スカパー！生中継 Ch184 後00:20〜
☆totoリーグ第４ターン開催中！
★J2シーズン表彰 投票受付中!!
--------------------
※草津側プレビューはこちら
北関東を制覇しても、まだ満ち足りない。王者は、常に腹ペコで貪欲だ。
その筆頭格は完全復活を遂げたリカルド・ロボ。「最終戦も勝利と自分のゴールが必要。それ以外のことは何も考えていない」。前節の大分戦、超人的な逆転弾を突き刺したエースは、今節も勝利に繋がるゴールを挙げることしか頭にない。
また、２連覇中の水戸に快勝し覇権を握ったダービー優勝監督も、“北関東最下位”草津が相手でも決して手綱を緩めるつもりはない。
「これまで無敗で北関東ダービーを制覇したチームはない（栃木は現在２勝１分）。それにもチャレンジしないといけない」（松田浩監督）
前人未到の領域に到達する権利を有する栃木にとって、草津戦は意地と誇りに加え、クラブ最上位でのフィニッシュを懸けた「色々と重要度の高い試合になる」（松田監督）。
「戦国Ｊ２」と称された今季を象徴するように、昇格争いに負けず劣らず上位争いも熾烈を極める。現在７位の栃木は最終戦で勝利を収め、他クラブの結果次第では最高５位までジャンプアップ出来る可能性を残している（１０位に沈む危険性もはらんでいるが）。現状を６位以内がプレーオフに進める来季に置き換えれば、かなりスリリングな位置に身を置いていると言える。６位以内で今季を終えた時の波及効果を、松田監督はこう話す。
「地元の皆さんの昇格への期待度も注目度も上がると思うし、昇格を目指す上で現実味のある目標だと捉えてもらえる」
一昨年は１７位、昨年は１０位と確実にステップアップしてきたが、「Ｊ１へ」をスローガンに掲げて挑んだ今季、その本気度は前年の成績が２桁順位だったことで伝わりにくい部分があった。それだけに、是が非でもＪ１へ再挑戦する来季に向けて「６位以内」に食い込まなければならない。
９月に起こった「パウリーニョ・ショック」以降、苦しみもがいた栃木だが、前々節・水戸と前節・大分を立て続けに撃破。大分戦では今季初の逆転勝利を収めた。どうしても越えられなかった壁をひとつ越えたことで、「先制されても逆転できると思える。１点取られても２点取れると思えれば、ゲーム運びが違ってくる」と、大和田真史は気の持ちようが異なると話す。負ける気がしなかったリーグ序盤戦の勢いと流れを取り戻した栃木に対し、リーグ終盤戦にだけ強い“特異体質”の草津も９戦無敗と好調を維持している。先行逃げ切りが栃木の理想的なプラン。ただ万が一、思い通りに事が運ばなくても、慌てふためかずに対処できるはずだ。ひとつの成功体験がチームの成長を促進したことを、仮に追う展開になった場合には結果で示したい。
クラブ初の１桁順位で今季を終えるということは、草津から今季２つ目の白星を奪うということ。そのためには、「ボランチへのプレッシャーをしっかりやらないといけない」と高木和正。特に警戒すべきなのが熊林親吾だ。松下裕樹とダブルボランチを形成し、持ち前のキック精度とイマジネーションで、草津のパスサッカーの心臓部となっている。自由を与えると右サイドから危険なクロスを上げる古林将太に、易々とパスを配られてしまう。ボランチにボールが入った時、早めに潰して機能不全にする必要がある。また、熊林はセットプレーでも質の高いボールを供給し、アシスト数を稼いでいる。栃木としてはＣＫから失点を喫した前節の轍を踏まないためにも、ポジショニングの駆け引きで勝り、キッカーにプレッシャーを掛けていきたい。
松田体制３年目、キャプテン落合正幸が率いたチームで戦えるのも、草津戦を残すのみとなった。
「今年のメンバーでは最後の試合になる。試合に出る人は出ない人の思いを背負い、責任感を持って戦う必要がある」（大和田）
最終戦だからといって先発とベンチ入りメンバーが増員されるわけではない。先発１１人、サブ７人は不変だ。選から漏れる選手は当然いる。だが、どんな時でも２６人で眼前の試合を取りに行く姿勢に変わりはない。団結力と一体感が売りのチームは、それが発揮された時、本来のサッカーが表現できる。一致団結して泥臭く、我慢強く戦い、勝点３を得た水戸戦と大分戦。その流れを断ち切ることなく、「終わった時に倒れ込んで今年やってきたことを出し切る試合」（松田監督）が出来れば、草津も恐れるに足らず。
ダービー無敗優勝を果たし、クラブ史上最高の成績を残すためにも、草津だけには負けられない。
以上
2011.12.01 Reported by 大塚秀毅
