12月11日（日）TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2011 柏 vs モンテレイ（19:30KICK OFF/豊田ス）
TV放送：日本テレビ系列で19:00〜生中継！
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１回戦で対戦したオークランドがオセアニア王者だったとはいえ、アマチュアクラブであったことを考えれば、柏の真の意味での世界挑戦はこの準々決勝から始まる。
ネルシーニョ監督も、そして選手たちも「ミスが多かった」と振り返ったように、１回戦は所々で稚拙なミスが発生してしまい、もっと楽に進めることができたにもかかわらず、自分たちから苦しい展開へと持ち込んでしまったかのような試合だった。ミスが発生した一因は、柏にとって不慣れな国際大会の雰囲気もあった。したがって２試合目となれば、ある程度大会の雰囲気にも慣れ、平常心で挑めることだろう。ネルシーニョ監督は今大会では頻りに「スタンダードを出す」と言っているが、柏はＪリーグでのパフォーマンスを取り戻すことが上位進出への大きな鍵になりそうだ。

準々決勝の相手は北中米カリブ海代表、メキシコのモンテレイである。万能型ストライカーのアルド デニグリス、チリ代表ＦＷウンベルト スアソの強力２トップの存在が物語る通り、“超”の文字が付くほど攻撃志向の典型的なメキシコのチームだ。そのモンテレイについて「メキシコサッカーのハイパフォーマンスを出す準備をしてきていると思う。選手にはメキシコ代表もいて、レベルの高い相手であることは間違いない」とネルシーニョ監督は警戒の色を強め、対戦相手にリスペクトの念を抱きながらも「やりやすい相手だと思う」と自信を覗かせている。モンテレイの攻撃力は多彩で、確かに圧倒的な破壊力がある。しかし全体がリスクを厭わずに攻撃へ傾倒するため、背後にはスペースが生じやすいのだ。「そこを我々の持っているスピードを生かして攻撃に転じる」。指揮官は思い描くプランをそう語った。また、メキシコの選手は体格的に見ても日本人と近い。ならばオークランドのようなフィジカル勝負には出てこないと予想されるため、そう言う点から見ても柏にとってやりやすい相手なのかもしれない。

まず、柏にはモンテレイのフレキシブルな攻撃に対応する守備が求められる。ボランチ、センターバック、サイドバックのマークの受け渡し、あるいは相手に起点を作らせないための前線から献身的な守備を徹底する。だがそれは特別な作業ではなく、柏が普段からやり続けていることであって、“らしさ”を発揮できるかが大きなポイントになる。「組織で戦う姿を世界中の人たちに見てほしい」。北嶋秀朗の言葉通り、２年間かけて構築してきた柏の組織的な守備力を世界中に見せる絶好の機会でもある。そして前述したようにスペースは必ず生じる。ゾーンの間へリズム良くボールを付け、そこからレアンドロ ドミンゲス、ジョルジ ワグネルの展開力にも期待したい。なにしろジョルジは「モンテレイとは対戦した経験がある」と話しているのだから。

攻撃面ではスタイルの近い両者。だが、攻撃への比重の高いモンテレイに対し、柏は攻守のバランスを重んじる。その守備の部分で相手を上回ることで、ゲーム全体のイニシアチブを握りさえすれば結果は自ずと付いてくるはずだ。さらに柏は中２日で、モンテレイは今大会の初戦だが、気候や時差にどれほど適応できているかという懸念材料がある。この互いのコンディション面がどう影響するかも勝敗を左右するファクターになりそうだ。

試合は日曜日であるため、開幕戦のオークランドより柏から訪れるサポーターも多いはず。事実、クラブ会員向けのチケットは完売になったと伝えられている。黄色の割合が増した豊田スタジアムで、柏はどのような躍動感溢れるプレーを見せてくれるのだろうか。

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2011.12.10 Reported by 鈴木潤