11月12日(土) 2011 J2リーグ戦 第35節
京都 1 - 0 東京V (16:04/西京極/12,287人)
得点者:86' 中村太亮(京都)
スカパー!再放送 Ch181 11/13(日)後11:30〜
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まさに、激戦と呼ぶに相応しい試合は、京都が中村太亮の今季初ゴールで勝利し、連勝を6に伸ばした。
試合は、お互いに攻撃意識を出した好ゲームとなった。前半、京都は中盤からフィニッシュを引き出す部分がスムーズではなく、逆に東京Vのカウンターを食らうという展開に持ち込まれる。
25分にはアポジが中へドリブル、左外へ送り、そこから中の阿部拓馬が落としてアポジがシュート(この時に顔面ブロックで守った染谷悠太を京都ベンチは大事を取って秋本倫孝と交代させる)。
京都も、33分につないで左からのクロスに中山博貴の頭。37分には宮吉拓実からドゥトラにつないで、ブロックの前からシュートを放つなど攻め込むが、記録通り東京Vの方がフィニッシュにまで持ち込む数は多く、したたかさを感じさせた。
40分にまたもやアポジにシュートを打たれるが、福村貴幸も見事なブロックをみせ、また45分にもCKから富澤清太郎にヘディングシュートを許すも、宮吉がこれをはじき出す。京都は粘り強く、体を張った守備で東京Vに得点を許さなかった。
後半、アポジから河野広貴に代えた東京Vが鋭さを増す。左からのクロスに逆サイドで待ちかまえていた河野がシュートを放つ。その直後にもスローインから巻誠一郎が落として阿部と、立て続けに京都ゴールに迫るも、京都はまたもDFが体に当ててゴールを割らせなかった。
京都の反撃は後半16分、右サイドバックの酒井隆介のシュートを皮切りに徐々に相手を押し込めるようになる。後半22分にはドゥトラがDFの股を抜きシュートを放つも、こちらもDFがブロック。
東京Vも流れを引き戻す。その中心は河野。中へ切れ込み、マークの緩くなった巻へ通す。巻のシュートはGK正面。その後も両サイドからのクロスで阿部、巻と京都ゴールへ迫るシーンを作り出す。
そして38分、京都は中村充孝に代えて中村太亮を投入。左サイドを活性化させる。40分にはその中村太からのクロスに中山が頭で落として、工藤浩平のシュートを引き出す。
そして41分、中盤右でボールを奪った工藤が持ち込むと、前には宮吉とドゥトラ。そこに逆サイドから中村太が工藤よりも後ろの位置から走り出す。工藤から中村太へ渡ると、中村太がこれを落ち着いてゴール右へ蹴り込み、先制点を奪う。
その後は東京Vのパワープレー。だが、追いすがる東京Vを京都が跳ね返してタイムアップ。中村太の今季初ゴールで京都が6連勝を飾った。
見どころの多い試合だった。特に東京V・アポジと河野の右サイドは迫力十分だった。それに対して、京都の左サイドバック・福村の頑張りも評価に値するだろう。序盤はアポジのスピードに後手を踏んだが、35分にそこに入るパスを前でカットしてから、より相手との間合いを縮めて勝負が出来るようになった感がある。
実は試合2日前に、京都はサイドでドリブルを仕掛けられた時の練習をしていた。その時に確か、大木武監督が体を当てに行くことを怖がるなといった内容の声をかけていたように思う。その時は聞き流してしまったが、福村が実際に河野のスピードを消すために体を当てていたのを見て思い出した。練習でやった速さが武器の相手の良さを消す対処法の一つを実践したということだろう。全体的に見れば河野のほうが主導権を握っていたが、それでも福村も粘り強く対応していたのではないか。
ゲームの流れを見れば、正直な感想は京都の攻撃はあまり良くなかったように感じる。つながらなかった、という印象だ。前半は最終ラインから中盤へはつながるが、そこから攻撃を動かす、効果的なアクションは少なかったように感じる。逆に後半は、前で積極的な仕掛けはできるが、最終ラインから中盤でのつなぎは大雑把な感じもあった。後半36分に、秋本がボールを持った時に前に出せないシーンがあり、まさにそう感じた。点を取りたいという心情の表れだとはよくわかるが、もっとつなげて、もっと攻撃を動かすことができたのではないかという思いがある。
と批判を交えたが、今節、観客数が1万2千人を超え、今季ここまでの最高を記録した。これは、ファン・サポーターに「京都の試合を観たい」と思っていただけたことの証である。大木監督は試合後「選手の頑張りしかないなと思います」と話したが、選手が頑張って勝利して多くの観客に「また観たい」と思わせた。それがプロの原点だろう。そして、その観客の前で勝てた。本当にそれが全てだと思う。
また今節、ファールの後に東京Vの選手が相手選手に手を差し出すといった行いが多くあり、清々しい気持ちにもさせてくれた。こうした意識や行いも、試合を素晴らしいものにしてくれたような気がする。今節、素直に両者の健闘を称えたい。
以上
2011.11.13 Reported by 武田賢宗
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