11月12日(土) 2011 J2リーグ戦 第35節
札幌 2 - 0 大分 (13:03/札幌厚別/8,766人)
得点者:8' 内村圭宏(札幌)、85' 古田寛幸(札幌)
スカパー!再放送 Ch183 11/13(日)深02:00〜
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「見ての通り、内容も結果もすべて相手が上だった」と大分・田坂和昭監督が振り返れば、積極的に札幌ゴールへと迫った森島康仁も「ウチと札幌ではプレーの質の部分で違いがあった。球際もそうだし、色々な部分で差を感じた」と同調する。札幌厚別公園競技場での今季最後の試合は、3位・徳島と同勝点でJ1昇格を激しく争う札幌が、8分、85分という効果的な時間帯に得点を挙げ2−0のスコアで大分を下した。
立ち上がりからペースを掴んだのはホームの札幌。両サイドのスペースを積極的に狙うことで大分の左右MFを押し込み、3バックの大分の最終ラインを5バック気味にさせ、そこから大分が立て直しをしようとラインを押し上げたところでその背後を突く戦略で、チャンスを演出した。
8分に挙げた先制点は、その戦略と選手の特徴が上手くマッチしたものだった。
札幌が左サイドでボールをキープしたタイミングで大分の守備陣が全体のゾーンを押し上げたのだが、そこで岩沼俊介が背後のスペースへと浮き球のパス。オフサイドラインと入れ替わる形で飛び出した内村圭宏が、落ち着いてボールをコントロールしてゴールネットを揺らした。内村は一瞬のスピードを生かして相手DFの背後を突くのが得意な選手。加えてこの日の大分の最終ラインは、守備の強いセンターバックというよりも、どちらかというと攻撃の起点になるのが得意なタイプの選手ばかり。守備のリスクマネジメントや裏へのケアという部分では若干、後手を踏む場面が多く、内村の飛び出しに何度も翻弄されてしまっていた。
それを差し引いても内村のパフォーマンスは見事だった。前述したように裏への速さは抜群だし、ファーストタッチでしっかりと次のプレーへと移りやすいポジションへとボールを置ける。そして、この試合では裏への飛び出しを何度か見せておいた上で、裏へ飛び込むと見せかけて中盤へとポジションを下げ、決定的なラストパスも供給するなどチャンスメークも担っていた。この内村のプレークオリティーは、この試合のなかだけでなく、J2全体を見てもトップレベルにあると言っていい。
ただし、その後の札幌は内村が中心となってチャンスを何度も作り、いつ追加点が入ってもおかしくない展開に持ち込みながらも、奪いきれない。前半終了間際には立て続けに決定的なチャンスを生み出しながらも、ジオゴ、砂川誠のシュートは決まらず。
後半に入ると田坂和昭監督は藤川祐司を右サイドに投入。イ・ドンミョンを中盤から最終ラインへと下げ、前半は守備的MFの位置にいた幸野志有人を2列目に置くベンチワークを敢行した。これについて田坂監督は「1点を奪われてから、なかなかボールを動かせなくなった。そこを改善するため」と説明。そのポゼッションの部分の効果については「思うようにボールを動かせず」(田坂監督)だったが、右サイドに入った藤川がタイミングのよい攻め上がりを見せて、徐々に大分にもチャンスが生まれるようになっていく。シュートがバーを強襲するなど、試合の流れはアウェイの大分へと移行していきつつあった。
しかし、ここで粘りを見せたのが札幌の守備陣だ。テクニックのある前田俊介、高さとパワーのある森島康仁、展開力のある幸野という大分アタッカー陣に手を焼く場面が出て来ながらも、山下達也、奈良竜樹が組むセンターバックを中心に、左右サイドバックや守備的MFも最終ラインのフォローに走り、粘り強く跳ね返し続けた。「『ここで我慢しよう!』とみんなが声を出していた」と山下。我慢の守備で、試合の流れをガッチリと繋ぎ止めたのである。
その後も札幌はチャンスをフイにする場面があったものの、85分、内村からの絶妙のパスを受けた古田寛幸が相手GKとの1対1を冷静に決めて、勝負も決めた。
札幌にとっては、J1昇格を争う重圧のなかでチャンスを決めきれないという難しい試合展開となったが、そうした試合をモノにしたことは、チームに自信を与えたはず。徳島も勝利したため順位に変動はないが、得失点差はわずかに1となり、肉薄した。残り3戦、「悔いのないように戦いたい」(内村)との言葉通り、総力を上げての戦いが演じられることになる。
以上
2011.11.13 Reported by 斉藤宏則
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