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Ｊ２リーグ戦で６試合勝利なし（２分４敗）ののちの第35節・鳥取戦（11月12日開催）で１−０（得点者はＭＦ米倉恒貴）の勝利を収め、11月16日の第91回天皇杯３回戦・磐田戦も１−０（得点者は米倉）で勝った千葉。これで波に乗れるかと思われたが、11月19日のＪ２リーグ戦で徳島が勝った時点で千葉は来季もＪ２で戦うことが決定。そのショックも影響したか、11月20日の第36節・東京Ｖ戦はスコアこそ０−１だったが、攻守ともにいいところがなく敗れた。
ＤＦマーク ミリガンとＦＷオーロイが今節を含む２試合の出場停止、ＭＦ佐藤勇人が負傷欠場の前節（第37節）では、前半はディフェンスラインの裏を狙うＦ東京に、的確なラインコントロールとブロック守備で対応したが、ボールを奪ってからゴール前まで攻め込むのには時間がかかることが多かった。ペナルティエリアへの侵入も少なく、Ｆ東京ゴールを脅かしたのはＭＦ村井慎二の２本のミドルシュートぐらい。後半はＦ東京が攻撃的な姿勢を強めたこともあり、次第に運動量が低下した千葉は防戦一方。ＭＦ山口慶が警告２回で退場の２分後、ＦＷルーカスの優れた攻撃センスとテクニックに中央を破られて失点した。「相手にやられたのはあそこぐらい」とは右サイドバックで出場のＤＦ茶野隆行の弁だが、最後まで失点ゼロで抑えられなかった守備を選手たちは悔やんだ。村井が「もっと前でボールを取りたかった」「ゴールまで遠かったし、チャンスの数も少なかった」という攻撃は、ボール奪取の位置が狙い通りにならなかった守備も影響していた。
今の千葉は、ボール保持率が高い試合でも「ここでゴールを狙う」という攻撃のスイッチがうまく入らない。相手の守備網を破る攻撃がなかなかできず、たった『１点』を取ることすらも難しくなっている。それだけに、勝つには先制点を取ることが最低条件となる。
水戸はＪ２リーグ戦の第35節・Ｆ東京戦は０−２、第36節・栃木戦は０−１と連敗。だが、Ｆ東京戦と栃木戦の間に行なわれた第91回天皇杯３回戦・Ｇ大阪戦は、延長戦の末に３−２（水戸の得点者はＭＦ小澤司、ＦＷ鈴木隆行、ＦＷ小池純輝）と逆転で競り勝った。
前節の鳥取戦では、小池が思い切りのよいシュートで２得点の大活躍。鳥取に１点を返されたが、ＭＦ村田翔のＣＫにＤＦ加藤広樹が頭で合わせて鳥取を突き放し、３−１の勝利でホーム最終戦を飾った。前節終了時の順位は16位だが、サイドを果敢に攻め、チャンスと見ればアーリークロスを入れるなど素早くフィニッシュに持ち込む積極性が光った。
前回対戦（10月19日の第６節）では、水戸が千葉のディフェンスラインの裏のスペースを狙う攻撃を見せ、ＦＷ吉原宏太の得点で１−０の勝利。今節でも水戸は千葉の守備陣を走らせる攻撃を仕掛けてくるだろう。千葉は走り負けずに粘り強く戦うことが必要だ。また、千葉は２試合連続で警告２回の退場者が出ているように、個人的なミスが起因のファウルが目立つ。水戸はセットプレーの攻撃にも強さがあるだけに、千葉はゴール前での不用意なファウルは避け、安易にセットプレーのチャンスを水戸に与えないようにしたい。
今節について、ＦＷ深井正樹は「ホームで戦える最終戦だし、失うものは何もない。思いっきりプレーしたい」と話し、村井は「もっと前の位置でアクションを起こしたい」と話した。前節終了時に勝点55、得失点差＋６で８位の千葉は、勝点58、得失点差＋24で５位の東京Ｖを今節終了時に上回ることは不可能に近く、今季は昨季の４位よりも下の６位以下がほぼ確定。せめて最終節は迷いのないアグレッシブな攻撃でゴールを奪い、『Ｊ１復帰』を願って１年間応援してきたサポーターに報いる勝利を掴み取ってほしい。
以上
2011.12.01 Reported by 赤沼圭子
