や基盤がしっかりしたチームにしていくか。本当に町田の人たちにゼルビアの話題で盛り上がってもらえるようになっていきたい。町田という名前がつくプロチームはそうはありません。そういう意味で子供たちが選手たちを見て、5年後、10年後に町田ゼルビアの選手になりたいと思ってもらえるようなチームになりたいですね」
津田選手:
「近いところではJ1昇格です。選手としてプレーするからには、上を目指すということで、1年でも早くJ1に上がるということが近い目標であります。将来的には町田の子供たちが町田ゼルビアの選手になるということを強い目標として持ってもらいたい。そういうチームになっていきたい。僕は町田出身ですが、中学時代、まだ町田にプロチームがなくて、他のチームに行きました。やはり地元でプロサッカー選手になれるという喜びを感じてもらいたい。全国に町田出身の選手が多く散らばっているので、そういう人が町田に集まれるようにもっと強くしていきたいですね」
Q:昨年、Jリーグ審査で通りませんでした。そこから1年で何が変わったと思いますか?
下川代表取締役:
「私たちはJリーグから多く指摘されたのですが、コミュニケーション不足でした。私たちはプレーで頑張る、選手が結果を出すということでやってきて、市のほうも動いてくれていたのですが、昨年は市長の携帯番号も知らないような状態でした。何かあったら、すぐに市長にご連絡するということができなかったのですが、今年は昨年の失敗をしたくなかったので、遠慮なく連絡を入れるようにしました。『今日は何対何で勝ちました!』とか『今日は新聞でこんなこと書かれているのですが、大丈夫ですか?』とか(笑)。そういうのを笑いながらお電話することができるようになったので、市長はご迷惑だったかもしれませんが、夜の11時12時にお電話することもありましたし。ただ、そういうつながりを持てたことが大きかったと思います。市長が身近になったというか、それまでは市長は高い存在で、どうしても近づきがたいというイメージがあると思うんですよ。でも、今は市長と親しくできるようになったというか(笑)、今は市長を胴上げしたい気持ちです」
石阪市長:
「この1年、ずっとJリーグ百年構想を踏まえ、Jリーグのある町はどうあるべきかをずいぶん考えた、もう少し正確に言うと、考えさせられた1年だったと思います。やはり、多くの市民に支えられているということが一番大事なことだと思いますし、それは試合会場に来てもらうということだけではなくて、いろんな手伝いをしていただくとか、資金的や広告的に援助をいただくといったことも含めて、『町田のチーム』ということを市民の皆さんに自覚をしてもらう、妙な言い方ですが、自覚を持ってもらうという1年だったと思います。Jリーグ百年構想の地域に支えられたチームを作るという意味では、町田はそれにふさわしい町でありますし、それにふさわしいチームができているということを訴えてきました。それは最近ずっと言い続けてきましたが、昨年の夏ぐらいまではそういう物言いがなかなかできませんでした。そういう意味でJリーグ百年構想に沿ったチームになったというのが、この1年の違いではないかなと思います」
Q:来年度からJ2は22チームになります。JFLとの入れ替え戦がはじまるとなると、今度は追われる立場にもなります。来年に向けて、どういうチームを作っていくのでしょうか?
下川代表取締役:
「ここ2、3年、JFLから上がったチームがいつも1年目は下位に沈んでいます。その要因として、資金がないという部分があると思います。昨年の鳥取、一昨年の北九州、その前の栃木もそうですね。そういうチームはJ2に上がった時、次の年の構想として、なるべくJFLで頑張った選手をご褒美というと変な言い方ですが、1年間Jでプレーさせるということがあったんじゃないかと思うんですよ、きっと。ただ、それで実際に勝てるかというと、そんなに甘いものではありません。やはりプロの世界ですから、厳しい判断をしていかないといけない。そうなると、資金面でどうするかという問題になります。私にすると、もっともっと町田の企業だけでなく、東京の大きな企業にも営業に行って資金を集めたいですし、また、海外も含めて少しでも資金を集められるようにしていきたい。順位ということだけでなく、強いチームをちょっとずつ作っていけるんじゃないかなと。ただ、高望みをして強くするというのはお金があればできると思います。でも、それでは一瞬で終わってしまう。子供の成長が何年もかかるように、一歩一歩着実にやっていきたいというのが本音です」
Q:地元にJクラブができるということでどんな効果があると思いますか?また、スタジアムへのアクセスの向上について何か考えていますか?
石阪市長:
「一番大きな効果は町田市というのは、商業が中心の町ですので、そういう意味ではJのクラブということで、町田のブランド力が引きあがると思います。商業的には大きいと思っています。もう1つは市民にとっても、アウェイのお客さんが来られますので、スポーツを通じていろんな地域の方と交流できる。お金でははかれないのですが、チャンスがあるということで、効果があると思っています。
アクセスについてですが、今のところバス便をメインに考えざるを得ないかなと思っています。実際、7千、8千人来られますと、かなり道路が混みますので、早めに新しいルートというのでしょうかね、そういうものをバスの営業されている会社の皆さんと話し合って、少し増設していくと考えています」
Q:選手から町田の子供たちにメッセージを。
津田選手:
「今年、僕たちが掲げていた夢がかないました。夢は望むものではなく、叶えるものだということを子供たちに見せることができたので、子供たちも自分の夢に向かって頑張ってほしいなと思います。実際に夢をかなえた大人がいるということを知ってもらいたいと思います」
以上
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出席者は(左から)石阪丈一町田市長、津田和樹選手(主将)、下川浩之代表取締役。
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