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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【FCWC 柏 vs オークランド】レポート:FIFAクラブワールドカップ開幕!2−0でオセアニア王者・オークランドを退けた柏、上々の世界デビューを飾る。(11.12.09)

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12月8日(木)TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2011
柏 2-0 オークランド(19:45/豊田ス/18,754人)
得点者:37' 田中順也(柏)、40' 工藤壮人(柏)
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上出来の世界デビュー。そう言っていいのではないだろうか。リーグを終えたばかり、J1初優勝の様々なイベントやFIFA主催の催し物への参加、そして現地への移動などあって準備期間は短く、「試合まで1日しか練習できなかった」(ネルシーニョ監督)ため本来のパフォーマンスを発揮したとは言い難いが、FIFAクラブワールドカップの開幕戦にてオセアニア王者のオークランドを2−0で降し、柏は準々決勝へ駒を進めた。

試合前に行われた派手な開幕セレモニーに引き続き、FIFAのアンセムとともに、普段のリーグ戦とは異なるユニフォームを身に纏った柏の選手たちが入場してきた。そんな雰囲気の違いに多少は硬さもあったのだろうか。キックオフ直後は前線左のマネル エクスポシートを起点にしたオークランドの攻勢を許す場面も見受けられたが、3分に得たこの試合最初のコーナーキックで、増嶋竜也、工藤壮人が混戦の中でオークランドのゴールへ襲いかかったチャンスシーンを皮切りに、落ち着きを取り戻した柏が次第に“らしさ”を発揮した。
12分には田中順也が得意の左足ミドルシュートを狙い、酒井宏樹、橋本和の両サイドバックも積極的に前線のスペースへ飛び出していく。レアンドロ ドミンゲスとジョルジ ワグネルの2人がゲームを構築しながら、Jリーグ同様ピッチを幅広く使うサッカーを展開で主導権を握った。
柏が押し込むとオークランドは前線のアダム ディキンソンへのロングボールの頻度が増える。上背はないが屈強なイングランドのFWに対しては、近藤直也、増嶋も激しく体をぶつけオークランドの起点を潰す。相変わらずセカンドボールへの予測、対応が良い大谷秀和の中盤底での舵取りも光っていた。

先制点は左サイドから生まれる。田中は「体で来てくれるので、それに自分の体を当ててくるっとターンすればいける」と振り返っている。その言葉通り、37分にアレックス フェネリディスとのボディコンタクトをがっしりと受け止め、うまく体を反転させて前向く。自分の得意な形に持ち込んだ田中は左足を振り抜き、豪快なシュートでGKジェイコブ スプーンリーのニアサイドを射抜いた。さらに40分、セットプレーからレアンドロ ドミンゲスの蹴ったボールは、まず酒井が頭で合わせ右ポストを直撃。セカンドボールを拾った橋本が工藤へつなぎ、混戦の中、工藤が押し込む。2−0とリードして前半を折り返した。

後半はオークランドがキーマンの1人であるルイス コラレスを投入したこともあり流れが一変する。右サイドの高い位置でタメができ、右サイドバック、ジェイムス プリチェットがコラレスを追い越して柏陣内深くまで侵入してきたのだ。オークランドが攻勢を強めたことに加え、「対戦相手は知っているチームではなく、情報も少なかった」(ジョルジ ワグネル)という点、そして蓄積された疲労の影響など、いくつかの要因が絡んだせいか、後半の柏は守備に回る時間帯が増えた。ただ、Jリーグの戦いではこうした展開では守備的に試合を進め、カウンターから加点するしたたかさを持ち得たからこそリーグを制することができたと言っても過言ではない。実際にオークランドが前に出てきた分、相手DFラインと中盤の間には所々にスペースが生じ、柏は狙い通りボールを奪うとすぐさまレアンドロ ドミンゲスへ預け、カウンターを発動した。そこで3点目が奪えていれば、試合を終わらせることができたのだが、「ミスでカウンターを決め切れず、意図した形でサイドを切り崩したが1点が取れなかった」とネルシーニョ監督が振り返った通り、拙攻を繰り返す柏は追加点が奪えなかった。

逆にオークランドのセットプレーから「あわや」というシーンを迎える。34分、ゴール左上隅と捉えたデーブ マリガンの直接フリーキック、35分には左コーナーキックからニアに入ったイバン ビセリッチのヘッドと立て続けにピンチを招いたが、驚異的なレスポンスを誇る菅野孝憲のセーブがチームを救った。

1回戦で負けてしまえば、即この大会から去らなければならないが、勝てば最低でもあと2試合は保障される。「FCWCに出場したまたとない機会なのだから、できるだけ長く大会に留まり、世界を体感し続けたい」という選手たちが戦前に話していた重要なタスク。2−0で逃げ切った柏はそれを見事に完了した。国際大会の雰囲気、Jリーグとは微妙に異なるジャッジ基準、海外選手との対峙…。この1回戦で初めて知り得た部分も多かったことだろう。準々決勝ではこの経験を大いに生かしてもらいたい。

また、試合後の記者会見では海外メディアから準決勝へ進出した場合に激突するサントスと、そこのスタープレーヤー、ネイマールに関連した質問がネルシーニョ監督に向けて投げ掛けられた。が、指揮官は相変わらず姿勢を崩さずこう答える。「このトーナメントでも1試合1試合を考えている。次のモンテレイ戦のことを考えたい」。典型的なメキシコスタイルの攻撃的なサッカーのモンテレイに柏がどう挑むのか、楽しみは尽きない。

以上

2011.12.09 Reported by 鈴木潤
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