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前節。風雨に見舞われた最悪のコンディションながら、磐田は粘る甲府を退け８位に浮上した。ここ２試合は浦和戦3-0、甲府戦2-1と２試合で計５得点と安定した強さも見せている。浦和戦は前田遼一２得点、山崎亮平１得点、甲府戦は金園英学２得点という内訳だ。11月16日の天皇杯３回戦で背番号10の山田大記が左下腿肉離れで戦線を離脱した中で、着実に勝点を重ねるあたりは、さすが磐田と言えるだろう。
だが、神戸もここに来て和田昌裕監督がメンバー選びに困るほど個々のコンディションが上がっている。前節のC大阪戦では都倉賢と小川慶治朗が長いリハビリ生活を経て復帰。多くのギャラリーが集った11月23日の練習でも、軽快な動きを見せていた。特に小川は「前節は５分だけの出場だったけど、フリーランとか自分らしい動きは見せられたと思う。練習でも１対１の感覚は戻っているので、もっと試合に出たい」と意欲満々だ。
また、今の神戸で最も充実しているのはボランチ陣かもしれない。前節のC大阪戦で相手の攻撃の芽をことごとく摘んだ田中英雄と三原雅俊に加え、松岡亮輔と大屋翼も健在。なかでも前節出場停止だった大屋は「（C大阪戦に）オレが出てたら、もっとパス回せたのにな〜と思って見てました。人生、うまく行かんもんすね（笑）」と試合に出たくて仕方が無い様子。和田監督が「（ポジションの）みんな自分が出るんだという気持ちでいる。ほんまに競争が激しい。いい意味で頭が痛い（笑）」というのも納得だ。
しかも、ベテラン吉田孝行が依然として好調をキープしている。「チームの中では、たぶん自分が一番多いんちゃうかなぁ」というWOWハンバーガーのぬいぐるみを“もってる男”は、前節のゴールで自身J1初の２桁ゴールまであと１点と迫っている。磐田戦については「今季で一番大事な試合になるやろね。自分の２桁得点よりもチームの一桁順位が大切やけど、それに向けて自分が貢献できるのはゴールでもある。磐田戦で２桁得点、決めときたいですね」と気合いを見せた。
ホーム最終戦に向けて和田監督は「１年を通して初めて監督をやらせていただき、サポーターには温かくサポートもしていただいた。そして終盤のこの時期に目標を達成できる可能性も残している。サポーターの皆さんと共に最後まで一緒に戦っていきたい」と言う。
和田監督の言う目標とは“一桁順位”である。だが、たらればの話、神戸がこの磐田戦に勝てばチーム史上初の“入賞（７位以内）”の可能性も無くはない。今季のホーム最終戦は、昨季以上に熱いゲームになりそうである。
以上
2011.11.26 Reported by 白井邦彦
